ゴールド現状把握(2023年7月10日)
現時点(2023年7月10日)で名目金利(米10年債金利・米2年債金利等)はほぼ材料視されていません
アナリストなどが金利上昇しているからドル円下がらないなど言っていますが、何を見ているんですかね?って感じで見ています
イールドカーブ(米10年債金利ー米2年債金利)
むしろ名目金利の上昇よりもイールドカーブに反応していると思っています
下図チャートはイールドカーブ(青・逆目盛り)とドル円(オレンジ)、ドルインデックス(水色)を表しています
これを見て分かる通り、特にイールドカーブの上昇がドル円の下落となっています
ドルインデックスもそれで大きく下落しました
前回大きくイールドカーブが改善(プラス方向に)したときは、名目金利の下落により急回復しました
しかし今回は名目金利は長期ものが売られ金利が上昇し、イールドカーブが改善しています
ですが、米ドルは一時的に買われる場面もありますが、どちらかというと売られています
つまり、名目金利は材料視されていないことを意味していると思えます
短期金利の上値が重いため、それが材料視されているといえばそうかもしれません
インフレと利下げ
インフレはイギリス以外先進国はかなり鈍化しています
そのため、インフレでの名目金利上昇はあまり考えにくいでしょう
また、利下げ期待が大きいですが、利下げは年内はほぼないと思います
利下げは経済環境の悪化・景気減速が目に見えてきてから行うものです
アメリカ経済は現在かなり堅調です
その中で利下げする理由はまったくありません
むしろ現在の金利で経済がうまく回るようであれば、利下げという選択肢はありません
そのため、今後政策金利決定の指標時にはドルが買われるといったことが起こりやすいでしょう
利下げ期待が後退ということになりますからね
ゴールド
金利上昇により先日まで下落していましたが、一旦切り替えしてきています
その理由としては色々考えられますが
中央銀行の下値支え
潜在的需要
アジア圏の押し目買い
金利下落期待
これら要因があるものと思えます
ただ、COTレポートを見るとあまり良い状況ではないと思えます
現時点で赤丸の部分のように、ロング・ショートのポジションが接近しているわけではありません
赤丸部分のようになってくると、大きな上昇が起こる可能性があります
ですが直近(一番右側)をみるとどうでしょう
むしろロング・ショートポジションが増えており、トレンドが出る状況にはなっていません
むしろ下がりやすい状況に見えます
先日$1893あたりでショートカバーがでましたが、先物ポジションからのショートポジションの現象は微々たるものでした
先物だけでなく現物もあるため、これだけで今後の傾向がわかるわけではありませんが、過去のパターンから先物の状況からあまり上がることはないでしょう
ただ下値は硬いものと思えます
円とゴールド
ゴールドを見る上で米ドルを見ることはかなり重要ですが、円も見ておくといいでしょう
日足で大きめのチャートで比較すると、円の下落に対してゴールドはそれほど下落していません
円が買われる要因がないため、ここまで円が下落していることは皆さんご承知のとおりです
昨年の$1610まで下落したときはかなり相関性が高かったです
短期で合わせてみると同じ動きになっていることがわかります
現在長期で同じ動きをしているものは殆どありません(金利・貴金属・ドルなど)
そのため、短期で見ていくことも必要かと思えます
先日円が急騰する動きをみせましたが、そのときにもゴールドが同じ動きを見せています
短期的に円とゴールドは同じ動きをするものとしてみていいでしょう
ユーロとゴールド
ユーロとゴールドは非常に同じ動きをしています
週足・月足レベルで見ると違いますが、日足レベルでは同じ動きをしていることが多いです
現時点でユーロドルが1.095あたりを推移しており、1.10を試しにいけるレベルとなっています
その高値を抜けるようであれば、ユーロインデックスが上昇し、ゴールドの上昇が見込めるでしょう
もし、ユーロドルがトリプルトップのような形になり下落するようであれば、ゴールドは下落しやすいでしょうね
ゴールドと株(ナスダック)
株との相関も見られます
これまで大きく上昇していた株ですが、それにつられてゴールドが下落していました
一時的に株が上昇しているのにもかかわらず、ゴールドも上昇しているときもありますが、結局は歩み寄ってきいます
現時点で株は調整局面に入りそうになっています
その下落があるようだと、ゴールドは短期的に上がる可能性が高いものと思えます
ゴールド ボラティリティ低下
ここのところゴールドのボラティリティの低下が続いています
ATRの水平線と、丸印を見ていただきたいのですが、このような低ボラティリティのあとは、大きく上昇することが非常に多いです
100%ではありませんが(2022年9月は一時的に戻したがその後下堀り)その傾向は非常に高いと思えます
ゴールド テクニカル
移動平均線は上から20EMA、50EMA、100EMA、200EMA、200SMAとなります
①で200EMAで反発が②でも意識されたようです
①と②で比較すると、①はRSI30タッチしているが、②はRSI30タッチしていません
①のMACDは上がる前に鋭角に切り替えしてきていましたが、②で上がっていますが何かあればすぐにでも反転しそうです
もし、200SMAまで落ちてくればRSIが30タッチして、大きな上昇が見込めるようになる気がします
その値は$1850~$1860となります
現在はなんとか下値を切り上げており、上昇トレンド形成できるかといった状況ですが、下値を割り込めば200SMAまで落ちる可能性が高いかもしれません
最後に
どちらかというと、ここのところの動きは金利よりも通貨です
そのなかでも、米ドル・ユーロ・円の3つです
金利も重要ですが、通貨をよく見るようにしましょう
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