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子供心を忘れない大人に読んでほしい、オススメ漫画5選(&余談) in 2019

どうもこんにちは、オタクです。

2019年は僕にとって、激動の年でした。
いろいろな出会いや、様々な発見がありました。
そんな中でも例年と変わらず、どんなに財布事情が辛口の時も、漫画だけは絶えず購入して読み続けていました。

ただ、最近巷で流行っていると噂を聞く漫画は、僕はあまりハマることはなかったです。(妹が鬼になったり、左利きの天才がいたり、一方ではヤンキー高校生が美術の天才だったり、約束がneverだったりのやつとかですね)

個人的には"目標に対して皆んなで力を合わせて1から進んでいくぞ!"というストーリーよりも、"常にゴール(作品のテーマの答え)は隣にあるのに、色々な要因によりそれに気づかない"みたいな、どこか仄暗いストーリーが好きなんです。

このnoteでは、そんな仄暗いストーリー性のある作品を、ざっくりと紹介します。
独断と偏見と、さらに謎の映画愛が詰まってますが、ぬるい心持ちで暇つぶしにでも見ていただけると幸いです。

時間がない方は余談を飛ばして読むか、まとめだけ見てもらえればなんとなくわかります。
※2019年以前の作品もあったりしますが、見逃してください。
※余談(ぼやき)は紹介する作品に全く関係のない、僕のぼやきです。共感頂ければ嬉しいです。

●おすすめ漫画1...チェンソーは、銃に勝るのか 『チェンソーマン』

チェンソーマン

あらすじ:「悪魔」と呼ばれる存在が日常に蔓延る世界。少年デンジとチェンソーの悪魔ポチタは悪魔を駆除するデビルハンターを主な仕事としながらなんとか生計を立てていた。ある日、デンジに仕事を斡旋していたヤクザが力を求めて悪魔と契約をしたことでゾンビと化してしまう。悪魔に操られたヤクザはデンジらをおびき寄せると集団で襲い掛かる。不意を衝かれたデンジらは為す術なく殺害されるが、デンジの遺体からしたたる血液を偶然体内に取り込んだポチタは蘇生し、デンジの身体を修復するため合体する。ポチタはデンジの心臓となり、復活したデンジはチェンソーの悪魔へと変身する力を手に入れ、ゾンビの集団を一掃する。撃退に成功したデンジであったが、現場に駆け付けた公安のデビルハンターであるマキマに導かれ、その身を公安によって管理されることになる。(wikiより)

著者である藤本タツキ先生は、"人間の狂気"を非常に繊細に描かれる方です。

主人公の少年は、悪魔に心臓を渡したことにより強大な力を得ますが、人の心を失っていることに気がつきます。
心を失った少年には、欲求のみが残りました。

この作品は、一見すると破天荒な少年の超人バトル漫画ですが、その背景には欲求のみで成長してしまう少年の悩みや葛藤が描かれています。

チェーンソー

そんな少年の成長を読み進めていると"心(感情)を無くして欲望のままに成長すると、こんなにもぶっ飛んだ狂人が生まれるのか!"という面白さもある反面、少年と自分に共通点を感じる場面が多々あります(男子ならね)。

最近は頻繁に悲惨な事件が多くて、その度に「狂人」の存在を考えさせられます。
狂人と我々は全く違う存在に思ってしまいがちですが、常に我々は狂気と隣り合わせで成長してきた部分を、この作品から知ることができます。

チェンソーの魔人となった少年は、果たして銃の魔人に勝てるのか?
少年漫画が好きなら、ぜひおすすめです。

amazon:『チェンソーマン』

●おすすめ漫画2...復讐に燃える男の物語 『ファイアパンチ』

ファイアパンチ

あらすじ:生まれながら奇跡を使える人間を祝福者と呼んだ。氷の魔女と呼ばれる祝福者によって世界は雪と飢餓と狂気に覆われた。凍えた民は炎を求めた。
少年・アグニと妹のルナは肉体の再生能力に優れた祝福者であり、アグニは自らの腕をルナに切り落とさせては、村の人々に食料として分け与えながら、二人で暮らしていた。そんなある日、ベヘムドルグ王国の兵士たちが村に押し入り、食料と燃料を強奪しようとする。兵士たちのリーダー格のドマは、貴重な若い労働力は集め、氷の魔女を倒すことを目的としており、老人ばかりの村の数少ない若者のアグニをベヘムドルグに誘う。しかし、村の家々から人肉を見つけると、兵の撤退を指示。ドマはアグニに自分が祝福者であり、人喰い村を無視出来ないと言い残し、村の全てを焼き尽くす。
村人の焼死体が転がる村でアグニは死ねずにいた。ドマによる焼け朽ちるまで消えない炎により、体の燃焼と再生が無限に繰り返されるアグニ。想像を絶する痛みに苦しむなか、再生を拒否することで死ぬことができることに気づく。死んで楽になることを望むが、焼けて苦しむ塵に近いルナに「生きて」と言われ、生にしがみつくことを決める。村とルナを奪ったドマへの憎しみを抱きつつ、焼かれる苦しみにもがき続け8年が経ち、再生能力の使い方を覚え、顔の炎の除去に成功し、ドマへの復讐の旅を始める。(wikiより)

同じく藤本タツキ先生の作品、『ファイアパンチ』。
焼け朽ちるまで消えない炎の痛みに苦しみながら、妹を殺した男に復讐を果たすために歩き続ける不死身の少年の物語。

この作品の主要な登場人物は、それぞれ暗い過去や、トラウマ、コンプレックスを抱えながら、常に自分の"生きる意味"を探しています。

こういった少年漫画は普通、「トラウマや障壁を乗り越えて強くなる!!」みたいなストーリーですが、ファイアパンチは「自分を愛するにはどうすればいいか?トラウマや障壁との共存の方法は?」という問い掛けを軸に物語は進行します。少し宗教観が見え隠れするわけです。

読んでいただければ分かりますが、ファイアパンチは物語というよりも、"現代版神話"のようなイメージです。(現代版というのは、登場人物の思考や価値観、喋り方は今風という意味)

"神話"なので、この作品の解釈は人それぞれで違ってくると思います。
でもってシリアスな世界観なのにギャグな会話が多いという、読者一人ひとりの価値観や連想によって受け取り方が変わってくる作風がファイアパンチの良さです。
ダークな世界観だけど、どこかコミカルな作品が好きな方にオススメです。

ファイアパンチ

また、チェンソーマンでは魔人同士のバトルシーンが多いのに対し、ファイアパンチでは会話のシーンが目立ちます。

僕には、ファイアパンチでは意図的にバトルシーンの描写を減らしているように感じました。
作品のテーマや世界観、藤本タツキ先生の画力を持ってすれば王道バトルマンガのような描写を増やすことができたはずです。
そのはずなのに、バトルシーンは頻繁に現れません。

これには様々な見解があると思いますが、僕にはそれぞれのキャラクターの人生観や感性が際立って魅せるための演出だと考えます。それとバトルシーンは現実離れしてしまうため、テーマに逸れてしまう描写は避けたかったんじゃないでしょうか。

でも、描きたくなってしまう欲とかあったと思います。それでも描かないっていうのは、こだわりを感じます。
誰にも予想できない展開を描き続ける藤本先生、大ファンです。

amazon:『ファイアパンチ』

●余談(映画の話)...ファイアパンチが語る、映画の素晴らしさ

ファイアパンチには、歴代漫画・アニメの登場人物の中でもTOP10に入る好きなキャラクターがいます。

トガタ4

トガタという男性です。彼も主人公の少年と同じく再生能力者で、何百年という時を生きてきました。
トガタの最大の敵は"退屈''です。退屈に耐えられず頭を爆弾で吹っ飛ばして自殺を図りますが、不死身なので死ねません。そんな彼を救ったのは「映画」でした。

何百年も生きて、やりたいこともやり尽くして、知らないこともない人間は、映画に取り憑かれるんです。"トイ・ストーリーが見れない人生なんてウンコだ..."なんて彼は言います。同感です、本当にいいキャラしてます。

よく漫画には著者の意見を反映したキャラクターが現れたりしますが、ファイアパンチではトガタなのではないでしょうか。卓越した価値観を持つ彼は、他の登場人物の誰よりも人間らしい心を持ちます。

トガタ3

映画が生きる糧である自分にとって、トガタの発言や価値観は刺さるものがありました。映画好きの人ならきっと共感できるキャラだと思います。

おすすめ漫画3...「お前は地の果てまでも追い詰めて殺す!!」 『波よ、聞いてくれ』

波よ1

あらすじ:2015年6月4日、札幌市のスープカレー屋「VOYAGER」で働く鼓田ミナレは、職場のラジオから自分の声が流れていることに気づく。その前日、ミナレは、偶然知り合った地元のラジオ局「MRS」のディレクター・麻藤兼嗣を相手に失恋について愚痴っていたが、その愚痴は麻藤によって密録されており、その音源がラジオで流されていたのだった。ミナレは放送を止めるためにMRSに乗り込み、麻藤と再会するが、逆に彼に言いくるめられ、ラジオでアドリブトークを披露することになる。その後、ミナレは、深夜帯に冠番組を与えられ、VOYAGERで働きつつラジオパーソナリティとしての活動を開始する。ミナレの番組『波よ聞いてくれ』は、麻藤の意向により「回ごとに企画を変える」という方針が採られており、ミナレも、自身の失恋から着想を得て制作された架空実況やオーディオドラマを放送したり、隣人を訪ねて収録を行ったり、構成作家の取材旅行に同行してレポートを録音したりと、パーソナリティとして番組作りに携わっていく。(wikiより)

少し系統を変えて、コメディー漫画のオススメを紹介します。
『無限の住人』を描かれた著者 沙村広明先生の新作『波よ、聞いてくれ』です。

失恋した主人公の女性が飲み屋でぼやいていたところ、その録音がラジオに流れているのに気がつき、彼女はラジオ局に乗り込みます。するとなぜかその場で喋らされることになり、それがきっかけでラジオパーソナリティとして働くことになる...というドタバタコメディー。

面白い放送を作るために奮闘する、ラジオ局の裏側がコミカルに描かれます。
僕はあまりラジオを多く聴く人間ではありませんが、「こんな世界があんのかよ...w」なんて夢見ながら読んでいます。本当に面白い作品です。

波よ2

また、この作品の魅力の1つとして"シーンの描写"が非常にドラマチックなところが挙げられます。

最近の漫画では、作者の画力により登場人物が同じ角度からしか顔が描かれていなかったり、"なぜこのシーンで顔がアップなのか..."という疑問を持つ描写があったり、つまりシーンの描写に対する「意味」が感じられない作品を見かけることがあります。
当たり前の話ですが、"そのシーンで伝えたいこと"や、"どういう風に見せたいのか"は、それに効果的な構図にすることで美しい演出になります。

『波よ、聞いてくれ』の著者の沙村広明先生は、同じ描写を繰り返し描かれません。
"このシーンで伝えたい内容はアレで、だからこういう構図で、この角度で描こう"という意志が全てのページで見られます。当たり前のようで、本当に難しいことだと思います。

波よ3

この作品の1つの楽しみ方として、あるページのシーンを見て、それを頭の中で3次元として想像した時に"自分だったらどの角度で描くか?"を考えてみてください。また同時に"どこに吹き出し(セリフ)を配置するか?"も考えましょう。
おそらく、その想像が原作を超えることはないと思います。

漫画を読んでいるはずなのに映像作品を見ているような感覚に陥るのが魅力です。ドラマが好きな方は必見ですよ。

amazon:『波よ、聞いてくれ』
(kindle版が今なんと0円!!読むしかねぇ!!)

●おすすめ漫画4...もしも日本に宇宙船が来訪したら? 『デッド・デッド・デーモンズ・デデデデ・デストラクション』

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あらすじ:3年前の8月31日、突如東京都に巨大な空飛ぶ円盤、通称“母艦”が襲来。そこから出撃した“侵略者”の攻撃によって多くの死者が出るが、アメリカ軍の攻撃によって母艦は渋谷区の上空で停止。母艦から出撃する侵略者の宇宙船も逐次迎撃された。上空には母艦が浮き、時折自衛隊と侵略者との戦闘が行われることが日常となった東京で、小山門出は中川凰蘭ら親友たちと共に青春を謳歌していた。人類が終了する日が間近に迫っているとは夢にも思わずに―(wikiより)

「東京の空に突如現れた宇宙船の下で織り成す、女子高生たちの青春群像劇」という、文の前半と後半の間で"何があった"とツッコミを入れたくなる物語の『デッド・デッド・デーモンズ・デデデデ・デストラクション』、通称「デデデデ」。

こちらの作品の魅力は色々ありまあすが、2つ紹介。
1つ目は画力です。著者の浅野いにお先生は過去作でも同様でしたが、背景の書き込みが半端じゃないです。大友克洋先生を彷彿とさせます。
(超個人的に、単純に"画力"という点で言えば今の漫画家界は浅尾いにお先生と村田雄介先生の2強だと思っています。異論は認めます!!)

よく舞台・演劇などで「God is in details(神は細部に宿る)」なんて言ったりしますが、それを感じさせてくれます。
背景や物体の描写が事細かに描かれていることで、何気ないシーンがそれ以上の意味を持ち、読者に色々な想像・連想を促します。

デデデ1

2つ目は世界観ですね。
"もし宇宙船が突然現れたら?"がコンセプトなわけですが、これが日本で起こるとどうなると思いますか?

著者である浅尾いにお先生の回答は「メディアによる情報統制がかかる」なのでしょう。
この作品では、少女たちの青春劇と並行して常にメディアの存在が描かれます。まるで日本政府が宇宙船を圧倒し、支配できているかのように報道しますが、その実態を民衆が知ることは一切ありません。
だからこそ宇宙船の下で、普通だったらありえないような青春群像劇が繰り広げられるのです。

メディアによって『平穏』の夢を見ている少女たちは、自分たちの『平和』が脅かされていることに気がつきません。
そんな少女たちの青春っぷりを見ていると読者でさえも、これがSF漫画であることを思わず忘れてしまいます。だけど、ふと見上げると頭上には宇宙船があるんです。
その不気味さが魅力であり、読んでみて実感していただきたいですね。

デデデ3

勘の鋭い方なら上の文章で気づくかもしれませんが、この作品のサブテーマとして今の日本への風刺があるように僕は感じました。

『突如襲来した得体の知れない宇宙船』は現状の日本の何に当たるのか?
『それ』は情報統制されて我々から遠い存在になりつつありますが、常に隣にある脅威です。お分かりですよね?
サスペンス系だとかに興味がある方にもぜひ読んでほしい作品です。

amazon:『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』

●余談(映画の話2)... 国による価値観の違いを映像作品から学ぶ 『第9地区』

「その作品」が生まれたことで、その後の作品に大きく影響を与えた映画は数多くあります。
僕はその1つが『第9地区』だと思っています。

第9地区

有名な映画なので細かいあらすじは省きますが、ざっくり言うと"突如アメリカの上空に宇宙船が襲来"というストーリーです。デデデデも少なからずこの作品の影響を受けていると考えます。
大筋のストーリーもすごく面白いのですが、第9地区ではアメリカのエイリアンへの対処が描かれており、それがミソなんですね。

一旦話が逸れます。『アトラクション -制圧-』という映画をご存知でしょうか?

アトラクション

ざっくりとしたあらすじを言うと"突如ロシアの上空に宇宙船が襲来"です。
はい、つまり「ロシア版:第9地区」です。それもそのはず、製作会社&クリエイターが同じなので。
ただ、設定が同じそれぞれの作品でも決定的に違うことが1つあります。
エイリアンに対するコンタクトの手段です。

『第9地区』では、無抵抗なエイリアンを制圧して植民地化します。
『アトラクション -制圧-』では、とりあえずミサイルをブッ放してから相手の出方を見ます。
『デデデデ』では、何よりまず情報統制をかけて事実を国民から守ります(国民を守るのではありません)。

というように、同じ設定・世界観でも、国柄の違いでエイリアンに対する対処が変わります。エイリアンとは言葉の通り、外国人とも捉えられますね。
映画や漫画からは、時折そういった"価値観の違い"を発見することができます。本当に面白いです。

おすすめ漫画5...ここは天国か、地獄か  『天国大魔境』

天国

あらすじ:外界から隔絶された施設で暮らすトキオは抜き打ちテストの問題に「外の外に行きたいですか」という文言が一瞬、浮き上がるのを見つける。同じ施設に住むミミヒメは動揺するトキオに「外からふたりの人間が自分を助けに来てくれる。そのうちの1人はトキオと同じ顔をしている」という予言をおこなう。一方、動揺するトキオに声をかけた園長は「外の世界は地獄だ」と言う。外の世界では、未曾有の大災害から15年が経ち、現代文明は完全に破壊され、生き残った人々はまだ使える施設を利用しながら細々と生活していた。そんな荒廃した日本をトキオとそっくりの顔をしたマルという少年がキルコという少女と旅をしていた。マルはミクラという女性から、「天国で同じ顔をした人間を探し、薬を打て」と命じられていた。そして、キルコはミクラからマルを天国まで連れていくよう依頼されていたのだ。天国という言葉を頼りに2人は、トマト天国の異名を持つ草壁農場にたどり着く。そこにマルと同じ顔をした人間はいなかった。だが、草壁農場に置かれた段ボール箱にミクラの形見の銃にある文様と同じものを見つけた2人は草壁農場と交易する東京に戻って、マルの出自を探ることにする。(wikiより)

最後にオススメしたい作品が石黒正数先生の『天国大魔境』です。
この作品は、「このマンガがすごい!2019 男編」にて第1位を獲得しました。(のにもかかわらず、僕の周りでは知っている人を一切見かけないという悲しさ...)

もし僕が上記で紹介した作品にランキングをつけるとしたら、圧倒的に1位だと思います。
1巻を読んだ時は、本当に久しぶりにどデカイ衝撃を感じました。
というのも、この作品では様々なSF漫画の要素を感じることができるからです。『AKIRA』を読んでいるようでもあり、『寄生獣』を見ているかのようでもあるんです。

天国2

最初にちょっと話しましたが、ストーリーは僕が大好きな「常にゴール(テーマの答え)は隣にあるのに、色々な要因によりそれに気づかない」系です。(というか、本来のSFとはそういうものだと思います)
また、主人公の名前は「トキオ(TOKIO)」なんです。いろいろ考えさせられますね...今後の展開に期待しています。

僕からこの作品についての魅力を云々言うよりも、実際に買って読んでいただきたいので、これ以上はここで述べません。
もしあなたが『AKIRA』や『寄生獣』が好きな世代の方なら読まなきゃ損だと思います。
21世紀を代表するSF漫画間違いなしです。

amazon:『天国大魔境』

●まとめ

紹介した漫画をまとめると
『チェンソーマン』- 少年漫画好きな方にオススメ!
『ファイアパンチ』- ダークな世界観が好きな方にオススメ!
『波よ、聞いてくれ』- ドラマが好きな方にオススメ!
『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』- サスペンス系が好きな方にオススメ!
『天国大魔境』- SF漫画が好きな方にオススメ!
って感じです。

振り返ると、ほとんどがSF系という...やはり僕はぶっ飛んだ非現実の作品が好きなんだなぁと改めて実感しました。
"~にオススメ!"という書き方をしましたが、そうでない人にも読んでいただきたい作品ばかりです。

個人的にはそれぞれの作品の魅力をコンパクトにまとめたつもりですが、余談なんか書いたせいで無駄に長くなってしまいました。
もちろん僕が書き切れなかった魅力の方が圧倒的に多いので、是非ご自身で読んで確認していただきたく思います。

ここまでクソ長い文章を読んでいただいた方も、そうでない方も、見ていただきありがとうございました。
漫画を購入する際の参考になれば幸いです。

●余談(ぼやき):"子供心"を忘れた子供たち

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子供心を失うとは恐ろしいことです。

この文章を書いている現在、僕は22歳です。
趣味は映画、漫画、ゲーム、などなど。新しいものから古いものまで、映像エンタメに囲まれて育ちました。
そのおかげか、同年代の人たちと比べると、ビジュアルから物事の意図や本質を読み解く能力は高いと思います。

というか、今の若い世代は「見て理解する」ことは得意でも、「見て連想する」ということの水準は非常に低いです。
今の世の中、調べたいことはすぐにググればなんとなく分かるし、生きることに必要な情報の取得において困ることはありません。それが災いしてか、映像に関しても、文書の情報に関しても、情報に対する『なぜ?』を持たない若者が多く見られます。

そういった無関心は、具体的に言うと好奇心から来るものだと考えています。何かを見た・聞いた時に
「あれに似てる!」→「どうして似てるんだろう!?」
という好奇心は、常に連想力の源です。

そして好奇心は子供心が生み出します。子供心は「童心」とも言い換えられるでしょう。
子供心を忘れた子供は、上手な連想ができません。

連想力に欠けると、映像作品を見た時に
「aはbを表現している」→「このシーンで言いたいことはc?」
といった、作者の意図を汲み取る能力に劣ります。メッセージ性の強い作品を観たとしても、それを感じ取ることが出来ないということです。

アキラ

今の世の中は、素晴らしい映画や漫画などのビジュアル作品に溢れているものの、それを"素晴らしい"と知覚できるようになるための成長は難しい環境です。
その結果、そんな視聴者・読者に合わせた連想力を必要としない、あるいは制作側が連想を肩代わりするような"ボーっと見るてだけで面白い作品"が増えてしまいました。(日本で最近ヒットした映画を遡って頂ければわかります)
情報化社会は人々の生活を豊かにしてきましたが、同時に物事に対する探究心を乏しく変えてしまったんだと思います。

漫画にせよ映画にせよ、その作品に関する理解や解釈、作者に対する尊敬が浅い視聴者・読者が多い現状は、僕にとって悲しいことです。
エンターテイメントというのは、"表現者がどう描くか?"ということ以上に"聴衆がどう受け取るか?"が肝だと思っています。まぁ、理想論ですけどね。

作品についてどう思うかはその人の自由です。
ですが、全く同じ価値観や連想力を持った人などこの世に2人といないのに、SNSやamazonのレビュー欄に酷評を付けて自論を展開して共感を煽る行為ほど、アホな行為はありません。

まぁつまり、2020年に生きるエンタメ視聴者・読者に向けて僕が何を言いたいのかというと
"テメェのちっぽけな脳味噌でレビューに星1とかつけてんじゃねえ!!ビジネスの邪魔すんな!!"
ってことです。

子供な人間がアホな行いをするのではありません。
子供心を忘れた大人がいるだけです。

このnoteは、そんな「子供心」を忘れずに、作者への尊敬と作品への探究心を持った方に読んでいただけるといいなぁと思って書きました。
あなたにも是非、そうであって欲しいです。

-2020.01.06 Hibiki Maho