正反対だからこそ好相性なんです。-冬にリネンを着るにはどうしたらよいか、ということを考えに考えて作ったロンT- その4.ウール素材編
新商品「HOFI-016 リネンウールモンスターオンス 長袖Tシャツ」についてしつこいほど説明するシリーズ、4回目はウールについて書きたいと思います。
ほぼ毎回書いてますが、この記事は表がリネンで裏がウールになってます。
コーディネイトとしては冬にリネンを楽しんでもらいたいけれど、やっぱり寒いからウールが着たい。
この両方を叶えるためにこの組み合わせでプレーティング編みにしています。
この写真でいうとグリーンの部分がリネンでチャコールグレーの部分がウールになります。
ウールのインナーTを着てリネンの長袖Tシャツを着るというのが1枚にまとまっているので、重ね着してもゴワつかないしスタイリングも綺麗にまとまります。
ということで今回はその内側に使われているウールについて。
前回書いたとおり、当社のリネンは水洗いしても型崩れしないように「ゼロトルク®撚糸」の技術で作られています。
せっかく洗えるリネンを使うのだからウールも洗えないと意味がないので、このウールには防縮加工が施されています。
ウールの防縮方法にも色々と種類がありまして、このウールには酵素を使った加工がされています。
防縮加工とは何ぞや?という方のために簡単にご説明いたします。
ウールのニットが洗濯で縮むのは、羊毛が水を含むと表面にあるスケールとよばれるウロコのようなものが開き、そのウロコ同士が引っかかって絡まってしまうことが原因です。
ちょっと分かりにくいと思うので、ニッセンケンさんのサイトを引用しておきますね。
縮みの原因となるこのスケールを塩素などの薬品を使用して除去したりちょっとだけ溶かしたりするのが従来の防縮加工です。
しかしスケールを除去してしまうと縮みにくくなる反面、撥水性能やふくらみが失われてしまいます。
繊維にふくらみがあると糸に空気の層が出来やすく保温効果が高まるので、防縮加工によってウールニットの温かさが損なわれるのはもったいない気がします。
当社で今回使用しているウールは塩素を使わず酵素でスケールを改質した上でさらにシルクプロテインを結合させているので、ウール本来のふくらみを保ちながら肌にチクチクせずしかも洗濯しても縮まないという優れた性能を持っているのです。
簡単に言えば、洗えてふっくらしていてチクチクしないウールなのです。
表側のリネン同様に洗える仕上げになっているのでこのロンTはガンガン洗えます。
冬場セーター代わりに着るのであれば実際はそれほど頻繁に洗わないかもですが、秋の立ち上がり時期に1枚着として着ると考えると、この「洗える」という要素はかなり大事なんじゃないかと思っています。
このウールについてはお手入れのしやすさだけじゃなく風合いのよさも自信があります。
今回使用している原料はオーストラリア産のメリノウールの18.5マイクロンです。
「18.5マイクロンです」と言われてもイメージしにくいかと思いますが、一般的にエクストラファインメリノと呼ばれているウールが19.5マイクロンなので、それよりもさらに1マイクロン細いです。
だから何なんだ?といわれてしまうとそれまでです。笑
実のところ私自身もウールのマイクロンが19だろうが18だろうがそんなことはどうでもいいことだと思っております。
ともかくなかなか上質な原料を使用しているので肌触りが柔らかくて弾力もあるウールだと思っていただければ十分です。
防縮加工を施す際にシルクプロテインを結合しているというのもありますが、それがなくてもこのマイクロンのウールは全然チクチクしません。
ということで、
今回使用しているウールの特徴をまとめるとこんな感じです。
酵素防縮加工を施しているのでご家庭でお洗濯できます
繊維の細い柔らかなウール原料を使用しているのでチクチクしません
ふくらみがあって保温性の高いウールです
リネン同様かなり質の高い原料を使ってお手入れしやすいように加工をしてあるので「上質を気軽に着る」ことが出来るようになっているのです。
ということで今回はウール原料について書きました。
次回はデザイン編です。