良い長袖Tシャツが出来ましたよ!-冬にリネンを着るにはどうしたらよいか、ということを考えに考えて作ったロンT-その1.コンセプト編
今年の春先にブログをwordpressに移行したので、しばらくはそちらのコンテンツを充実させるためにNOTEの方を長らくサボっておりました。
しかし、商品についてマニアックな内容を書くならこっちと決めているので、先日発売しました新商品「HOFI-016 リネンウールモンスターオンス 長袖Tシャツ」について久しぶりにがっつり書きます。
最初に商品名について。
「リネンウール」というのは文字通り、リネンとウールが使われているという意味で、「長袖Tシャツ」もそのままの意味です。
その間の言葉「モンスターオンス」とは何ぞや?といいますと、これは東大阪繊維研究所が取得している登録商標で、自社の定義として「生地の重さが12オンス以上を超える極厚のTシャツ及び生地」のカテゴリーになります。
なので「モンスターオンス®」と表記することもありますが、商品名のときは見た目のバランスを考えて®をはずしてます。
名前にモンスターオンスと冠しているのでこのTシャツはかなり分厚いです。
なぜそんなに分厚く作ったのかというと、セーターの代わりになるロンTを作りたかったからです。
今年はちょっと早めに寒くなりましたが、去年までの数年間は11月後半でも気温20度を超えていました。
そんな気候に適したロンTとはどんなものか?と考えたとき、ふと「リネンが活躍するんじゃないか?」というアイデアが浮かびました。
朝晩少し寒くて日中暖かい気候のときには1枚着で、そこから少し寒くなってきたら大きめサイズをシャツの上から着て、ジャストサイズならジャケットのインナーでと想定すると、厚手のウールセーターやスウェットなどより中厚手で暖かく着られるカットソーが重宝するのでは?と思いました。
なおかつ、あくまでTシャツなのでガンガン洗濯できた方が良いし、ジャケットやダウン、革ジャンなどのインナーで着るとしたら汗で蒸れないようにしたい。
それらの要素をまとめるとこんな感じです。
温かく着られる
セーター代わりにシャツの上から着る
ジャケットやダウンのインナーとして着る
洗える
蒸れにくい
上3項目だけなら薄手のウールニットでもOKですが、下の2項目についてはウールが苦手とする分野です。
そこで縮みが起きにくくご家庭で洗濯できる当社のリネンが大活躍するわけです。
ウール=温かい、けどお手入れが面倒。
リネン=寒い、けど蒸れにくく伸び縮みしにくい。
ならばその2素材の長所を組み合わせて、
リネンウール=温かくて蒸れにくくてお手入れ簡単
というものを作ろう!ということですね。
一般的にリネンのニットは斜行するという問題があります。
斜行というのは水洗いした後などにニットが歪む現象なんですが、細かい説明はここでは省きます。
詳しくは私のブログの以下の記事をご参照ください。
ニット製品の斜行を止めるということは、糸の撚りバランスを合わせるということです。
斜行を止める具体的な方法について。撚糸回数計算についての略式モデル。
この斜行というテーマについて私たちは21年に渡り取んできました。
その結果確立した「ゼロトルク®撚糸」という技術があり、水洗い後に起きる製品のゆがみを抑制することが出来ます。
なのでうちのリネンはガンガン洗えます。
そしてリネン素材にはポリエステルなどの合繊素材を含めて圧倒的に抜きん出た吸水速乾性があって、リネンの衣料品はとにかく蒸れにくくてサラサラです。
元々ドライな風合いでさらさらしている上に水分を飛ばすので、本当にサラサラです。
しかもリネンという素材には伸縮性がない。言い換えると縮みが起きにくい。
これらリネンの特性を生かしつつウールの保温力も活用できる中厚手のロンTがあればめっちゃ便利なんじゃないか?と思い立って今回の商品を作り始めました。
実際作り始めてみるとこれがなかなか簡単ではない。
性格の違う2つの素材をそれぞれ生かす生地を作らなければいけない。
さてどうしたものか、という話を次回以降にしていきたいと思います。
ということで、おそらくしばらく続くであろうHOFI-016をひたすら解説するシリーズのその1は、秋冬のロンTにリネンを使おうと思った理由を書いてみました。
その2に続きます。
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