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TALK4<食べ物の美味しさを例える際の注意>
シチリアのブロンテというところで採れたピスタチオをもらった。
これがうまいのうまくないのって(うまいんです)、大袈裟ではなく今までのピスタチオ観を完全に覆されてしまったのです!
もともとピスタチオってそんなに好きじゃなかったんですよね。
というか、それ以前にあれを食べる意味自体がよく分からなかった。
なんかセコセコと殻を割って、中にあるこれといった特徴のない乾いたタネをポリポリと食べて、なにが楽しいんだろう?と。
イメージ的にあれって、わりと最近(と言ってももう20年前くらいですが)になって日本に登場したじゃないですか。
それまでお酒のつまみのナッツといえばピーナッツかアーモンドかカシューナッツあたりを食べてたでしょ、日本のおじさま方って。
それ自体、いつ始まった習慣なのか分からないですけどね、確実に今ほどおつまみの種類が充実してなかったですからね。
バーなんかでも、ナッツとチーズと柿の種くらいあれば、それ以上贅沢言ってなかったですよね、戦後日本のおじさんって(たぶん)。
それがバブルの頃あたりですかね、それまでのナッツ&チーズに変わって、なんかピスタチオが出回り始めてきて。
ビリヤード台なんかがあるお洒落なバーで、ピスタチオをつまみながらカクテル飲むみたいな。
そんなトレンディな時代がやってきた。
あの時代、確実にピスタチオ至上主義みたいのありましたからね。
俺が食べてんのピーナッツじゃないよ、ピスタチオだよ!
みたいな、謎のナッツ間格差問題。
それまでのナッツに比べ、なんか洗練されたルックスと、自分で割らないといけないというところの玄人感でしょうね。
ピーナッツでは女を口説けないけど、ピスタチオだったら口説けるみたいな、なんとなくありましたよね、そういう時代。
でも、実際は大して美味しいもんでもないでしょ?
あれって、まんまとお店に踊らされてただけだと思うんですよ。
お店的に、出す手間はどのナッツも一緒ですからね、結局は袋から皿に盛ればいいだけでしょ。
でもそれがピスタチオだと、ちょっといい感じがする。
よし!これをお洒落ってことにしちゃえば、手間もかからずトレンディな客も喜ぶだろう、とね。
ほんと、当時ウハウハやってた皆さん(この読者にはそういないと思うけど)、恥ずかしいと思った方がいいですよ。
ピスタチオなんかでいい気になってたって(そこまでピスタチオだけでいい気になってなかったかもしれませんが・・・)。
そんなわけで、僕はあまりピスタチオに良い印象がなかったので、延々とピスタチオの悪口みたいに書いてしまいましたが、ここからは変わります。
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