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僕が学生団体の代表でやっていたこと-後述:起業してからできなくなっていたこと
これは、アーカイブした記事の一部です。
私が学生団体の代表をやっていたときのこと。
今振り返ってみれば、結構的を得た取り組みをしていたし、
これは、今の自分に届けたいメッセージかもしれません。
2021年の9月から2022年の9月まで、
Business Contest KINGという日本で最大級のビジネスプランコンテスト
を運営する組織で代表を務めていました。
私は、自分にこの組織を残してくれた先代に感謝しきれぬ想いと、大きなリスペクトを持っています。
しかし、この組織には、アクティブ率に課題がありました。
数代にわたって、、活動開始一年後には、メンバーのアクティブ率が50%を割り、コンテスト運営に支障をきたしていました。
それよりも、大きな問題は、
「KINGに入会した学生の体験を最大化できていない」ことにありました。
これは、金銭的リターンを提供することができない組織のトップとしては、なんとかしてでも改善したいと思うものでした。
KINGから非アクティブになった学生の声としては、
組織に自分が身を置く価値が見出せない。
どうせ同じことをするなら、有給インターンに行ったほうが良い。
といったものがありました。
KINGには、様々な学生がいます。
入会当初は、実績もなく、スキルも高くはないメンバーが大半です。
しかし、そうしたメンバーも1年半の活動期間を経て、各人で自分の特性を見つけ、引退後に次のステップで活躍し、ゆくゆくは社会に影響を与える人が数多くいます。
組織に身を置く価値がわからない。
こうした理由で、組織から身をひいては、ゆくゆく幅をきかせて躍動するメンバーとの刺激の与え合いもなくなり、シナジーが生まれてしまいます。
これは、リーダーとしてのエゴです。
誰に命令されたわけでもありません。
誰に期待されたわけでもありません。
しかし、KINGで代表務める上では、メンバーにこうした気持ちになって欲しくはありませんでした。
ゆえに私が立てた目標は、
”構成員が価値を感じ続けられる組織づくり”
そして、そのKPIとして、”活動開始一年後のアクティブ率=90.0%"と設定しました。ここでいうアクティブ率とは、最低限定例のMTGには出席する、というものです。
具体的な施策の方向性としては、次の3つがありました。
KINGという組織の価値の共通認識化(インブランディング)- インターンとの徹底的な差別化を意識して-
自己肯定感を高める施策-3ヶ月に一度-
”モリヤマホダカ”が彼らのインセンティブになるように。
KINGという組織の価値の共通認識化
これについては、昨年のnoteに書いているので見てもらえればと思います。
簡単に言えば、「KINGといえば〇〇」に当てはまる3つのキーワードをワークショップを通じ、共通認識化し、
それ以降組織の行動基準として設けたということです。
これによって、KINGに所属する意味を言語化することができ、
また、外部向けのブランディングとしても軸を持たせることができました。
自己肯定感を高める施策
これは、最もシンプルなものでしょう。
今までの自分の経験も含めて、3ヶ月もあれば、
人のモチベーションは下がってしまうと思っていました。
それゆえに、3ヶ月に一度組織に所属することによる自己肯定感を高める施策を打ちました。
その施策の方向性としては2つのパターンがあります。
組織エンゲージメントは、2要因により語ることができると私は考えています。
それはWho(誰と)とWhat(何を)です。
つまり、誰と活動するか・何をするかの2要因が主に組織エンゲージメントに影響していると考えました。
ゆえに、自己肯定感を高める施策にも2パターンあり、
一つはWhoに対するもので、例えば、一定期間施設を貸し切り、いつでもその施設に帰ってきていい、というものでコミュニケーションを生んだり、積極的にメンバー間での旅行や食事を促進しました。
Whatに対しても、他の団体や組織では普通では開催できないような場所でコンテストを行なったり、自分自身でプロジェクトを立ち上げて、実行までできる環境を整備することを意識しました。
”モリヤマホダカ”が彼らのインセンティブになるように
要するに、”森山が代表であるから自分はこの組織に価値を感じる”と
思ってもらえる行動を心がけたということです。
ここが、Why? Moriyamaの答えにも大きな影響を及ぼしています。
そのために、まず前提となる”信頼形成”には十分に注意を払いました。
誰よりもSlackの返信が早い
誰よりもSlackがオンラインになっている
誰よりもスタンプを返してくれる
一つ一つ抜け目なく、フィードバックする
こうしたものはその一例に過ぎませんが、
信頼を落とす行為には敏感でいました。
そして、自分の持っているすべての思考と時間を彼らのために使いました。
私が考えていること、思っていること、感じていること。
そうしたことを隠すことなく、すべて語りかけ、
また、彼らの話に耳を傾けることに時間を使いました。
この間には、KING以外のすべての活動をストップしました。
すると、今までにはあまりなかったことが起こりました。
私と、食事なりコミュニケーションをとったのちに、
LINEやDMで長文で感想なり宣言なりを送ってもらえることが増えました。
もちろん、最初に生まれる感情としては、”嬉しい”というものです。
しかし同時に、
”自分自身が彼らと話すことは、彼らのためになるのかもしれない。
だったらもっと彼らのために行動を取りたい。”
という思いが強くなりました。
少しでも、彼らが前向きになれるのなら。
”モリヤマホダカ”はそんな彼らの原動力でありたい。
その思いで1年間向き合ってきました。
確かに、どれだけ自分がリソースを割いても、それを当たり前だと思い、
特段感謝をしない(伝えない)者もいます。
ただそれでも、彼らのためになっているのならと、少し寂しさもあり、それに悩む時期もありましたが、尽力しました。
この思いが、最後に述べる私のマインドセットに大きな影響を及ぼします。
そんなこんなで、1年間の代表を終えました。
実際に結果はどうであったかというと、
アクティブ率を前年より50.2%増加させた90.9%を達成しました。
もちろん定量的な目標数値の達成だけが、すべてではありません。
しかし、
”それは僕のリーダー論には合わない”という批判もあるかもしれませんが
森山穂貴の思う”学生団体のリーダー”としての職務は終えることができたのではないかと思います。
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