コタツのようなオツキアイ
寒いときほどその暖かさを感じる。
半分はこたつの中、もう半分は机の上。
寒くなると全身をコタツに入れて幸せを感じる。
でも全身をコタツに入れると何もできなくなる。
それでもいいかと眠りにつく。
のぼせて起きる。
「アツい」
すかさず電気を切る。
一度外に出る。
やっぱり寒くてコタツに戻る。
だけど少し冷めている。
電気を付け直す。
だんだん暖かさを取り戻す。
電気を強にするのは注意が必要だ。電気代がかかるし、あとは火傷するかもだし、つけっぱなしにしていたら火事になるかもしれない。気をつけよう。
季節が巡って外が暖かくなって、
コタツは使わなくなっていく。
だんだん部屋を占領する邪魔な存在になる。
片付けるには少し面倒でひとまずそのままにしておく。
だけどやっぱり邪魔で片付ける。
収納する場所もなくなってきたので手放すことにする。
季節が巡って外が寒くなって、
暖かさを欲するようになる。
コタツは恋しいけどあのコタツではないものを探す。
ストーブを買ったり、電気カーペットを買ったり、オイルヒーターを買ったり色々試した。最終的に暖房も冷房も、高機能なエアコンに落ち着いた。少し高いし設置が面倒だけど、邪魔にもならないし、温度調整も簡単で除湿や除菌もいろいろできる。快適だ。
だけどやっぱり寒い時、
あのコタツの暖かさと心地よさを思い出しては恋しくなる。
もしも部屋が広ければ、
もしも外がずっと寒ければ、
コタツとうまくやれたのかもしれない。