子どもの頃の傷に向き合う ①
私には2人の小学生の子どもがいる。
現在1年生と4年生だ。
小学生ともなると大なり小なり、子どもとの接し方で悩むことが出てくる。私の子どもの時はどうだったかな・・・と考える時間が増えたのだが、それが、今、辛くて仕方がないのだ。
書く事で昔の自分を楽にしてあげられないだろうか・・・と思ったので唐突なのだけど書く。楽になるかは分からないけども。
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近所に同い年のN子という女の子がいた。
その子は生まれつきの身体的な障害があり半身が動かなかった。
発作も時々起こし倒れることもあった。
母は
「N子ちゃんは、体に不自由があるから困ってたら助けてあげてね。優しくしてあげてね」
と言っていた。
一緒に登下校するようになった。
最初はなんてことない普通の友達だったと思う。
N子は体に不自由があるとは言っても、私よりも体が大きかったし、口が達者で気が強かった。対して私は、自己主張がうまく出来ない目立たない子どもだった。
だんだん、N子から子分のような扱いをされるようになっていった。
私は体が不自由なんだから、と、行き帰りN子のランドセルを持たせられはじめた。なんだかんだと命令されるようになった。
他の友達も巻き込むようになり、いじめとなっていった。
少しずつエスカレートしていった。
三年生くらいのころに心底辛く嫌な記憶がある。お菓子の万引きをさせられたことだ。少し離れたところにN子ともう一人友達がいて監視していた。私は嫌だったけど、逃げる強さがなかった。二人は笑いながら様子をうかがっていた。
明らかに挙動不審だった私は、お菓子を持って外に出たところでお店の人に止められた。二人はもちろん逃げてしまった。店の人には凄く怒られたけれど、泣きながらほっとしていた。後で親とも一緒に謝りに行った。
親は、それまで友達とは仲良くやっているんだと思っていたと思う。
私は親に相談しようと思ったことなんてなかった。
「体が不自由なんだから、優しくしてあげてね」という言葉の呪いにかかっていたんじゃないかと、かすかに思う。
万引きの件は、「N子に盗ってきてと言われた」とようやく言ったものの、母は対応に困っていたと思う。実際に盗ったのは私だからだ。本当に?とか、言われたから盗るなんて、まさかN子が、と色々困惑しただろう。
親同士で何か話合いがあったのかもしれないが分からない。なぜなら私自身は特に救われた覚えがない。なあなあで終わったんだろうな と子ども心に思っていた。