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私がやりたい動物看護
緊急病院での仕事にバーンアウトし休んでいた間、私は動物看護師としてのキャリアに対する固定観念から解放されることができました。
これまでは、動物看護師の資格を取ったら、自然と周囲の看護師と同じキャリアを目指すものだと思い込んでいました。高い技能と知識が求められ、給与か良い、手術や麻酔に関わる責任重大なポジションです。
しかし、自分が本当にすきな関わり方を考えたとき、私は動物が喜ぶ姿を見るとき、そして毛並みや体に触れるときにワクワクするのだと気づきました。麻酔で眠っている動物と接することは、私の求めるものとは少しズレていたのです。ましてや緊急医療など、常に緊張感やストレスと隣り合わせな任務はもっとズレていたのです。
この気づきを得てから、私は漠然とマッサージやリハビリといったフィジカルセラピー(理学療法)に興味を持つようになりました。意識のある動物に触れ、気持ちよさや心地よさを提供し、長期的な関わりの中で回復していく姿を見届ける。そして、最終的には飼い主にケアをバトンタッチし、動物と飼い主の関係性にもほんの少し関わる——そんな仕事がしたいと思うようになったのです。
しかし、調べてみると、獣医の監督なしでは医療行為とみなされるため自由に施術できないことや、そもそもこの分野を扱う病院が少ないことが分かりました。どうしたら実現できるのかと考えているうちに、いつしかその夢はぼんやりと遠のいていきました。
そんな中、新しい職場で、患者に自ら直接レーザーセラピーを施すスーザンという動物看護師と出会いました。彼女は有資格者で、緊急病院勤務の経験を持っています。通常、私たちのような経歴を持つ看護師は手術、麻酔、専門内科などの分野に進むことが多いのですが、彼女のような選択をする人は稀です。この偶然の出会いは、まさに引き寄せのように感じました。
彼女は私より10歳ほど年上で、動物看護師として数十年の経験を持つ大ベテランですが、驚くほどエゴがない、気さくで話しやすい人です。初心者である私の前でも、自分が何かを忘れたり失敗したりしたときは、そのまま表現し、飾らない態度を見せてくれます。これからどんな関係を築いていくかは分かりませんが、好きな分野を極めながら自然体で仕事を続ける彼女の姿は、私にとって大きな励みとなりました。
緊急病院で出会った、周囲のモチベーションを高めながら自らも果敢にスキルの向上に挑む、エネルギッシュでパワフルな看護師たちとはまったく異なるタイプです。かつての私は、後者のような、まるでNetflixシリーズの主役になれるようなキャラクターを目指していたのかもしれません。
スーザンは、マッサージは行わず、エクササイズとレーザーセラピーだけを担当するようです。彼女自身、「マッサージを看護師に任せる獣医には出会えなかった」と話していました。しかし、この病院では彼女が特定の施術を担当するという前例があるため、もしかしたら私がマッサージの道を切り開くことができるかもしれません。
今後も試行錯誤を重ねながら、自分の可能性を模索していきたいと思います。