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ペッパーの言い分:ごはんは交互でお願いします

うちには、ペッパーという黒猫がいる。
ペッパーは、普段はほとんどお気に入りのキャットタワーから動かない。1人でいるのが好きだし、男猫とはすれ違うだけでシャーシャー言う。めちゃくちゃカワイイ目をしているのに、気難しい。

そんな彼女が唯一、活発になるのは食事の時間だ。とてもグルメで、一日4回、ウェットとドライフードを交互に食べるのが好きだ。ウェットフードはアイスパック付きの自動給餌器で朝晩にセットするから、私も手間が減って楽だし、ペッパーも満足している。

だけど冬になると、暖房のせいで室内が夏より暖かくなる。ウェットフードが傷まないか心配になってしまった。(去年は心配しなかったのに、笑)
そこで、11amのドライフードと5pmのウェットフードを入れ替えてみた。ウェットとドライを交互に食べられる贅沢を、ひとまず取り上げてみたのだ。

そしたらペッパーは、7pmのドライフードを少し残した。そして、食べ残したごはんの横にちょこんと座り込み、まっすぐ目を見つめてくる。
「ドライとウェットは、交互に食べるものだよ」と、言いたげな顔で。

ペッパーのわがままが出た!と思いながら、そのことを旦那に伝えた。
「あの食いしん坊のペッパーが、ドライフード残したんだよ!」と。

彼は私の3倍くらい猫に甘い上に心配性だ。ふだんの彼なら、「えっ、もっと食べさせないと!」とか「体調が悪いのかな…?」とか、すぐにオロオロする。

私自身も「あのペッパーが食べ残すなんて…元に戻した方がいいかな?」とチラッと考えた。

だけど、今回彼はあっさりこう言ったのだ。
「いいじゃん、これで少しは痩せるよ。」

誰だろう、この人?と思った。
おかげで私は「まあ、いっか(必死に訴えたペッパーには申し訳ないけれど)」と思えたし、ウェットフードが傷む心配も減った。

実は、ペッパー以外にも、うちには5匹の動物たちがいる。
私自身、もともとは心配性で、家事もきっちりルールを決めてガチガチにやるタイプだった。でも、いつでも自然体の動物たちを見ていると、「完璧であること意外に、幸せになる方法はたくさんある」と思うようになった。

鼻歌を歌いながら家事をしたり、突然踊り出したり、テキトーな料理を作ったり。そんな私の姿を見て、いつの間にか旦那も、ゆるい方へと変わっていたのだ。

きっと、動物6匹が総出で、私たちを少しずつ「ゆるめて」くれているのだろう。
真面目で心配性なカップルを、ふわっと軽く、柔軟にしてくれる彼らに、今日も感謝している。

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