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KLING vs Hailuo 動画生成AIを比較してわかる“本当の実力”
近年、AIが作り出す動画のクオリティがどんどん上がっていて、「え、これホントにAIだけでやってるの!?」と驚くシーンが増えてきました。
静止画だけじゃ物足りないという方や、SNSを賑わせるショート動画を個人でもサクッと作りたいという方も多いですよね。
そんななか、注目されているのが中華系のKLINGとHailuoという2つの動画生成AIサービスです。
この2大AI動画生成ツールを比較しながら、それぞれの特徴や強み、使い方の違いなどを掘り下げていきます。
私自身もいろいろ触ってみて、「これはすごいかも」「ここはちょっとイマイチかも」と感じた点をお伝えします。
はたしてどちらが自分に合っているかの参考にしてみてください!
KLINGとHailuoとは?それぞれの特徴をざっくり紹介
まずは、両サービスの概要からざっくり整理してみましょう。
KLINGとは?
中国発の動画生成AIサービス
1080p高解像度の動画生成が可能
物理シミュレーションが強く、流体や布の動きをリアルに再現できる
3Dフェイス/ボディ再構築が得意で、全身写真から自然なモーションを生成できる
長尺動画の生成にも対応し、最大3分間の動画を作れる
「Soraに匹敵する高品質」という専門家の評価や、バージョン1.6で性能が195%向上したといった話題もあり、いま勢いに乗っているAIと言えるでしょう。
無料版でもそこそこ試せるのですが、クレジット制限があったり、ハイクオリティモードがまだ実装されていなかったりと制約が少しだけあります。
Hailuoとは?
同じく中国発の動画生成AIサービス
1回の生成で6秒程度の短尺動画を作成可能
高速処理が特徴で、平均5分ほどで動画生成が完了
多様なスタイルに対応していて、アニメ風からリアルな映像まで幅広く作れる
SNS向けの短尺動画に適している
日本語プロンプトの対応度が高いという評価もあり、BERTスコアも0.87と高水準
こちらは最長で6秒という尺の短さがネックではあるものの、その分気軽にサクサク作れるのが強み。
コストパフォーマンスもよく、1ドルあたり4.2クリップという安さが売りです。
しかも無料プランでも1日3本まで生成可能とお試ししやすいのが魅力です。
生成品質の違いを徹底比較
AI動画生成を語るうえで最重要ともいえるのが「生成品質」ですよね。
同じ“AIで作った動画”といっても、フレームの精度や動きの滑らかさが全然違うケースはよくあります。
というわけで、KLINGとHailuoの品質面をもう少し深堀りしてみます。
KLINGの高い解像度と物理シミュレーション
KLINGは1080pの高解像度で動画を生成できるうえに、物理シミュレーションに強いことで知られています。
たとえば髪の毛が風になびく表現や、布がひらひら揺れる動きなど、なかなか普通のAIじゃ難しいようなディテールも割と自然に再現できるという評判です。
さらにPSNR(ピーク信号対雑音比)42.3dB、SSIM(構造類似度)0.91という数値が出ているということで、比較的高品質な出力を行えることがデータ的にも示されています。
専門家からも「Sora並みのクオリティ」と評価されるのもうなずけますよね。
Hailuoの多様なスタイルと手軽さ
一方のHailuoは、最長6秒という短尺ながら、その分処理が早く完了しやすい仕様になっています。
わずか数分で結果が届くので、SNSで使うショート動画やアイキャッチ的な演出を試したいときにはすごく便利。
また、アニメ風から写実的なスタイルまで幅広い生成ができるとのことで、「どんな感じで仕上がるかちょっと試してみたい!」というライトなユーザーにピッタリです。
クオリティ面ではKLINGほどのリアルさを求めるのは難しいかもしれませんが、6秒という短さで繰り返し利用しやすく、ちょっと遊んでみるにはうってつけです。
使いやすさとユーザーインターフェイス
次に、実際に触ってみたときの使い勝手や操作感など、「ユーザビリティ」について見ていきましょう。
KLINGのインターフェイスと機能
KLINGはWeb版やアプリ版が存在し、ややプロ向けな印象が強いです。
決して使いにくいわけではないですが、機能が多いゆえに最初は少し戸惑うかもしれません。
無料ユーザーには1日あたり66ポイントのクレジットが与えられるものの、クオリティの高い動画を生成しようとするとクレジットを多めに消費することもあります。
そのため「最初はいろいろ試したい!」という場合は、ちょっとポイント管理に気をつける必要があります。
バージョンアップごとに機能が増えているようで、今後はさらにインターフェイスも改善され、ハイクオリティモードも搭載されるだろうと期待されています。
Hailuoの手軽さと日本語対応
Hailuoは無料プランでも1日3本まで動画が作れるのが魅力で、アプリを使ってパパッと生成できる操作感が好評です。
また日本語プロンプトへの対応度が高いのはかなりありがたいポイント。
英語が苦手な方でも割と自然な日本語で指示を出してもそこそこ思い通りに生成できるので、ハードルが低いです。
やや残念なのは、無料プランに透かしが入ることや、生成できる動画が最長6秒しかない点。
6秒だけだと動画として使える場面が限られますが、逆にいうと「SNSのショート動画やストーリーなどをササっと作りたい」ときには最適と言えます。
実際の動画
同じプロンプトで作成してみました。
荒野を人間のように立って歩いている擬人化された猫で、洋服を着ている。彼はハイエナに襲われそうになるが、間一髪逃げだした。
Anthropomorphic cat standing and walking like a human in the wilderness, wearing clothes, he was almost attacked by hyenas but escaped in the nick of time.
同じ内容で作成しました。
KLINGがこちらです。設定は標準で5秒です。
Hailuoがこちらです。設定は何も触らず、そのままです。
両方とも「荒野」というより山の中って感じですね。
イメージはアメリカの荒野のような仕上がりを期待しましたが、その内容をプロンプトに書かないとだめでしたね 汗。
好みは人それぞれですが、KLINGの方が映画っぽい感じで、個人的には好きです。
みなさんはどちらが好きですか?
料金プランとコストパフォーマンス
次は、気になるお値段やコストパフォーマンスを比較してみましょう。
KLINGのクレジット制と有料版
KLINGでは、無料版で1日66ポイント(クレジット)が付与され、1回の動画生成に10クレジット使う場合などがあります。
実際の必要クレジット数は設定やモードによって変動する可能性があるようです。
長尺動画や高品質な動画を作ろうとすると、どうしてもクレジット消費が増えるので、がっつり長い動画をたくさん作りたい人は有料プランを検討することになるでしょう。
有料版ではさらにクレジット上限が増えて、高解像度かつ長尺の動画をどんどん生成できるようになります。商用利用を考えている人にとっては必須になるかもしれません。
Hailuoの無料プランと有料プラン
Hailuoは無料プランでも1日3本まで動画を生成可能。
短尺とはいえ、3本も作れるのは大きいですね。とりあえずサンプルでどんな動画ができるか試すには十分です。
有料プランにすると、透かしが消せたり、生成回数が増えたりします。
また、1ドルあたり4.2クリップというコスパの良さも魅力的。
ただし、有料プランでも動画長は6秒という上限があるらしく、そこは変わらないので要注意。あくまで短尺動画に特化したサービスという方向性です。
実際の生成例とユーザー評価
ここでは、世間のユーザー評価や専門家レビューなどを踏まえながら、実際にどんな感じで評価されているのかを見てみましょう。
KLINGの評価/Soraクラスの高品質
KLINGに関しては「Soraに迫る高品質動画を生成できる」とするレビューが多く、その仕上がりの精度を高く評価する声が目立ちます。
特にアジア系人物の再現性が自然で、「顔の一貫性」が維持される率が高いとのこと。
AIによっては連続フレームで顔が崩れやすいという課題がありがちですが、KLINGはそこを比較的うまくカバーしているようです。
App Storeでの評価は2.3/5とやや辛口ですが、レビュー数が少なく、まだユーザーが多くないのかもしれません。
専門家やテック系メディアでは「今後の伸びしろが大きい」「バージョンアップでグングン性能が上がっている」という期待感が強い印象ですね。
Hailuoの評価/コスパ&スピード重視
Hailuoは日本のユーザーから「日本語プロンプトが使いやすい!」というポジティブな声が挙がっています。
生成速度も速いので、忙しい合間にSNSのネタ動画を作りたいような人には好評です。
ただ、「6秒しか作れないのはちょっと物足りない」「有料プランでも透かし入りってどうなの?」という声もあり、一長一短ではあります。
それでも全体的に「初期投資なく気軽に試せる」「作業がサクサク進む」という点で満足度が高いようです。
長尺動画は求めないけど、短いループ動画でインパクトのある演出を狙いたいなら十分アリですね。
それぞれの用途・使いどころ
ここまで比較してみて、両サービスともに得意分野が違うなという印象です。
それぞれどんなシーンで役立ちそうかまとめます。
KLINGが向いているケース
ハイクオリティな映像やリアリティ重視の動画を作りたい
3分程度の長尺動画を作成する必要がある
物理シミュレーションを活用した映像(髪の毛や布の揺れ、流体表現など)を求める
アジア系人物やリアルなキャラクターの表情表現をこだわりたい
クオリティ面や長尺対応が必要なクリエイターや、リアル系コンテンツを制作したい人にはKLINGが魅力的です。
無料版でもクレジットを管理しながらある程度試せるので、じっくり品質を探りたい方にはオススメ。
Hailuoが向いているケース
SNSのショート動画やInstagramストーリーなど、短い動画をサクッと作りたい
できるだけお金をかけず、気軽にAI動画を試してみたい
日本語プロンプトでスピーディに作業したい
アニメ風やイラスト調の演出を気軽に楽しみたい
ワンポイント動画や、SNS投稿用の短尺クリップを量産するような使い方なら、Hailuoのスピード感とコスパはかなり魅力的だと感じました。
専門家が語る両サービスの今後
技術的にはどんどん進化していく分野なので、専門家の間でも「まだまだこれから」という意見が大半です。
KLINGはバージョンアップによる性能向上が著しく、Ver1.6で195%向上とも言われています。
Hailuoもユーザーフィードバックをもとに改良が進み、将来的には6秒以上の動画が作れるようになるかもしれません。
長尺動画生成は現状KLINGが圧倒的優位ですが、Hailuoが今後ロングバージョンを解禁したらどうなるか、非常に楽しみですね。
競争が激化するとAI動画生成の質も上がっていくので、ユーザーとしては嬉しい限りです。
総合評価/どっちが優れている?
ここまでの情報を総合すると、KLINGのほうがやや優位性が高いと言えそうです。
理由としては以下のとおり。
1080p高解像度で映像がきれい
物理シミュレーションがリアルで、髪や布の動きなど細かい表現が自然
3分までの長尺動画を作れるので用途が広い
バージョンアップによる性能向上が著しく、専門家からの評価も高い
ただし、これは「長尺の高品質動画が作りたい」「細かいディテールまでこだわりたい」というニーズがある場合に限ります。
たとえば、「ちょっとしたSNS動画を作りたい」「コスパ重視」「素早く動画を生成したい」といったライトユーザーの方は、Hailuoでも十分満足できるでしょう。
特に日本語プロンプトへの対応度が高い点は大きなメリットです。
まとめ
AI動画生成といっても、サービスごとに得意分野や使いやすさは結構違います。
今回の比較では、どうしてもKLINGのクオリティ優位が目につきましたが、これはあくまで「リアリティ」や「長尺動画」というポイントを重視した場合の話。
SNS用にサクッと短い動画を作るだけなら、Hailuoの高速生成や日本語対応は捨てがたい魅力があります。
筆者個人的には、商用レベルの動画制作やプロモーション動画にはKLINGを活用しつつ、SNSのショートクリップや実験的な映像遊びにはHailuoを使う、という使い分けがベストかなと思いました。
どちらも無料で体験版的な使い方ができるので、まずは両方触ってみて、自分の用途に合うほうを見極めるのがオススメです。
今後、AI動画生成の技術はますます進化していくでしょうし、他の競合サービスもドンドン出てくるはずです。
実際、KLINGもHailuoもバージョンアップの度に劇的に性能が良くなっていて、リリース当初の感想が数ヶ月後には通用しなくなることもしばしば。
早めにトライして、進化の瞬間をリアルタイムで体感するというのがイチバンですね!
両サービスともとても面白いので、ぜひ手を動かして試してみてください。
「こんな動画作ってみたい!」というアイデアをぶつけるだけで、新しい扉が開いちゃうかもしれません。
何より、AIが生成する動画を見ながら「おお、ここまで来たか……!」と感動する瞬間って、テクノロジー好きにはたまりませんよね。
今後もAI動画界隈は激アツになっていくと思われます!
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