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【ゲームレビュー】No Straight Roads: Encore Edition【3Dアクション】

XBOX Series Xコントローラーを使用。クリア済み。


ポップなデザインの登場人物達が特徴的な、リズム要素満載のロック・アクション・アドベンチャー。EDMに支配された帝国で『メイデイ』と『ズーク』率いるロックバンドが立ち上がる。『Vinyl City』を歩き回り、途中で出会う音楽界の大物たちと戦って、抑圧的なEDM帝国である『NSR』を滅ぼそう。

----------------------【良い点】----------------------

登場人物と物語

◆ 主人公である『メイデイ』と『ズーク』、ロックバンド『Bunk Bed Junction』を中心に、今作の登場人物は活き活きとしており、個性的で魅力的なキャラクター達になっている。
それは主人公と敵対する人物達も同様で、敵も一目見ればすぐ誰だかわかるような外見をしている。

左が『メイデイ』、右が『ズーク』。

個人的に特に目を引いたのがキャラクター達の親しみやすいコミカルなその動きだ。まるで海外のカートゥーン作品の様な動きは不思議と親近感がわいてくる。

同様に物語もシリアスにキメるところはキメてくれるが、殆どの場合は海外のミームネタや小ネタ盛り沢山のコメディチックな会話と良い意味でフワッとした流れで進んでいく。

『ジョジョの奇妙な冒険』をオマージュした海外ミームネタ。日本でも同様の物が使われる場合もある。

探索パート

◆ ゲームの基本的な流れは『キャラクターを強化&カスタマイズ→Vinyl Cityを移動する探索パート→ステージ攻略→ボス戦』となっている。


探索パートでは今作の舞台である『Vinyl City』を探索する事になる。最初こそ訪れる事が可能なエリアは制限されているが、ステージをクリアする毎に探索可能なエリアは増えていく。

電力を復旧させるために必要となるアイテム『ミニクワサ』。

探索を行う事で街内に配置されたオブジェクトに電力を復旧させるために必要となるアイテムを見つける事ができたり、装備する事で主人公達が強化される『ステッカー』やギターケースの外見を変更するためのグラフィティを発見する事が可能だ。

探索自体はシンプルで、建物の屋根や街角などに隠されたアイテムを見つけていく形だ。良い意味で『PS2』や『64』時代のアドベンチャー作品を少し彷彿とさせる。街の探索中には戦闘は発生しないので、心置きなく街を歩き回ろう。

ボス戦とBGM

◆ ボス戦前にはボスのテーマに沿ったステージが用意されており、ステージを最後まで攻略するとボス戦になる。

戦闘は主人公達を切り替えながら、通常攻撃や下記する強化で解放可能なフィニッシャー、ボスから入手できる特殊な技などを使用して行う事となる。

ボスの一人であるVTuberバーチャルアイドルのサユ。関連したメタネタも多い。

ボス戦はバラエティに富んでいて、時たま特殊なボス戦も用意されており、音ゲーの様な音符が上から流れてくる戦闘も発生する。


また、個人的に気に入ったのがボス毎に専用の戦闘BGMが用意されいる事だ。流石と言うべきか、音楽に関連した作品と言うだけあり、どの曲も魅力的で中毒性の高い曲になっている。

特にエンディングで流れる曲は普通に“ロック”していた

画面の手前に来てプレイヤーの視認性を下げる攻撃をしてくるロボットアイドルグループ。

ボス撃破後はステージのリサルト画面が表示され、それに応じてクリアランクが表示される。クリア済みのステージは再度チャレンジする事が可能なので、高ランク取得を目指して攻略しなおす事も可能だ。

高ランクであるほどファンを多く得る事ができる。

強化とカスタマイズ

◆ ステージをクリアしたり、『Vinyl City』内の電力切れになっているオブジェクトに電力を供給すると『メイデイ』と『ズーク』のファンが増えていく。

ファンが増える毎に開放可能な能力や技が増え、ファンを消費する事によって能力を解放していく。ファンを消費するという書き方は少々誤解を招きそうだが、間違っていないし、これ自体に特にデメリットも無いのでご心配なく。

前述した『ステッカー』はキャラクターに装備する事によって『近接攻撃アップ』や『体力アップ』といった恩恵の得られるアイテムだ。

アクションが難しいと感じたならば、難易度を下げるステッカーも用意されているので、使ってみると良いだろう。

その他にも、こちらはキャラクターのステータスとは関係ないが、『ギターケース』のカスタマイズも可能になっている。

ギターケースのカスタマイズ画面。

こちらはゲーム本編とは関係ない情報で、プレイ後に知った事ではあるが、この『ギターケース』のカスタマイズ時の美麗イラストの数々は公式がファンからもらったファンイラストをゲーム内に取り入れているようだ。

----------------------【悪い点】----------------------

リズム

リズムを重視したかの様なチュートリアルの説明に反して、敵の攻撃やモーション等の殆どの動きは“プレイヤーによる目押し”の方が効率よく反応できる作りになっている。

リズム的な要素がほぼ無いボス戦。

特に一部を除くボス戦では、初めて聞く曲の流れを知っているはずもなく、知っていたとしても同様に目押しの方が素早く反応できる攻撃が多い。

カメラワーク

◆ 殆どの場合は気にならないが、カメラを動かす事ができない割に敵が、あるいは敵弾が画面手前に来た場合はそれらが視認できず、理不尽に被弾してしまう事もある。

ボス戦では広めのエリアで戦闘する事になる割に画面手前側が見えない事が殆ど。

敵が画面外から範囲攻撃してくる場合や、ステージによっては『某クラッシュ』シリーズのように画面手前スクロールを強制される場面がある割には、ステージや敵の攻撃構成がそれらのカメラワークを前提に考えられていない点が気になった。

ステージ

ボス戦に突入する前にステージを攻略する必要があるが、正直なところ敵を適当に殴りつつ前へと進んで行くというあまり面白い内容ではない。

プラットフォーマー要素はあるものの、操作性も影響してシンプルな仕掛けになっている。

多少はステージ毎の特殊ギミックが登場するが、プラットフォーマーよりの操作性であるわけでは無いので、今作ではあまり意味の無いものになっている。

-----------------------【総評】----------------------

クリアまで4~6時間程と短くまとまった作品でアクションも飛びぬけて良いわけでは無いが、魅力的なキャラクター達と物語もあり、続きが気になりワクワクしながら進めらる良作になっている。

もしも続編が出るのであれば、是非とも『メイデイ』と『ズーク』、『Bunk Bed Junction』の新しい冒険を観たいものだ。


プレイ動画をアップしているので、今作が気になった方はこちらを参考までにどうぞ。

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