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【ゲームレビュー】JUDGE EYES:死神の遺言Remastered【3Dアクションアドベンチャー】

PS5 コントローラーを使用。クリア済み。※本稿はPC(Steam)版『JUDGE EYES:死神の遺言Remastered』のプレイを基に執筆しています。


あらすじとゲーム概要

◆ 『龍が如く』シリーズの開発元が贈る、本格リーガルサスペンスアクションアドベンチャー。現代の東京、正確には『龍が如く』シリーズでお馴染みの『歌舞伎町』をモデルに作られた架空の街『神室町(かむろちょう)』が物語の舞台となっている。

その『神室町』で探偵事務所を抱える主人公である『八神隆之』が過去に関わったとある事件に関係した犯罪や陰謀が中心となった物語が本作では展開される。

主人公のキムタk…『八神』。

『本格リーガルサスペンスアクション』を謳うだけあり、キャラクターの性格付けや動機、多少エンターテインメントとしてのお約束はあるものの、物語の展開は説得力があり、非常に惹き付けられる。

アクション性のあるミニゲームや演出も時たま発生し、物語面では色々と非常に凝っている。今作最大の魅力はキャラクター達と物語と言っても過言ではないだろう。

ボス戦は特に凝っている。

また、主人公が探偵というだけあり、推理物としての側面もある。推理物としてはありがちな『主人公を馬鹿にして結論を遅らせる』という展開も無く、推理が可能になった時点で論理的に『八神』がまとめてくれるので非常に好印象だった。

主人公以外の登場人物も魅力的。

ただし、プレイヤー視点、いわゆる“神の視点”からは早期に一部の推理から答えを導き出すこともできる。詳しくはネタバレになるので省くが、理由としては『主人公では知りえない情報』をプレイヤーが観ることができるからだ。


ストーリー面での唯一の欠点としては最終盤での“風呂敷のたたみ方”にある。これはそこまである程度以上に論理的に物語を展開していただけに、エンターテインメント方面に全力で振ったせいで違和感が強かった。仕方がないともいえるが、少々残念だ。

こちらはメインとは関係のない、街中でニンジャと遭遇するコミカルなイベント。

これらの緊張感のあるメインストーリーだけでなく、個性的でコミカルなサイドストーリーも大量に用意されている。
こちらは本当に悪ふざけとスタッフのお遊びが多く、本編とは違った意味で楽しめるだろう。

神室町には困っている人が沢山いるので、時間がある時にでも助けてあげよう。

戦闘

◆ 弱や強攻撃、近くの物を使った攻撃や爽快な『EXアクション』など、基本は踏襲しつつも戦闘は概ね『龍が如く』シリーズのアクションを遊びやすく進化させた形になっている。

自電車を武器に戦う主人公。

シリーズをプレイした事の無い方向けに解説すると『EXアクション』は『壁の近く』『武器を持っている状態』などの特定の状況で発動できる強力なアクションだ。

敵に大ダメージを与えられるだけでなく、アクションとしても大げさで爽快感のある演出が特徴的だ。特にボス戦では特殊な『EXアクション』も発動できるので、必見だ。

仲間と協力して発動できる特殊な『EXアクション』。

それらのアクション以外にも今作の特徴として、主人公である『八神』は1対1に特化した『一閃』と集団戦に特化した『円舞』という戦闘スタイルを切り替えながら戦う事が出来る。
使用中のスタイルによって演出が変化する『EXアクション』もあるので、色々と試してみると良いだろう。

1対1になりがちなボス戦では『一閃』がオススメ。

戦闘に関しては過去の『龍が如く』シリーズから進化しているものの、良いところだけではなく『龍が如く』からの問題点でもある『戦闘のマンネリ』も同時に引き継いでいる。
最初こそ簡単に爽快なアクションを発動できて面白いのだが、戦闘ではやっている事が終始同じことの繰り返しになってしまいがちだ。

ボス戦以外は流れ作業になってしまいがち。

特に後半では報酬の少ないザコとの戦闘が多く発生し、正直煩わしい。基本的に『EXアクション』が強すぎるため、それをどうにかして発動する事を中心に考える戦闘ばかりになりがちだ。

街を遊び尽くす

◆ 本編やサイドに関係の無い遊びが『神室町』には盛り沢山だ。その多くはミニゲームだが、『ドローンレース』『ブラックジャック』『謎解き』等々、色々なモノが用意されている。その他にも街中にあるレストランやバーで食事を楽しむ事もできる。

『バーチャファイター』を遊ぶことも。

本作にはこれらの遊びを推奨するかのようなシステムが搭載されており、非常にゲーム性にマッチしたモノになっている。
各種ミニゲームや食事を行うとキャラクターを成長させるためのSP(スキルポイント)を入手出来るのだ。

食べるだけでSPが入手できるので、食べたことの無いものはドンドン購入しよう。

また、特定のレストランで提供されている品を全種制覇すると追加でSPやアイテムがもらえる事もある。いわゆる『ゲーム内実績』の様なシステムも搭載されている。

実績の様なミッションを達成する事でも報酬を得られる。

ミニゲームに関しても同様で、特定の条件を達成すると追加でSPが入手できるようになっている。遊べば遊ぶほど、プレイヤー有利になるわけだ。

スゴロク系のミニゲーム。途中で別のミニゲーム要素を織り込んでいる。

成長要素

◆ 上記した“遊び”や戦闘を通して主人公はSPを入手し、それを消費して新しいアクションを開放したり、各種能力の強化を行って行く事が出来る。

ミニゲームや特定のアクションを簡単にする強化要素も。

ただ、この成長要素が少々問題で『成長している』というよりも序盤は『本来あるべき機能が最初は制限されている』という窮屈な状態になっているのだ。

例えば今作のキモともいえる『EXアクション』の多くはSPを消費して一度解放しないと使用する事が出来ない。
この点は明確にゲームの面白い点である『誰でも簡単に爽快なアクションが行える』に繋がるので、あまり良いアプローチの成長要素とは言えない。

今作のキモである『EXアクション』の多くはアンロックをしていないと発動できない。

他にもアクション面では『技の発動を高速化する(動きを早くする)』という成長項目もあるのだが、初期状態ではストレスが溜まるほどに動きが遅い。

『コンボスピードアップ』は早い段階で入手すると良いだろう。

公平性を期すために書いておくと、『ステータスを向上させる』『コンボの種類を増やす』『ミニゲームを簡単にする系』等の通常の成長要素に関しては特に問題はなかった。
あくまで、わざと機能を制限している要素が煩わしいのだ。

ファストトラベル

◆ 今作ではタクシーを使用してファストトラベルを行うのだが、タクシーは特定の位置にしかおらず、そこまでの移動自体が面倒になる。

タクシーに乗車できる位置に辿り着くまでに戦闘が発生する事もあり、徒歩での移動が面倒だ。

スマホから呼び出しができるようにして、何処からでもファストトラベルができるようにした方が良いだろう。

--------------------【良い点】--------------------


+ しっかりと『リーガルサスペンス』を意識したストーリーとそれに伴う説得力のある展開。

+ 個性的で魅力的なキャラクター達。

+ 『龍が如く』シリーズから受け継いだ『街で遊び倒す』各種ミニゲームなどの要素。

--------------------【悪い点】--------------------


- 風呂敷を広げすぎた影響による、“無理やり”な最終盤のストーリー展開。

- 報酬が少なく、マンネリ気味で味気ない戦闘。

- 後半はザコ戦が多く発生し、煩わしい。

- 作り込みの甘い成長要素。

- タクシーを使用したファストトラベルが面倒。

---------------------【総評】--------------------


戦闘のマンネリ感や終盤の展開といった不満点こそあるものの、それらを差し引いても物語が魅力的である事に変わりは無く、物語を楽しむ目的でプレイするならば損はしない作品だ。

また、『龍が如く』シリーズから引き継いだ『街を遊び尽くす』要素も健在でそちらを楽しむ事もできるだろう。

戦闘に関しては、次回作で改善されているようなので今作が気に入ったのなら、そちらも合わせてチェックすると良いだろう。


プレイ動画をアップしているので、今作が気になった方はこちらを参考までにどうぞ。


他にもSteamで発売されている『プラットフォーマー』作品をこちらで:

『ローグライク』作品をこちらで紹介しています:

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