【ゲームレビュー】ASTLIBRA Revision【2DアクションRPG】
XBOX Series X & PS5 コントローラーを使用。クリア済み。
※本稿はPC(Steam)版『ASTLIBRA ~生きた証~ Revision』のプレイを基に執筆しています。
ゲーム概要
◆ 様々な強化/成長システムと爽快な戦闘が特徴的な2DアクションRPG。時と運命が絡む長編物語。主人公と相棒の『カロン』を操作して、様々な出会いと別れを経験しながら、心躍る冒険を体験しよう。
『Revision』ではフリーで公開されている『ASTLIBRA ~ 生きた証 ~』から様々な改善が施されており、システムや物語、更なるやり込み要素の追加、あらゆる面でパワーアップしている。
↑フリー版
追加要素もある事から、ゲームのボリュームはなかなかのモノになっており、参考までに筆者は初見で難易度『困難(ハード)』クリアまでに65時間以上必要だった。全実績解除は70時間程。
また、グラフィック面でも、背景や登場人物の書き込みが素晴らしい出来になっている。特に一部のモンスターやボスは必見だ。
アクション要素
◆ 基本攻撃、ガード、回避、魔法の様な『憑依技』、基本的な操作性はシンプルになっている。攻撃系のアイテムで攻撃補助や回復も行える。
戦闘では通常の攻撃を敵に当てる事で溜まる『ST』を消費して、強力な『憑依技』を使用していく事が基本となる。
憑依技は本作における魔法の様な技で、使用中は無敵になるという面白い特徴がある。そのため、攻撃にだけではなく“回避”にも使用でき、アクションの部分としてもなかなか面白い仕様になっている。
トレーラー等を観ると『無双系』の印象が強いかもしれないが、アクションはしっかりと作られているので、そちら目的の方はご心配なく。
これらのアクション以外にも、『奥義書』と呼ばれるアイテムを探索を通して入手する事で様々なアクションが追加されていく。
後述するRPG要素での自キャラの成長具合にもよるが、低難易度では『無双系』のような、高難易度では『アクション作品』のようなプレイフィールになっている。
高難易度では、ガードや回避のタイミング、一部の道具を有効活用する必要が出てくると言った具合だ。
難易度はゲーム開始時点で六つの中から好きなモノを選択でき、プレイ中に何時でも変更する事ができる。ただし、“チュートリアル”終了時点で高難易度に変更する事ができなくなるので、注意が必要。
残念なことにアクション面での問題点が一つあり、それは前述した『奥義書』だ。例えば、回避にあたるアクションは『奥義書』を入手する事で覚える事ができるのだが、その奥義書は必ず入手できる場所に配置されているわけではない。
もちろん、取り逃したことを“知っていれば”探しに行くことは出来る。
『回避』は本作における基本的なアクションの一つであり、高難易度プレイ時には、最も重要なアクションの一つでもある。それを気付かずに素通りしてしまう可能性がある事が少々問題だ。
何故なら、回避を習得しているかしていないかで、アクション面でのプレイフィールがかなり変わってくるからだ。
RPG要素
◆ 前述した通り、RPG要素とそれら関連のやり込み、できる事が非常に多い。RPG系のやり込みやファーム(稼ぎプレイ)好きにはたまらない。
全てを詳細に説明しているとキリがないので、簡単に各項目を軽く説明しよう。
レベル:レベルが上昇する事によってステータスを割り振って、能力を成長させる事ができる。拠点や一部の施設でステータスは何時でも振り直すことができる親切設計。
装備品:敵を撃破する事で入手できる素材をお店で消費する事で、武器/盾/鎧/アクセサリー等の作成する事ができる。敵はレアな装備の設計図を落とす事もある。取り逃した『設計図』をエリア毎に表示してくるアイテムもあるので、心配はいらない。
GROW:敵を撃破する事で、『フォース』と呼ばれるアイテムを入手できる。そのアイテムを『GROW』というスキルツリーの様なメニューで消費して、各種ステータス強化/憑依技を覚える事ができる。
LIBRA:メニュー画面にある天秤にアイテムを乗せる事で、ステータスを強化する要素。アイテムにはコストがあり、天秤の両側のコストが同値に近いほど強化が強力になる。
KARON:武器は使用していると武器毎の『マスタリー』に経験値が溜まる。経験値が最大になると、その武器をマスターした事になる。マスターすると新しい能力を習得、あるいは自動的に何らかのアイテムを入手し、武器が強化される。
習得した能力はメニュー画面の『KARON』から付け替え可能だ。
これら以外にも、アイテムによる成長要素やゲーム後半で解禁される要素があるのだが、ネタバレに近いモノもあるので記載はしないでおく。ただ、溜まった素材アイテムが無駄にならないような、面白い仕様とだけ書いておこう。
ステージ構成と探索要素
◆ ステージは拠点となる街から、各章毎に新しいマップへと赴くという仕組みになっている。マップには謎解きや関連したギミックが登場し、アクション一辺倒にならないような工夫が為されている。
探索を行う事で、マップ内に隠された様々なアイテムや装備を見つけることができる。
さらに、探索中の戦闘で経験値やフォース、素材も集める事ができるので無駄が少ない。プレイすればプレイする程に、成長する作りになっている。
また、過去に訪れたマップには街から再度訪れる事が可能になっているので、アイテムの取り逃しがあっても心配する必要はない。
ただし、ストーリー進行の影響で一時的に戻れなかったり、一部アイテムを回収に行けないという事もある。アイテムによっては成長要素の部分で重要となる場合もあるので、注意が必要だ。
ステージ関連の問題点としては、『プラットフォーマー』的な作りは少なく、良くも悪くもステージの構成、進行はシンプルになっている。プレイヤーによっては少し物足りなく感じるかもしれない。
このような仕様になっている理由としては、アクションを行う上で複雑すぎる地形やギミックが、爽快感や一部のアクションを阻害してしまうからだろう。そのため、仕様の無い部分ではある。
ボス戦
◆ 『ASTLIBRA Revision』では豊富なボス戦が用意されている。アクションの項目でも述べたように、難易度によって印象は少し変わるが、パターンやアクション部分がしっかりと作られた面白いボス戦が多い。
後半や隠しボスは弾幕の様な攻撃や、面白い軌道の攻撃を行ってくるので『回避』や『ガード』、無敵時間を利用したアクション要素満載の戦闘を楽しむ事ができる。アクション好きにはたまらない。
特に高難易度では、遠距離攻撃が可能なアイテムや装備品による耐性を、各種強化を考えながら進める必要も出てくる。
ボス戦に関しても一つだけ問題点があり、ボスの1体(ネタバレになるので、詳細は伏せる)は、何故このような仕様になったのか分からないが、“面倒”なボスになっているのだ。
難しいだとか、強いわけでは無いので、勘違いの無いように。“面倒”なのだ。
--------------------【良い点】--------------------
+ 難易度を調整する事で『無双』系作品にも、『アクション』作品にもできる。
+ アクション性の高く、RPG面での工夫も楽しめる豊富なボス戦。
+ 収取要素や強化要素といった、RPG的なやり込み要素。
+ RPG的なやり込み要素と連携した無駄の無い探索要素。
+ インディーズとは思えない凄まじいボリューム。
--------------------【悪い点】--------------------
- アクション面に直結する一部能力を取り逃す可能性がある。それによるプレイヤー毎に感じる致命的なプレイフィールの差。
- ストーリー進行の影響による、一時的な不可逆要素。
- GROW画面などでの一部操作の最適化不足。
- シンプルな地形とステージの構成は人によっては物足りなく感じられる。
- 極一部の“面倒な”ボス戦。
----------------------【総評】---------------------
アクション要素、RPG要素、探索要素、やり込み要素が豊富で贅沢な作りになっており、良質な2DアクションRPG作品に仕上がっている。ボリュームもインディーズ作品とは思えないような量だ。
特定タイプのストーリーや、RPG系作品特有の稼ぎプレイが嫌いでない限りは、マストプレイな作品になっている。
余談だが、フリー版では外伝にあたる作品もあるようなので、そちらもリメイク版が発売されないかと個人的に期待している。
プレイ動画をアップしているので、今作が気になった方はこちらを参考までにどうぞ。
他にもSteamで発売されている『プラットフォーマー』作品をこちらで:
『ローグライク』作品をこちらで紹介しています:
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?