【ゲームレビュー】The Slormancer【ディアブロライク(ハクスラ)/アクションRPG】
ディアブロライクな見下ろし型視点のハクスラ系アクションRPG。何の力も持たない主人公が、過去から来た邪悪な魔術師『The Slormancer』と彼に率いられた敵の大群との戦いへと挑む。
用語について
※誤解を防ぐ為、本レビューではハクスラ系やディアブロライク(クローン)系と言う単語を『ディアブロライク』に、OPやPropertyもしくはAffixと呼ばれるアイテムに付与される魔法効果や特性をそのまま『特性』と言う単語で統一させていただきます。
----------------------【良い点】----------------------
ゲーム進行
オープンワールド型のディアブロライク作品が多い中で、『The Slormancer』はこの手の作品としては珍しくステージを選択して攻略していくタイプになっている。
基本的にはステージを攻略していく事で町の住民が街に戻っていき、ショップや鍛冶屋といった様々な要素がアンロックされていく仕組みだ。
ステージ毎に異なるものの、ステージ内に配置された『Breach(次元の裂け目』をすべて閉じる、敵を全滅させるといった条件を達成する事でステージクリアとなる場合が多い。
他にも、このステージ選択型の利点としては、いつでも好きなステージを選択する事ができる点にある。これによって、特定のエリア(この場合はステージだが)でファーミング(稼ぎプレイ)する事が容易になるのだ。
また、ステージ毎にクリア済みのクラスが表示されるので全てのクラスで全ステージをクリアするといったやり込み要素の一つの目標にもなる。
クラス
◆ 今作では個性的な3種類のクラスを使用する事ができる。別のキャラクターを作成することなく、いつでも自由にクラスをゲーム中に変更する事が可能になっているが、最初に選んだクラス以外はある程度ゲームを進めないと使用する事ができない(といっても1~2時間程で到達できるエリアで解放される)ので、注意が必要だ。
使用可能な三種類のクラスは、近接型の『The Mighty Knight(騎士)』、遠距離型『The Fierce Huntress(弓兵)』、遠距離魔法型『The Mischievous Mage(魔法使い)』となっている。
騎士でプレイした限りではあるが、下記するスキルの組み合わせによっては遠距離攻撃も可能になるため、もちろん他の専門職には劣るが、様々なスキルの組み合わせを試す事ができるだろう。
また、クラス毎にレベルは別々になっており、レベルが上昇すると下記する解放されるスキル以外ではステータスが上昇し、『Attribute Point』が入手できる。
このポイントは8項目に分かれた基本的なステータス上昇用のツリーに割り振る事ができ、使用済みのポイントは何時でも再度割り振る事が可能になっている。
スキル
◆ スキルはレベルが上昇していく事で自動的に解除されるものと、別項目で追記させていただく特殊なスキルツリー『Ancestral Legacy』をうめて行く事で解放される二種類が存在する。
前者の各種スキルは使用する事で経験値、熟練度といった方が分かり易いだろうか、が溜まっていき、それが一定値になる事で『スキルマスタリ―レベル』が上昇する。
各スキルには個別のスキルツリーがあり、そのスキルのマスタリーレベルに応じた追加効果を敵を撃破する事で入手できる『特殊な通貨(Slormという名称)』を支払う事で解放&強化する事が可能になっている。
例えば、単純な追加能力としては『このスキルを使用時にX%クリティカル率上昇』といった能力を解放する事が可能だ。
ただし、こういった追加効果を解放、あるいは強化するとスキル使用時に必要となる消費MPも上昇するため、序盤からむやみやたら強化する事は得策とはいえない。
一度『開放/強化』した能力は何時でも『オン/オフの切り替え』が可能になっているため、自分のビルドに合わせた組み合わせにすると良いだろう。
また、スキルのマスタリーレベルが上昇するとそのスキルの基礎能力が上昇するため、ステータスの底上げとやり込みにもこのシステムは貢献している。
余談だが、ゲームを進行していく事で使用済みの『特殊な通貨』を回収し、強化済みのスキルをリセットする事ができる機能が解放される。
爽快感
◆ 今作に登場するスキルや攻撃はSEとエフェクトが派手で、敵に向かって適当に攻撃しているだけでも爽快感がある。
ステージ内に配置されたオブジェクトも触れるだけで破壊され、SEも相まって破壊していくだけでもなかなか小気味好い。
装備&スローㇺリーパー
◆ 装備品にはそれぞれレア度があり、レア度が高い装備品程様々な強力な特性が発現する事自体は他のディアブロライク作品の仕様を踏襲している。
装備品は鍛冶屋で素材を消費する事で特性を変更、あるいは追加する事も可能だ。通常の装備品にレジェンダリー装備に付与される特性を追加する事も可能になっているが、こちらは必要となる素材と費用が本レビュー執筆時点ではあまり現実的ではない数字になっている。
装備品において『The Slormancer』で最も特徴的なシステムが『Slorm Reaper』だ。
『Slorm Reaper』は道中に出現する『Breach』を攻略する事で一定の確率で入手できる武器だ。感覚的には他のディアブロライクでいうところの『ユニーク』系装備が近いだろうか。
他の作品の『ユニーク』装備と大きく異なるのが、ランダムな特性が無い点と一度入手するとインベントリにではなく図鑑に登録される点だ。一度入手してしまえばいつでも付け替えが可能になる。
それら『Slorm Reaper』にはいくつもの種類があり、それぞれに異なる固有の特性を有しており、当然だが職業毎に剣や弓といった『Slorm Reaper』を装備する事ができる。
『Slorm Reaper』にはレベルが設定されており、装備した状態で敵を撃破する事で経験値が蓄積し、経験値が一定量たまると自動的にレベルが上昇する。レベルが上昇する事によって攻撃力だけでは無く、『特性の効果』も上昇する。
上記したようにこれらの武器は一度入手すればいつでも付け替えが可能になるため、収集面と武器のレベル上げの両面でやり込み要素の一つにもなっている。
エンドコンテンツ
◆ エンドコンテンツの一つとして、ステージを連続で攻略していく事で追加の報酬が入手できる『Expedition(遠征)』を現段階でもプレイする事が可能だ。
アーリーアクセス開始時点という事もあり、選択できる項目は少ないが、難易度を選択する事が可能で、高難易度程報酬が良いモノになる。
----------------------【悪い点】----------------------
敵とステージ
◆ こちらは悪い点と言うわけでは無いが、アーリーアクセス開始直後という事もあり、敵の種類が少なく、またステージの形状も変わり映えしない。
何かの冗談のようにスケルトンしか出てこない。主人公はスケルトンに何か恨みでもあるのだろうか。
状態が把握し辛い
◆ 序盤をプレイした限りなので、後半でこの仕様がどのようにゲームプレイにインパクトをもたらすのかは定かではないが、上記した『攻撃やエフェクトが派手』という仕様上、敵の攻撃が見えなくなる場合がある。
Ancestral Legacy
◆ 『Ancestral Legacy』内のスキルを解放するためには物語を進行していく事で入手できる特殊なアイテムが必要となるのだが、筆者が確認した限りでは現時点では二つまでしか入手する事ができない。
別項目で紹介したレベルが上昇する事で自動的に入手できるスキルと同様にこちらも通貨を使用する事で強化する事が可能ではあるものの、必然的に取れる選択肢が狭まるため、非常に狭い範囲での特定のビルド構成以外では、現時点では大きなインパクトを与えるほどの事は期待できない。
-----------------------【総評】----------------------
敵の種類が少なかったり、代わり映えしないステージ構成といったアーリーアクセス特有の問題をかかえているものの、爽快な戦闘やスキル、『Slorm Reaper』を筆頭に様々なやり込み要素が盛りだくさんで、現状でもポテンシャルを感じさせる作品に仕上がっている。
アイテムの収集要素や強化要素も上手く出来ているため、ディアブロライク系作品が好きなのであれば、プレイして損はないだろう。
プレイ動画をアップしているので、今作が気になった方はこちらを参考までにどうぞ。
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