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【ゲームレビュー】Blossom Tales II: The Minotaur Prince - ブロッサムテイルズ2【ゼルダライク/2Dアクションアドベンチャー】

PS5 コントローラーを使用。前作&今作クリア済み。※本稿はPC(Steam)版『Blossom Tales II: The Minotaur Prince』のプレイを基に執筆しています。


あらすじとゲーム概要

◆ 見下ろし方視点の『ゼルダの伝説』ライク・アクションアドベンチャー。前作『The Sleeping King』から数百年後の世界を舞台にした今作では、主人公は復活したミノタウロス王に立ち向かう事となる。

今作は続編物ではあるが、物語は『劇中劇』となっており、『おじいちゃん』が孫二人にお話を聞かせている体で進行していく。そして、今作の『劇中劇』の物語は前作から数百年後という事もあり、あまり前作とは関係の無い話になっているので、今作からプレイしても困る事は無いだろう。

物語は『おじいちゃん』が孫の『クリス』と『リリー』にお話しを語る体で進行する。所謂『劇中劇』風だ。

前作関連の話として、ちょっとした小ネタやサイドに関連した話が少しばかり登場する程度だが、進行を阻害するような要素は特に無い。

『おじいちゃん』の話す今作の物語では、喧嘩の絶えない姉弟の弟が復活したミノタウロス王に攫われ、無理矢理に後継者に選ばれてしまう。主人公でもある、姉の『リリー』は弟を助け出し、ミノタウロス王を倒すための冒険へと旅立つのだった。

突如祭りの会場に出現したミノタウロス王。彼は『クリス』を攫って行ってしまう。

このように、『おじいちゃん』が物語を語っている体でゲームは進行するため、これから何が起きるのかについての選択肢が時たま登場し、選択によって一部のイベントの出来事が変更される要素がある。
ただし、入手できる重要アイテムや物語の大筋は変更されないので、好きな選択肢を選ぶと良いだろう。

選択肢によって登場する敵やアイテムが変更される。ただし、物語の大筋は変わらない。

ゲーム進行は見下ろし型視点のゼルダライク作品そのもので、探索を行い、特定のアイテムを入手し、それを駆使してパズルやダンジョンを攻略して次のエリアへ、という基本を踏襲した作りになっている。

カンテラ、もとい『ランプ』を入手するシーン。『火を灯す』お約束のパズルも登場する。

詳しくは別の項目で解説するが、戦闘周りも剣や盾、入手したアイテムや装備を活用して行っていく。非常にゼルダシリーズをリスペクトした作りだ。

アクション

◆ 剣を使っての攻撃や盾を使用しての防御、入手できる各種アイテムを利用した攻撃等々、従来のゼルダライク作品の基本を踏襲したアクション性になっている。

基本は剣での攻撃。

大きな違いとして、一部のアクションやアイテムを使用する際にはスタミナが消費されるというシステムが追加された。『矢/弾』が存在せず、代わりにスタミナを使用するわけだ。

特定の『弾』の代わりに、自動で回復するスタミナを消費するようになったため、戦闘面でアイテムを温存する必要が無くなり、戦闘の幅が広がった点は良い改善点と言えよう。

攻撃アイテムをバンバン使えるので、ちょっと変わった戦闘を楽しめる。

それ以外の点では、同タイプの作品と比較しても戦闘面では特徴に欠けるものの、必要最低限のアクションが揃っているので、気になる事は無いだろう。

探索とパズル要素

◆ ゼルダライク作品の魂とも言えるパズルと探索要素に関しては、アクションと同様に過去のゼルダライク作品で見たような基本を踏襲しつつも、いくつかの現代的な調整が施されている。

ダンジョン毎に、それぞれ特徴的なパズルが登場する。

まず、探索面についてだが、このタイプの作品と言えば遠くに配置された“的の様な物”や探索中に発見する“破壊できそうな壁や岩”等が出てくるものだが、本作もそこは変わっていない。
だが、従来のゼルダライク作品では、そういった気になった場所でアイテムを使用していると『矢/弾』等が枯渇し、一時的にパズルや進行が出来なくなってしまう事もある。どこかでアイテムを補充する必要が出てくるのだ。

『矢』等が無くなる事が無いので、アイテムを使用するストレスが減り、ゲーム進行がよりスムーズになった。

今作ではその問題が解決されており、アクションの項目でも触れたように『矢/弾』ではなく、スタミナを消費して道具を使用する為、それらを気にする必要が無くなった。気兼ねなく、気になった場所を『バクダン』で爆破したり、攻撃したりする事ができる。

そこら中を爆破しまくろう。

小さな変更点に思えるかもしれないが、プレイ時の余計なファームや進行を阻害する要素が無くなる事によって、プレイがよりスムーズになっており、良い意味で大きな違いが出てくる。

パズル要素に関しては、オリジナリティのあるモノこそ殆ど登場しないが、頭を使ったパズルからアクションパズル的なモノまで幅広く登場する。
パズルを攻略すると特殊なSEも流れ、プレイヤーにより一層の達成感を与えてくれる。

正しい順番で岩を攻撃する必要のあるパズル。後半で登場するモノはなかなか難しめになっている。

ちなみに、メインを進める為に攻略する必要のあるパズルは優しめになっている。寄り道をしているとメインで登場したパズルの“応用編”とでも表現するべきモノも見つけられるので、パズル好きならば楽しめるだろう。

もちろん、こういったパズルを攻略するとご褒美として、いわゆる『ハートのかけら』等のアイテムを入手する事ができる。

どう見ても『ハートのかけら』。

ただし、いくつかのパズルは特定のアイテムを所持していないと攻略不可であるため、その場合はまた後で攻略しに戻ってくると良いだろう。

気球を利用してファストトラベルを行うことが出来る。乗れるポイントを見つけたら、忘れずにチェックしておこう。

マップの各所にはファストトラベルポイントが用意されているので、探索時にはしっかりと見つけておこう。

洗練不足なアクションとボス戦

◆ 実は、アクション面とボス戦ではスタミナの概念を取り入れた事が裏目に出ている部分がある。

スタミナを消費する事によってアイテムを使用可能であるため、殆どの戦闘やボス戦では『バクダン』が異様に強く、他のアイテムを使用する機会が殆ど無い。

バクダンを入手したとは、スタミナ切れを起こさない限りは通常攻撃を行う必要性が無くなってしまう。

また、全てというわけでは無いが、特定のアイテムやギミックを利用して撃破するボス戦が少ない。このタイプの作品ではボス戦自体が一種のパズルの様な作りになっているモノが登場するのだが、そういったボス戦は殆ど無い。

ギミックを利用したボス戦自体はあるものの、かなり少ない。

そのため、全体を通してボス戦は少々物足りなく感じてしまう。

-------------------【良い点】-------------------


+ 本家をリスペクトした作り。

+ スタミナの概念を取り入れる事によって、よりスムーズでストレスの少ないゲーム性に仕上げている。

-------------------【悪い点】-------------------


- スタミナの概念を取り入れた事による、いくつかの問題。

- ギミックや特定のアイテムを使用した攻略が必要となるボス戦の欠落。

--------------------【総評】-------------------

これといった特徴がなかったり、戦闘やシステムが洗練不足という問題点はあるものの、本家の問題点やいくつかの改善された要素を盛り込んでいる。

探索は面白いし、パズル要素を解いた時の達成感もしっかりと味わえるように作られている。見下ろし型視点のゼルダライク作品としては良作に仕上がっている。

ゼルダライクが好きだったり、このタイプの作品をプレイして見たいのであれば、是非、今作や前作を手に取ってみると良いだろう。

ただし、くどい様だが何かこれといった新しい要素があるわけでは無いので、その点には注意だ。


プレイ動画をアップしているので、本作が気になった方はこちらを参考までにどうぞ。


他にもSteamで発売されている『プラットフォーマー』作品をこちらで:

『ローグライク』作品をこちらで紹介しています:

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