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【ゲームレビュー】Curse of the Sea Rats【メトロイドヴァニア/2Dアクション】

PS5コントローラーを使用。クリア済み。※本稿はPC(Steam)版『Curse of the Sea Rats』のプレイを基に執筆しています。また、正式リリース前のバージョンをプレイした感想となっています。


あらすじ&ゲーム概要

◆ ベルトスクロール作品からの影響を受けて開発されたゲーム性が特徴的な、メトロイドヴァニア系アクションRPG。四人(匹)の特徴の異なるキャラクターを操作して、一人での攻略、あるいは最大4人でローカル協力プレイを楽しむことが出来る。

魔女の呪いによってネズミの姿に変えられた主人公達を操作して、広大なアイルランド沿岸の秘密を解き明かし、自分たちを呪った魔女『フローラ・バーン』を捕まえろ。

物語冒頭でネズミの姿に変えられてしまった主人公一行。

物語はややシリアスな場面もあるが、コメディ要素が強めで、所々に小ネタやイースターエッグが仕掛けられている。ボス戦前の会話や道中で発生するサブクエストでもこの傾向が強い。
例えば、敵キャラのセリフが某楽曲のフレーズになっていたり、探索中に別ゲーのキャラクターをモチーフにした骸骨が登場したりする。プレイする時には探してみよう。

どうやら、姫君を助ける事はできなかったようだ。

操作性やアクション、メトロイドヴァニア系作品としてはシンプルな作りになっていて、移動系能力もこの手の作品の基本を踏襲したモノが登場する。レベルやアイテムの概念こそあるが、装備品等は無く、こちらもシンプルな作りだ。

個性豊かな四人(匹?)の主人公達。

ただ、ベルトスクロール作品を参考にして作られた戦闘周りのアクション性は良好だ。こちらについては次の項目で解説しよう。

アクション

◆ キャラクター毎に動作や攻撃方法がやや異なるが、『通常攻撃』『魔法攻撃』『ジャンプ』『パリィ』等の基本となるアクションはもちろんの事、メトロイドヴァニア系作品のお約束である二段ジャンプやダッシュなどの移動能力系アクションも物語を進めて行く事で解放される。

また、店や道中で入手した回復アイテムをショートカットキーに登録する事で何時でも使用可能だ。

回復アイテムは必ずショートカットに登録しておこう。

本題に戻るが、能力の揃っていない序盤は戦闘でのアクション性が特に高く、回避にも利用可能な二段ジャンプやダッシュを解放していないので『パリィ』を多用するプレイを推奨される。
キャラクターによってやや異なるが『パリィ』の受付時間は長めなので、心配はいらない。かなりスリリングな戦闘が楽しめる。

『パリィ』を成功させると敵が無防備になるので、コンボを叩き込もう。

逆に上記した能力を解放後は通常のメトロイドヴァニア系作品の感覚でプレイ可能だ。ただし、敵の攻撃力は基本的に高めに設定されているので、油断は禁物。

特にボスは戦闘する回数が多いだけでなく、特殊な機動で動くボスとの戦闘も用意されていて面白い。ギミックを利用した戦闘も発生する。

ボス戦は豊富に用意されている。

アクションの話に戻るが、一部の動作や攻撃方法がキャラクターによって異なっていると書いたが、例えば『魔法攻撃』と『ダッシュ』はキャラクター毎の特徴が大きく出る。

『魔法攻撃』であれば、主人公の一人の攻撃は鉄砲から火の玉を発射する遠距離攻撃であるのに対して、近距離から水を纏って敵に飛び掛かるという攻撃のキャラクターもいる。

使用可能な魔法はキャラクター毎に異なっている。

『ダッシュ』は通常の回避や移動に使用できるスタンダードな機動能力のキャラクターもいれば、敵を攻撃可能な“タックル”の様な動作になるキャラクターも。

移動系能力が物語を進める事で解放可能なように、実は『魔法攻撃』にもいくつか種類がある。こちらは物語を進める事で解放されるわけでは無く、敵を倒すことで入手できる特殊な通貨をセーブポイントからアクセスできるスキルツリーで消費していく事で解放可能だ。

魔法や技以外にも、ステータスを上昇させるシンプルな強化も可能だ。

ちなみにこのセーブポイントを利用する事で、何時でも使用しているキャラクターを変更可能だ。またキャラクターのレベルは共通だが、スキルツリーの進行具合はキャラクター毎に個別になっているので、能力の解放時には気を付けよう。

使用しているキャラクターはセーブポイントで変更可能なので、色々と試してみよう。

アニメーションとBGM

◆ キャラクターのアニメーションや動きは全て手描きになっていて、動作一つ一つの書き込みが素晴らしい。ザコ敵や特定のシーンで一度しか見せないような動作でもしっかりと描かれている。

また、本作のBGMは全体的にゆったりした曲が多く、航海や海賊、船出を連想させる曲になっており、作品に非常にマッチしている。

調整不足

◆ まず、これは筆者が先行プレイした時点での不満点となるので、正式リリース時のパッチで一部修正されている可能性がある事も明記しておこう。

筆者がプレイした時点では上記の様に潰れて読めない文字があったが、早い段階で修正されるだろう。

それでは本題に入るが、『Curse of the Sea Rats』は特徴であるベルトスクロール作品から影響を受けた戦闘要素も、メトロイドヴァニア系作品としても調整不足な点が多い。

細かい点が多いので、ザックリと解説するが以下の様になっている:

①:マップの形状が異様に横長かつ、ファストトラベルポイントとセーブポイントの配置が練られていない。

②:終盤のとあるイベント後にファストトラベルが使用できなくなる。そのため、終盤は探索をやる気がなくなる。

③:敵の配置と密度が序盤は極端に少なく単調。

④:壊れ性能のアクティブ/パッシブスキル、キャラクターの存在。折角のシビアな戦闘が台無しだ。

⑤:ソロプレイ時にはベルトスクロール系の要素をほとんど感じられない。

⑥:落下による即死要素がステージ構成の面白さを阻害している。落下要素自体が、ゲーム性にあまりマッチしていない。

等々。更に細かい事を挙げるなら『日本語表記のエリア/文字』がシャドウと縁取りで文字が潰れてしまっている箇所があるが、こちらは直ぐに修正されるだろう。

異様に強力なパッシブスキル。正直、製品版ではこの能力を『5%』程まで引き下げても良いと感じたほどに強力だ。

-------------------【良い点】-------------------

+ キャラクターのアニメーションが良く出来ている。

+ 序盤は敵が強く、シビアな戦闘が楽しめる。

+ ボス戦が豊富。

-------------------【悪い点】-------------------

- キャラクターの性能やステージ構成、敵配置等が全体的に調整不足。

- 日本語でプレイ時に、一部文字が潰れる等の細かなバグ。

- ソロプレイ時にはベルトスクロール作品から取り入れたアクション要素をあまり活かせていない。

--------------------【総評】-------------------

手描きのアニメーションこそ素晴らしい出来だが、ゲーム面では各種調整不足が影響し、特徴であるシビアな戦闘やアクションを上手く活かすことができていない。

悪い作品では無いが、『Curse of the Sea Rats』はメトロイドヴァニア系作品としてもアクション作品としても、可もなく不可も無くな仕上がりになっている。

メトロイドヴァニア系作品が好きかキャラクターに惹かれたのならば、プレイしても良いだろう。もちろん、友人と協力プレイで遊ぶのならば、より楽しめる事だろう。

ただし、上記したようにこの手の作品での何か新しい発見は期待しない方が良い。


プレイ動画をアップしているので、本作が気になった方はこちらを参考までにどうぞ。


他にもSteamで発売されている『プラットフォーマー』作品をこちらで:

『ローグライク』作品をこちらで紹介しています:

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