中絶。


こんばんは。

わたしは20歳で今は日本ではない国で大学生をしています。

前月、人工妊娠中絶を行いました。このことは親しい友人にだけ話していて、両親には一切話していません。

同じ思いをしてる人と共有できたらな、そして何より自分の気持ちを整理するためにわたしが経験したこと、経口中絶薬の段階について書きます。

赤ちゃんの父親はわたしと同じ大学に通っている1つ上の人。批判されるのを承知の上で言いますが、浮気でした。

わたしの欲しい言葉をくれる人、優しい人でした。

妊娠が分かったのは今年の夏、いつもは予定日前後に来る生理が1週間遅れただけだったけど、心当たりはあるし何よりこういう時の嫌な予感って当たっちゃうんですよね。

その人の目の前でした検査は陽性。

「どうしたい?」と言われてわたしから出た言葉は「わからない」のひとことでした。

言葉では形容し難い不安と恐怖とほんのちょっぴりの喜びに包まれてただただパニックでした。

相手はほたるのしたいようにしなっていうスタンスでどうしようという話し合いをしても平行線でした。

わたしは産みたい気持ち半分、そして自分の夢を諦められない気持ち半分だということを相手に伝えて、相手の正直な気持ちを聞くことにしました。

そこで相手から出た提案は経口妊娠中絶薬を服用し堕すということでした。

経口妊娠中絶薬とは日本では違法ですがわたしの滞在している国では認可されていて、費用も人工妊娠中絶手術より手頃で安全と言われています。

留学している身で両親に話したくない、バレたくない気持ちからわたしはその手段を選ぶことにしました。

わたしは妊娠7週目で中絶をしたのですがそれまで軽くしかつわりがなくずっと妊娠をしている実感がありませんでした。

そして9月20日、経口中絶薬を摂取しました。この日がわたしの赤ちゃんの命日となります。

摂取から約1時間後、激しい腹痛に襲われ出血が始まりました。わたしは生理痛が重い方でひどい時は立ち上がることすらできないのですが、それよりもさらに酷い腹痛でした。

腹痛が始まりしばらく経ってから腟からドバッと何かが出る感覚がありました。子宮の中のものが出始めたんです。手術よりは安全とはいうものの、手術ある意味残酷かもしれません。自分の中にいた赤ちゃんが出てしまう時に意識があるんですから。

今までに感じたことのない腹痛、感覚、そして不安。これまでの人生で一番恐ろしい時間だったと思います。相手は側にはいてくれました。でもあろうことか一番辛い時、隣で平和そうに寝ていたんです。疲れてるのかなとか色々思いました。いやでも今普通に考えたら本当にわたしのことが心配だったら寝れる状況じゃないんですけどね。

そして痛みと出血のピークは3時間ほどですぎました。

その日は何もできませんでした。ただただ寝るだけ。何も考えたくない、そんな気持ちでした。

次の日からはずっと家にいてもしんどいので外に連れ出してもらいました。体力的には辛いけど少し気分が晴れるようなそんな感じでした。

中絶してから1ヶ月経った今、完全に出血も止まり体調は回復して普通の生活を送っています。

普通の生活といえど子供のことがフラッシュバックのように思い出されしんどい時もあります。まだ毎日のように泣いてます。それでも前に進まないといけない、自分のわがままで命を1つ殺したのだからぐずぐずなんてしてられないという気持ちだけで動いてます。

中絶後、相手の人からの精神的支えは全くと言っていいほどありませんでした。あんなに好きと言ってくれた相手だったので当然寄り添ってくれるものだと思っていました。現実はわたしのことは放置、何度辛いと訴え、話し合っても「君とは付き合えない」の一点張りでした。そういうことは求めてない。どう考えたってこんなことがあった後で貴方との関係を求めるわけがないじゃないですか。ただわたしは少しでもわたしのことを気にかけて欲しかったんです。下手すれば死んでしまうかもしれないことをしたのだから。辛い気持ちをわかって欲しかった。それはわたしと貴方がした愚かな行為の結果なのだから。

相手のことに関してはまた書こうと思います。あまりにも思うことが多すぎます。

ここまで読んでくれてありがとうございます。

自分の愚かさにただただ嫌気が差す日々ですが、何とか生きています。どんな形であれ命を奪うということはあってはいけないことです。しかし、わたしのように中絶という道を選んでしまった母親たちにはたくさんの産んであげられない理由があります。中絶の善悪は置いといて、もしこれを読んだ人の中に同じ経験をされた方がいたら覚えといてください。貴女は一人じゃありません。この世には呆れるほどのクズは沢山います。でもわたしはそれと同じくらい素敵で貴女の事を大切に思ってくれる人がいると信じています。今いなくても必ず現れます。もしこれを読んだ人の周りの人でこんな経験をした人がいたとしたら、貴方がその人を支えれるような人になってあげてください。人は気にかけてもらえるだけで少しずつ救われていきます。

皆さんが昨日より少しでも元気になりますように。

ほたる。

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