まこものニッチな生き方
まこもの彼女から「まこも」について説明を聞いて、私がいちばんびっくりしたのが、この「まこも」の生態だった。
(まこもの彼女については、よかったら以前のまこも一年生の記事をご参照ください)
さて、私が最近、お茶の次に注目していている「まこも」。
きになる理由ベスト2は、「まこも」が環境の中で特異な環境を選択して生きる姿だ。
《感染から始まる恵み》
トウモロコシやイネ科の植物が感染すると黒穂病として流通できない見た目になり、一般的には現代の日本では病害とされている黒穂菌。
しかし、まこものスタンスは違う。
むしろこの「黒穂菌」に感染するからこそ、おいしい「マコモダケ」ができて、付加価値が高まるという特異性があるのだそうだ。
世間では嫌われている菌に喜んで(いるかはわからないけれど)感染し、すくすくと育ち、新しい価値を生み出して人に恵みを与えてくれる「まこも」。
器の大きいことよ。
作物を肥大化させて真っ黒にしてしまう「黒穂菌」は、ある面では嫌われ者、困り者であるのはあるけれど、まこもはその菌の役割を見極めて「悪」とはしなかったんだな。
その菌にかからないような植物に進化するという道は選ばなかった。
そして、ちゃんと「まこも」自身も健やかに青々とした葉を風になびかせている。
そして不思議だったのが、まこもの田んぼに行っても、他の植物は黒くなったりしてないということ。近くに梅の木があったけれど黒くなったり肥大化したりはしていない。他の草も元気。
本当に、植物って賢くて尊敬する。
目に見えないレベルで、絶妙なバランスで各々の役割をわきまえていて、私たちに何かを差し出してくれている。
まこもの生き様から、私はなんだか昨今のことを思った。
ちなみに、トウモロコシが「黒穂菌」に感染するとなかなかパンチの効いた容姿になってくる。一瞬たじろぐ位。
まこもの鶴首が可愛いのが奇跡(笑)
「おばけとうもろこし」とか呼ばれているようで、たしかにトウモロコシ農家さんは、自分の畑で黒穂病に感染したら市場に出せなくなって困ってしまうだろう。
でもこれまた興味深いことに、所変わればメキシコではこの黒穂病にかかったトウモロコシが「ウイトラコチェ」という名前でスーパーに出回っていて普通のトウモロコシより良いお値段で売っているとか。(イチゴテックの宮崎さんのJIBURI.comの記事を参照させていただきました)
うーん。見た目からは確かにトウモロコシは勇気がいるかも(笑)
私もまだまだ若輩者だ。
話がすこしトウモロコシにそれてしまった。
なにはともあれ、マイノリティーで一見嫌われそうな菌を受け入れて、内側で昇華させて、「菌菜」として人の健康に貢献してくれている「まこも」。このニッチな生き方が気になってしまい、まこもを一年を通して観察してみたい!と思ったのだ。
長くなったので、今日はここまで。
もうひとつの環境への働きかけは、水質浄化作用なのだけど、これはまた次回に。。