紅茶がうまく淹れられないシーズン
またこの季節が来た。
365日、毎日紅茶を淹れている人は気づいているかもしれない。
いつものお気に入りの紅茶。
茶葉も淹れ方もポットもカップも同じなのに、最近なんだか風味が変わったかな~。
保存もしっかり湿気や光、熱から守り、茶葉の鮮度も問題なく、空気をたっぷり含んだ新鮮なお水を沸かした。
ポットも温めたし、ジャンピングだっていい感じ。
だがしかし・・・!
あの「あ~いい香り、あ~美味しい~!」の感動が微妙に薄くなってきたあの感覚。
もちろんその日の天候や自分の体調や気分によっても、味覚嗅覚の変化はあるし、単純に好みが変わった可能性もあるし、実際に茶葉の質が劣化してしまった場合もある。
特に梅雨時は、保存状態によっては湿気を吸って、風味が著しく落ちてしまうので要注意でもある。
<紅茶スランプという期間>
ちゃんとした保存方法で保管し、開封して3ヵ月以内なのに、風味が落ちた気がする場合、もしかしたら、「紅茶のスランプ」の時期かもしれない。
スランプ・・・?と私が勝手に名付けた笑。
10年以上飲み続けて、気付いたこと。
6月~8月頃になると、どの茶葉も香りや味がぼけやすいということ。(幅はあるけれど)
本来、紅茶はスリランカに関わらず産地や季節、製法などによって、味わいの違いが生まれ、それがブランディングにもつながっている。(フレーバーティーはまた別かも)
セイロンティーにも、以前記事にも書いたような、7つの産地ごとにキャラクターがあって、季節やシーンによって、また気分や体調によって、飲み分けることも醍醐味の楽しい紅茶のひとつだ。
ほぼ毎日欠かさず飲み続けているセイロンティー、おおよそこの時期でも区別ができてはいるものの、全般的にキャラクターが出にくいなと私は感じる。
「ぼやけるなら、茶葉を増やしたり蒸らし時間を長くすればいいのでは?」というと、そういうものでもなく、逆に渋すぎてしまったり。
初めは、水の問題なのかと思っていた。水道水の浄水でも湧き水でも季節によって多少水質の違いはあるだろう。
この時期は特に浄水器のカートリッジを交換して、なるべくクリアな水を使うように心がけたりもする。
でも、どうやらそれだけの理由ではなさそうだ。
数年疑問に思っていたけれど、その明確な理由は私には正直まだ分からない。
けれど、数年前に手に取った本『紅茶 味わいの「こつ」(柴田書店)』にも同じようなことが書いてあって、やはり紅茶に携わる人の多くは感じていたことだったんだ!と納得して少し安心したことがある。
確かに、今時期は香りが立ちにくいかもしれない。
でも、その茶葉、開封して香りを嗅いでみて乾燥した状態でいい香りがするのなら、あきらめるのはまだ早い。
もしかして秋口になったら、香りや美味しさが戻ってくる可能性があるからだ。
(ただ、開封して乾燥した茶葉自体から、かび臭い香りがしたり、変色していたら、傷んでいる可能性があるので注意。)
<紅茶スランプ時期の楽しみ方>
しかし開封したら劣化しないうちに、なるべく早く使い切りたいのも事実。
では、茶葉そのもののキャラクターが出にくいこの時期でも、美味しく紅茶を楽しむ方法はないのか・・・?
それはまた次回に。