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日々是紅茶㊶「スリランカ人も大好きレモンパフと紅茶」

スリランカのメーカーが作るビスケットのクオリティーにむしろビスケットは日本より美味しいんじゃないか。と密かに思い始めている私。
最近はまってしまったスリランカビスケットと合わせるシリーズ。

今回は「レモンパフ」。

夏はやっぱりレモン風味

レモンは冬頃から収穫される果実。
本来8月下旬の今頃では、まだ小さくて青い果実が出来始めている時期なので完熟でないという意味では旬とは言えない。(青レモンもおいしいけれども)
しかし、ヒマワリと同様、あの目の覚めるようなイエローときゅんとする香り、そして貴重な酸っぱいクエン酸を夏はどうしても欲するものだ。

スリランカのレモンのお菓子といえば

レモンと名前が付くとつい手が伸びてしまうこの頃。
ということで、今回はスリランカのスーパーで買える国民的お菓子、「レモンパフ」と紅茶を合わせてみた。(「きのこの山」とか「たべっこどうぶつ」とかそういう身近さのイメージ)
パフって響きからは意外なお菓子。
シンプルなビスケットでレモンクリームをサンドしたお菓子なのだ。
数年前、初めてスリランカへ行った時にはスーパーでひと通り地元のお菓子に目を通したけれど、あんまり購買意欲が湧かなかった。
多分、「アジア系のお菓子あるあるで、きっとすんごく甘いスナック菓子なんだろうな~」という偏見で手に取らなかったのかも。
(ごめんなさい!)
(当時、日本に住んでいた経験がある現地ガイドさんだったので、日本人の好みに気を遣ってか、甘さ控えめなお菓子をおススメしてくれていた。)

にもかかわらず今回「食べてみよう!」と思ったきっかけになったのが、こちらの記事。
スリランカの人の性格や好みを垣間見るような記事に、一気に興味が湧いた。
どんな味なんだろう?と。


そして実際食べてみて、これまでの思い込みが覆った。
思っていたより素朴な味でレモンの香りもよくて、私このお菓子好きかも!となった(笑)

詳しくは、上記のスパイスアップさんの記事を読んでいただけると、なぜスリランカのスーパーのお菓子たちが面白いのかが分かる。
見た目も中身も量もほぼ同じなのに、どっちがパクリとか言わない。
(もちろん訴えたり多分してない)
敢えてお互いが面白がって被せてきてるのか?!と思えるほど、各々のお菓子メーカーでこぞって似たようなお菓子を作り続けている不思議さよ。
こういうところもスリランカを好きになってしまうポイントなのだ。
特に2大お菓子メーカー「Maliban(マリバン)」と「Munchee(
マンチー)」のラインナップが凄い。
そして、それぞれスリランカ人は、お菓子によってマリバン派とかマンチー派とか好みを持っているらしい。
スパイスアップさんのこちらの記事を見ても、スリランカのお菓子がジャンキーなのかヘルシーなのか分からない微妙なところを付いてくるところが面白いのが分かる。
次回はもっとスリランカのスーパーのお菓子売り場をちゃんと見学しようと心に決めたのだった(笑)


7月に開催された「世界仮想旅行社」さん主催のスリランカオンラインツアー。

この中でローカルマーケットをまわり、再びこの「レモンパフ」の話が出てきたのだ。
現地の方の話を聞いたら、やはり食べ比べしてスリランカ人の気持ちになりたいと思い、ツアー内のオンラインショッピングで両方のメーカーの「レモンパフ」を購入。

スリランカから届いた品々

このオンラインツアーは、セイロンティー専門店「MITSUTEA」さんとスリランカ情報誌「Spice Up」を刊行しているスパイスアップ神谷さんとのコラボ企画だった。
そこで、神谷さんが初の試みでスリランカのお店を周って日本ではなかなか手に入りづらいものを購入し直接日本に届けてくれるというオンラインショッピングがあったのだ。
この後の発送での奮闘ぶりについてもスリランカらしいエピソードをSNSでもシェアされている。
スパイスアップさんの大元のインスタグラムには最新のスリランカ観光情報も分かりやすくレポートされている。

https://www.instagram.com/spiceup_srilanka/

スリランカの郵便事情って大変なんだな~と改めて何とか無事に届いたビスケットをありがたく試食させていただいたのだった。

ビスケットの色味が濃いのがマンチー(左)
手前のザラメが付いていて刻印がはいっているのがマリバン(右)


試食した結果・・・

見た目の違いについては、スパイスアップさんの記事とほぼ同じ、という印象だった。
さらに追加すると、私はマリバンの方が開封したときのレモンの香りも爽やかに感じた。マリバンのレモンクリームには、レモンの皮(ゼスト)の粒が所々に見えて、これもより香りがする秘訣なのかも。
それと、マリバンの方が後味が甘い気がした。

中のクリームの黄色が濃いのがマンチー(左)
薄めなのがマリバン(右)

どちらも美味しいは美味しい。
お土産として輸送を考えると丈夫な「マリバン」。
崩れやすいリスクがあるけれどクラッカーみたいな食感が楽しめるビスケットの「マンチー」。私もマンチーが好みかな~という感想だった。
クリームなら「マリバン」、
ビスケットなら「マンチー」。
やはり食べ比べると分かる面白さがあった。
こうやってスリランカ人は、私は「〇〇」が好き~とか言うのかな?!
次回行ったら、どっち派?って挨拶代わりに聞いてみたい。

現地の人にとっての「セイロンティー」

ちなみに、スリランカ人は、「セイロンティー」に色々産地があることは認識しているものの、「シングルオリジン(特定の産地且つ単一茶園で作られているお茶)」を好みで使い分けするという概念は一部を除いて、一般的にほぼしていないようだった。
スーパーでもお土産用に、「ヌワラエリヤ」とか「キャンディー」とか産地ごとの紅茶商品はあるけれど、現地で飲む時は全部「セイロンティーは美味しい」という前提のもと、ブレンドも含め産地にあまりこだわりはない様子。
私の知っている日本に住むスリランカ人や現地で知り合った人にも聞いてみた。
茶園で働いている関係者でもない限り、スーパーで売られている総称した「セイロンティー」を日頃から誇りをもって、飲用している。
そんな印象を受けた。
これは、元々紅茶産業が輸出産業として始まったことも影響していると思う。
ブレンドも美味しいけれど、産地や製法の違いは、あくまで世界各国のニーズに応えるためのバリエーションなのだろう。
そういった意味でも、世界中の好みを受け入れる位、スリランカは「懐の深い紅茶の国」だ。

左がマンチー右がマリバン
ディンブラの水出しと合わせて

レモンパフに合わせたお茶は

紅茶の日記なのに、紅茶のお供に尺が長くなってしまった。
とにかく、このレモンパフというお菓子は、もちろんセイロンティーともよく合う。
強すぎず軽すぎずで、香りもしっかり立った「ディンブラ」のアイスティーと合わせれば、レモンティーの雰囲気も出る。
前回の記事でも登場したルワンさんセレクトの「サマーセット茶園」のもの。
しつこいようだけれど、もしワンダーリンクスさんのクラファンに参加してこちらをお手元にもっている方は、ぜひ水出しを試してみてほしい。(作ったら傷まないうちに早めに消費するのは水出しの暗黙のルール、管理は自己責任で)

ティーバック1個/お水400~500㏄/冷蔵庫で3時間~12時間

お水を注いだ先からどんどん色素は出てくるが、実際しっかり味が出てくるのは4時間以降。
浸水したままでも渋みは出ないが、味には重みが出てくる。
とは言いつつも、細かい茶葉の割には驚くほどクリアな味と色味のまま抽出できる。

細かいけれどクリームダウンも起きず水出しにも優秀


気候条件等が合えば昔ながらの製法で「LIGHT&BLIGHT」タイプも作るという「サマーセット茶園」だからなのか、濃いけれど濃すぎない。
個人的には、「THICK & COLORLY」タイプよりだけれど、その間を狙って作ったのかなという印象を持った。
何はともあれ、とても美味しい紅茶だ。


この深紅色!
この夏は、ほぼ毎日たっぷりと1ℓで作っていた

もう少し涼しくなったら、温かいセイロンティーとも合わせて楽しみたいお菓子、レモンパフ。
嬉しいおどろきのメイドインスリランカ。
紅茶との相性も良いし、スリランカに行かれる方はお土産のひとつに紅茶とビスケットをどうぞ♪







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