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タイのお守り プラクルアン 基本

HoDaと申します。タイ、バンコクに住居しております。2002年にタイに移って参りましたので在タイは20年を越えました。こちらでは、タイのお守り「プラクルアン」について、色々書きます。

昔と比べますと、インターネットでご覧になったり、現地に足を運ばれ実際に見聞きされ、入手された方が増えた為でしょう。日本でのプラクルアンの知名度は以前に比べますと随分上がっています。しかしながら、やはり初めて知ったという方も多くいらっしゃいますでしょうから、基本的なお話をさせて戴きます。


プラクルアンは買えません


プラクルアンは仏様、僧侶と同等の扱いとなりますので、「売買」という言葉は使わず「貸す·借りる」という表現を用います。現地タイ語では「チャオ」と言います。イタリア語の挨拶ぽいですが、もちろん関係ありません。

ただし「借りる」という表現から「では、いつかお返ししないといけないのでしょうか?」とお思いになる方もおられるかもしれません。日本の寺社仏閣では年が変わりますと、古い物はお返しし、新たに入手する、という事をやりますので、借りたら返す、とお考えの方がおられても不思議ではありません。

「仏様」ですので売買の対象とはせず、お金をお支払いし、半永久的にお借りするという形を取ります。こちらは形式的な事ですので、あまり深くお考えにならずとも良いかと思います。


お店、目利き、好事家、蒐集家の取り扱うプラクルアンを入手する場合


タイにおける仏教寺院では、現在も新しいプラクルアンは発行されておりますので、寺院で入手する場合は「借りる」、タイ語で「チャオ」と言うのは前述の通りです。しかし、私が主に扱うプラクルアンは過去に発行されたお守りとなり、そういう古いお守りは寺院ではお取り扱いが無く、寺院から直接入手する機会は今では非常に少なくなります。ごくごく稀に古いプラクルアンがある場合もありますが、基本的には古いプラクルアンを扱う店舗、好事家、蒐集家の方から入手することとなります。

私だけに留まらず、こういう寺院以外から入手する場合は普通に「売買」と言葉を使う事も間々ありますが、外国人たる私たちは、当地の信仰、文化に敬意を払う上でもチャオと言った方が好ましいでしょう。しかし、プロのおっさんたちに「これこれ。あなた。プラクルアンは仏様なので『売買』と言ってはダメですよ」などど、譬え親切心からの忠告でありましても、鬼の形相で睨まれるかもしれないので、ご注意下さい。

また「プラクルアンの値段をいくらか聞くのは失礼でしょうか?」というご質問を戴いた事もありますが、それは普通にハウ・マッチの意味合いのタイ語「タウライ?(いくら?)」を使っても問題ありません。お寺でも、貸し出しているプラクルアンには値段の書かれていない物もありますので、その際もいくらか聞いても問題ありません。

お店、目利き、好事家、蒐集家の取り扱うプラクルアンを見せていただく際に気を付ける事。作法などについても、いつか書いてみたいと思います。


プラクルアンを保管する場所


プラクルアンは、仏様、お坊様の代わりとなりますので、敬意を払い丁重に取り扱い、ご自宅では足の向かない、極力高い所に安置して下さい。日本の神棚を祀るのと同じ感覚と言えばおわかりいただけるのでは、と思います。

以前、ネットで拝見した事があるのですが、ある方が玄関を入ってすぐの下駄箱…現代日本で下駄を履いてる方はあまりおられないので、靴箱と言う方が良いでしょうか?あるいは姑息に英語を用いてシューズボックス…ボックスではないか?あれ?ちょっとよくわからなくなって来ましたが、とにかく靴を収納するボックス。あの上に安置型の仏像(「プラ・ブーチャー」と言います)やプラクルアンを置いておられるのを見たことがあります。しかし、タイ人目線では、靴は、頭と対照的に「穢れ」「不浄」を暗喩する「」に繋がる物ですので、靴箱の上には置かない方が良いです。タイ人数人に聞きましたが、やはり、靴箱の上に仏様を置くという行為は考えられないという返答でありました。

私の場合、多くは寝室の頭上あたりに安置させて戴いており、そこに収まらないお守りは、クローゼットの頭上収納スペースに安置させて戴いております。

以前、タイ人の親友が新居を誂えた際、最上階にホン・プラ、つまり「仏間」…と日本語で言いますと少し感じが異なりますが、プラ・ブーチャー、プラクルアンを安置する部屋を設けたのですが、それに隣接する手前の部屋に設置されたソファの向き。「これさ、こういう風にソファを置くと、座った時に足が仏様に向くけど…いいの?」と聞きますと「…あんた、嫌な事言うよね」と友人は文句を言っておりましたが、次に訪ねた際には、きちんと向きが反対に変えられていました。ビルドインだったので大変だったと思います。最初から聞いてくれたら良かったのに…。

因みに、その友人宅の仏壇…と言いますと、またイメージが異なりますが、仏像を安置する段々になった棚には、私が手配したプラ・ブーチャーが鎮座されています。
 
プラクルアン、プラ・ブーチャーをお持ちの方から「安置の仕方が合っているか気になります」というご相談も受けた事もあります。先に申し上げたように、基本、「足の向かない方向」で「高い所(可能であれば頭より高い方が良いです)」に安置され、敬意をもって扱われれば仏様もご理解下さるはずです。人によりましては、「方角」を気にするタイの方もいらっしゃいますが、一般の方ほど気になさる傾向にあるように思えます。私自身や私のセンセイは方角については気にしておりません。

 それは…違います


個人売買サイトなどで見た頓珍漢な「作法」としましては、「お酒をお供えする」というのがありました。恐らく「神道」の作法からの転用でしょうか?タイで長年生活し、寺院へも頻繁にお邪魔し、プラクルアンも長年お取り扱いさせて戴いておりますが、仏様に「お酒」「アルコール類」をお供えするのは、つゆも聞いた事がありません…。タイ仏教では飲酒は禁忌です。飲酒の際はプラクルアンを外すべし、という事も聞きますが、実際はプラクルアンを身に着けたまま飲酒される方もおられます…。私は幸運にもお酒を飲めない体質ですので、こちらは心配無用で生活しています。
 
その他、ネット上に掲載されているプラクルアン写真には床に置いて撮影されている物があります。床はよくないです。テーブル、机の上で撮影することをお勧め致します。
 
 


という事で今回はこれぐらいにしておきます。「スキ」や「コメント」、「サポート」などして戴きますと励みになりますので、よろしくお願いいたします。

五体投地の気持ちで御礼。
 



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