日向坂46のメンバーを無謀にも尾崎豊の楽曲とマッチングさせてみた
ちょろいさん、たてしまさんと続いてきた、日向坂46メンバーを1組のアーティストの楽曲とマッチングさせてみるというマニアックで楽しげな企画。
乗ってみたいけど、僕自身、そこまで解像度高く見てきたアーティストも、あまりいないからなあと諦めかけていたときでした。日向坂46時間TVが無事完走されたその3日後、日向坂も出演していた「テレ東ミュージックフェス」という番組の序盤の1コーナーで尾崎豊の『15の夜』が紹介されていました。
若い皆さん、尾崎豊はご存知ですか?『I Love You』『OH MY LITTLE GIRL』『卒業』そして『15の夜』あたりは聞いたこともあるでしょうか?「盗んだバイクで走り出し」たり、「夜の校舎、窓ガラス壊して回った」りしていたアレです。そうかと言えば、「軋むベッドの上で優しさ持ち寄」ったり、「二人黄昏に肩寄せ歩きながら、いつまでもいつまでも離れないと誓」ったりしていた愛と反抗のシンガーソングライターです。26歳で夭折したこともあり、伝説、カリスマなどと形容されることも多いかと思います。
今やこうした音楽番組の特集でたまに思い出すくらいですが、考えてみれば尾崎豊は、僕にとっては中学3年間の思春期ど真ん中に最も聴きまくった、生涯最初の「スター」であったと言って過言ではありません。15の夜?15歳?15歳って言えば・・・りなし?りなしが盗んだバイクで走り出すの・・?
こうして、日向坂46と尾崎豊は奇跡の邂逅を果たしました。しかし、これ、圧倒的に難易度高かったです。尾崎って絶望的に暗いんですよ。社会に反抗してるし、愛は行き詰まり追い詰められているし、その愛の形も基本的に俺とお前の二人きりの世界なのです。尋常じゃなくアイドルとの相性が悪いです。まさにハッピーオーラとは真逆の世界観。
言い訳はこれくらいにして早速やっていきましょう。ちょろいさんオリジナルの"歌ってほしい曲"はもちろん、たてしまさんの"似合う曲"よりも薄味で、"なんとなく当てた曲"くらいの感じでお楽しみください。とはいえ、ただ、りなしに『15の夜』を当てたいだけの出オチ企画ではありません。いくつかガチで味わってほしいマッチングもあります。開き直って最初から目印を付けました。「ガチ」の組み合わせには☆を、「まあまあガチ」には◎を、無印はまあほぼこじつけです。
あまり尾崎豊の曲についてご存じない人も多いでしょう。これを機会にぜひ、おなじみの曲以外にも触れてみていただけると幸いです。
1期生
加藤史帆 『COOKIE』◎
いきなり推しメンの登場ですが、この『COOKIE』という曲も僕の尾崎ベスト3に入ろうかというほど大好きな曲です。尾崎には珍しいポップめの曲調ですが、内容は社会派のメッセージソング。憂うべき世界の有り様と対比するのは、自分の半径1メートルとも言える身近な日常の幸福。THE YELLOW MONKEYの『JAM』と同じ構図とも言えるかもしれません。
僕の好きな曲なので、愛しい人を選びました。
佐々木久美 『永遠の胸』◎
『永遠の胸』は7:46ある超大作です。今回のマッチングの切り口として実は多用しているのが、「このメンバーでこの曲のMVを見てみたい」あるいは「この曲に合わせてこのメンバーにソロダンスを踊ってほしい」というテーマです。『永遠の胸』という壮大な楽曲に合わせて、くみてんのバレエスキルを生かしたソロダンスを見てみたい。
佐々木美玲 『太陽の破片』
メンバーが明るければ明るいほど、ハッピーであればハッピーであるほど、尾崎の楽曲とのマッチングは難しくなります。だって暗いから・・・。ハッピーの化身みーぱんとどの曲を合わせるのか。そこで逆張りです。『太陽の破片』は尾崎が勾留中に歌詞を書き上げたと言われている楽曲です。諸説ありますが、「太陽の破片」とは格子戸から差し込む太陽の光を意味しているとかいないとか。
そんな絶望の淵にあって、一筋の希望たりえるのはみーぱんのような人なのではないかと想像しました。
高瀬愛奈 『虹』
『虹』というタイトルから、ぜひ入れたいと思っていた曲をまなふぃに託しました。尾崎の曲の中でも優しい曲調のこの歌。まなふぃなら呆れた顔をしながら迎えてくれそうです。
高本彩花 『卒業』
まあ、今ならこうなりますよね。7月4日の「ひなた坂46ライブ」で8年間のアイドル活動を終える高本彩花さんに『卒業』を。歌詞やテーマは決してアイドルの卒業とリンクするような内容ではありませんが、どうでしょう?最も有名なこの一節、薄目でじーっと見てたらイッキサンの姿が浮き上がって見えてきませんか?笑
東村芽依 『群衆の中の猫』
タイトルだけで決めました。(いっぺん言うてみたかった)
尾崎の曲の歌詞には「猫」がよく登場します。しかし、曲のタイトルに含まれるのは『群衆の中の猫』だけだと思います。
守っていきましょう、めいめいの笑顔を。
2期生
金村美玖 『シェリー』☆
金村美玖は本当にすごい。自分は不完全な存在だと言いながら、ファンの目には「それも含めて」完璧なアイドルに見えるし、アイドルを超えて愛すべき、尊敬すべき存在だと思わせられる。『シェリー』は尾崎豊の曲の中でも、知っている人にとっての「超A級」のメジャー曲だと思います。尾崎が魂を込めて歌い上げるラスサビは、美玖さんの承認欲求などという軽々しいものとは違う弛むことない向上心、自らの道を突き詰めて歩んでいく生き様に重なる迫力があります。
河田陽菜 『OH MY LITTLE GIRL』◎
『I LOVE YOU』と双璧をなす尾崎豊のメジャーなラブ・ソングである『OH MY LITTLE GIRL』。ドラマの主題歌にも採用され、多くの有名アーティストにもカバーされた名曲です。尾崎のラブ・ソングは多くが「おれ」と「おまえ」のストーリーであるため、『I LOVE YOU』もそうなのですが、今回の企画では非常に難しい。アイドルを当てがたいのです。したがって、この曲からイメージされる存在、雰囲気にあうメンバーを探すことになります。そうなるとやはり、「顔史上最高にかわいい」「毎日かわいい河田陽菜」でおなじみの陽菜ちゃんにお願いするしかないでしょう。
こんなの陽菜ちゃんで再生したら、国一つ平気で吹っ飛びますよ。
小坂菜緒 『I LOVE YOU』◎
言わずと知れた名曲『I LOVE YOU』は、日向坂の大エース・小坂菜緒に託します。あくまでイメージであり、見てみたいMV、ソロダンス枠での選出になります。珠玉のラブ・ソングをバックに美しい小坂さんをただただ見ていたい。
富田鈴花 『Driving All Night』☆
タイトルだけで決めました。(2回目言うてみたかった)
ただ、聞いていただければそれだけじゃないこともわかっていただけるかと。決して少なくない、尾崎豊の疾走感のあるロックンロールサウンド。この『Driving All Night』、すーじーがラジオで、バラエティで、縦横無尽にドライブする感じと重なるものがあります。
丹生明里 『ドーナツ・ショップ』
タイトルだけで決めました(3回目は大概やろ)
丹生ちゃんみたいな天真爛漫、笑顔のキャラクターは本当に難しいんです・・・。そんな中でも『ドーナツ・ショップ』っていうタイトルに丹生ちゃんのエッセンスを感じませんか。感じてください。制服姿の丹生ちゃんが浮かび上がってきませんか。
濱岸ひより 『Scrambling Rock'n'Roll』
今、日向坂にはロックだなと感じるメンバーが2人ほどいまして、その一人がひよたんなんですね。尾崎豊の曲の中にもタイトルに「Rock'n'Roll」とつくものが2曲あるんです。(違ったらごめんなさい)
そのうちの一つ、『Scrambling Rock'n'Roll』をひよたんに。
松田好花 『傷つけた人々へ』☆
最近のこのちゃんの高性能ぶりには感動すら覚えます。美玖さんとはまた違った色で、日向坂46を代表する存在になっていると感じています。そんな中で、ひょっとしたら僕らは以前よりも、このちゃんの涙を見ることが少なくなっているかも知れない。
『傷つけた人々へ』は個人的にとても大好きな曲で、サビのフレーズが軽やかでありながら哀愁を感じさせて非常に心揺さぶられます。そして思い出させられます。松田好花の涙は美しいと。
3期生
上村ひなの 『Monday Morning』
なのちゃんみたいなスーパーアイドルを尾崎の曲に当てはめるのは無理なのです。最後まで残してしまいましたが、かろうじてポップさの香る『Monday Morning』が選ばれた理由は歌詞の中のたった一語にあります。
髙橋未来虹 『僕が僕であるために』☆
ひなた坂46楽曲の初代センターにして、ひなた坂46ライブの初代座長。このポジションに就くのがみくにんでよかったと誰もが思ったことでしょう。背中で語り、パフォーマンスで引っ張る次世代リーダーは先輩からも後輩からも頼られ慕われる存在です。そんなストイックな彼女には、多くの人が知っているであろうこの名曲を。勝ち続けなきゃならない、と歌う『僕が僕であるために』は金村美玖より髙橋未来虹だと考えました。もちろん、実際はそんなことはないのだけど、そう考えることがまた若さであり、伸びしろであると思います。
森本茉莉 『LOVE WAY』
まりぃにはこの『LOVE WAY』を「茉莉式天才安眠法」の素材としてオススメしたい。以上です。かっこいい。マジなんだよ。
山口陽世 『Bow!』
いや、これかっこいいなあ。10代でこれ書ける才能ってなんだよ。そして、なぜこの『Bow!』がぱるなのかと。正直、これをぱるに歌い上げてもらっても嬉しい気はするのですが、歌詞の一部にね、ぱるの好きなアニメを連想させるワードがあるかなってそんな気がしただけです。鉄を喰え!
4期生
石塚瑶季 『十七歳の地図』☆
たまき、大抜擢!怒られますかね。僕最近ね、たまちゃんのことを考えると何もしてないのに涙が出そうになるんですよ。お前すげーな、お前すげーよって。(お前って言ってごめん)
正直なんて言っていいかわからないんだけど、本当に頑張ってくれてありがとう、頑張りを見せてくれてありがとうって気持ちです。たまちゃんの青春キャラは応援したい、いいと思います。尾崎の初期楽曲の中で『15の夜』と並んで代名詞的な位置づけにあるティーンエイジャー曲(なにそれ)が『十七歳の地図』になるわけですが、実際ファーストアルバムのタイトルにもなっています。尾崎豊の最も「青春」な部分が表現されている楽曲ではないでしょうか。石塚瑶季の「ソンナコトナイヨ」で感じた疾走感とガムシャラ感をこの曲に当てはめてみました。
小西夏菜実 『Freeze Moon』◎
小西は2024年、一気に開花しジャンプアップを果たしましたね。その大きなきっかけの一つがセンター曲の『雨が降ったって』だと思うのですが、それまでの小西のパブリック・イメージを覆す曲調に振り切った運営陣の大ファインプレーだと思っています。これによって自身の殻を破り大きな飛躍を遂げたことは間違いないかと。そんな小西に合わせたいのが『Freeze Moon』。やはりアップテンポなロックンロールナンバー。
アメリカンダイナーのウエイトレスに扮したコニーが目に浮かびます。
清水理央 『失くした1/2』☆☆
僕が尾崎をリアルタイムで聴いていた当時、この曲がマイフェイバリット()でした。尾崎豊の曲の中で最も前向きでポジティブな曲がこの『失くした1/2』かもしれません。
御存知の通り、推しメンの清水理央ちゃんですが、今、本当に笑顔が素敵になりました。元々素敵でしたよ。でも、いろいろな苦難を乗り越えて、自分の力と周りを信じる心で前を向く彼女は本当に素晴らしい。この歌詞は彼女にこそ届けたい。
正源司陽子 『きっと忘れない』☆☆☆☆☆
はい、今このタイミングでこの曲を、よーこに当てるためにこの企画をやりきったと言っても過言ではありません。『15の夜』でも『卒業』でも、そして『I LOVE YOU』でもない。これは『きっと忘れない』をよーこに届けたいと思って書いた記事です。知っている人は少ないと思いますが、尾崎豊はこういう曲も歌っているのです。バースデーソングです。僕この曲が本当に好きなんですよね。「ハッピーバースデー!」と歌うとき、僕の中にはこの曲が流れています。
本当は必ずしも正源司陽子に当てたいわけではなくて、日向坂46のメンバー全員に当てたいのです。アイドルになってくれてありがとう、日向坂46になってくれてありがとう、日向坂46としての誕生日おめでとう。そんな気持ちなのですが、それを今はよーこに!いつだって君は大丈夫さ!
竹内希来里 『ハイスクールRock'n'Roll』
2つ目のRock'n'Rollは竹内希来里に。ちょ、は本当にロックンローラーだよねぇ。あーかっけーなー。
平尾帆夏 『はじまりさえ歌えない』
ひらほーも難しかった・・。ひらほーってピアノ弾くじゃないですか。この『はじまりさえ歌えない』も初期の名曲なんですよ!
平岡海月 『誕生』
くみてんに当てた『永遠の胸』の7:46を上回る9:55という長さを誇るこの『誕生』という曲。息子である尾崎裕哉に向けて作った曲とも言われており、それはまさに自身の一大叙事詩ともいえる世界観の楽曲です。この曲を聞いていた当時、僕はイギリスのロックバンド「Queen」も大好きで、名曲『ボヘミアン・ラプソディ』とこの『誕生』を重ねて聴いていたことを覚えています。ということで、みっちゃんにこの曲の歌詞を朗読してほしいなって思ってますね・・・。ぜひ皆さん全編読んでみてください。
藤嶌果歩 『Forget-me-not』◎
のんびり北からかほりん降臨、かわいいですよね。かほりん、本当にかわいいなあ。『Forget-me-not』も多くの人がご存知であろう名曲中の名曲です。尾崎豊の何が凄いって僕はやはりボーカルだと思うんですよね。その意味で、一見、こんな可憐な歌なんですが、尾崎の力強いボーカルがめちゃくちゃ映えるんですよ。心が震えます。日向坂で一番「わすれな草」が似合うメンバー、それがかほりんだと思います。
宮地すみれ 『ダンスホール』◎
すみれさんの表現力はその長い手足を生かした身体性にあると思っています。『ダンスホール』に佇むすみれさん。それだけで絵になります。一人称「あたい」でヤンキーキャラやってくれないかなあ。
山下葉留花 『存在』
山下葉留花という『存在』を僕らは正しく理解できているだろうか。いや、ちょっとできてないですね。
渡辺莉奈 『15の夜』◎
「盗んだバイクで走り出す」りなしが見てみたい。とっさに浮かんだその情景からすべてが始まりました。あながち笑えないですよ。「誰にも縛られたくないと」自由を求めたりなしはまさに「悪りな」。渡辺莉奈は日向坂の未来か、はたまた日向坂の破壊者か(いい意味でね)
一つだけ願うことは、りなしの『15の夜』がいつだって優しさと安心に包まれていますように。
まとめ
以上です。めっちゃ疲れました。でも楽しかった。
尾崎豊の曲、聴いたことがないものも多いと思います。僕も久しぶりに聴きましたが、まったく色褪せない。本当にかっこよかった。アイドル・日向坂46と尾崎豊なんてまったく交わることのない世界線にあるものですが、それでも同じファンがこうしてこじつければ何らかのストーリーが見えてきたりこなかったり。特に☆をつけさせてもらった組み合わせについては、僕個人の思い入れが爆発してはいますが、ぜひ温かい気持ちで聴いてみてもらえるとうれしいです。
それにしても、過去のお二人のときと比べて、音源に非常に苦労しました。いくつか公式のライブ映像やMVがYoutubeに上がっていましたが、ほとんどのものが野良のライブ映像だったりして。手軽に聴いてもらえたくてYoutubeに上がっているものがあればリンクしましたが、全曲にサブスクサービスへのまとめリンクも付けましたので、もし興味がありましたらSpotifyやAppleMusicなどの配信サイトで聴いてみていただければ幸いです。
おしまい!