リサイクル屋巡りパート2

古い物を巡ってリサイクル屋さんを廻っていた時に徐々に気がつきました。一度行った場所からは次がなかなか出ない。関東、東北、中部、ほぼ全てのリサイクル屋さんをまわり尽くした私は気がつきました。その頃は古い物を探していたのでオフィス系のリサイクル屋はあまり通っていませんでした。ある時、オフィス系のリサイクル屋に立ち寄るとあるわあるわ、ハーマンミラーにKNOLLにカッシーナ。当時は興味がなかったのですが、これはお金になるんじゃないかなと。主戦場にしたのが当時埼玉の戸田にあった『ありがとう屋』さん。数年前に最初に行った時に古いものはないなあ、とスルーしたお店です。そこにもう一度足を運んでみて気がつきました。当時は目黒通りが流行っていてハーマンミラーのイームズチェアを誰もが欲しがる時代でした。ありがとう屋さんにはイームズチェアはなかったのですが、なんとなんとイームズがデザインしたアルミナムチェアやソファコンパクトなどが大量にありました。マツダのボンゴがマイカーでしたので、毎日毎日通って満載にして帰りました。それでもどんどん良いものが出てくるので、ある時から運送会社時代にお世話になった会社からトラックを借りて取りに行くようになりました。当時は肘あり椅子は8000円、肘無し椅子は4,000円とわかりやすい価格設定でした。ハーマンミラーのアーロンチェアが大量にあっても1脚8,000円。それを50脚などの単位で購入していました。売るにはヤフオク。これ一択。1週間のオークション期間でおよそ50,000円で落札されるのです。そして1脚購入された方が事務所を開くからと10脚以上購入してくれたり、何せ回転が早い。あっと言う間に月商で400万を超えてきました。

まだカッシーナのマラルンガなどは30,000円で購入できました。ウームチェアやバルセロナチェア。これは大体70~80年代に納められた逸品。それらが大量に出るときもありました。はたまた、オーレバンシャーの名品が大量に出たりしました。海外に買い付けに行ってる目黒通りのお店は羨ましいなあとも思っていましたが、日本にもあるじゃん。とんでもなく安く。がキーワードでありがとう屋さんに週に3回通う日々を過ごしていました。そんな時に僕と同じように通っていたのが目黒通りにあったCOLTのチーム。斉藤社長や衛くん。色々な場所で遭遇しました。売約済みCOLTの札があるとああ、もう店の中を見ても何にもないなあと。
余談ですが恵比寿『トニック』の赤尾さんは印象的でした。なんと僕が売っているヤフオクで出会ったのですが、赤尾さんはリサイクル屋を回らないでヤフオクで仕入れという技を繰り広げていました。おお、なんという発想。

そうなんです。まだその頃はリサイクル屋さんに知識が無く、ハーマンミラーもKNOLLもコクヨも一緒の扱いだったのです。当時はまだインターネットがそこまで普及していないので、スマホもないのでリサイクル屋さんは調べることができないのです。裏のマークを見て、いつも成田が買っていくなあ位のことでした。クノール出たよ!そうですKNOLLです。野球場の椅子でたよ。はい、イームズチェア。そんなお付き合いでした。
ですので、ヤフオクの世界でも『父の会社で使ってた輸入家具』なんてキーワードでイームズのラウンジチェアが出たり、バルセロナチェアが出たり。。。それを赤尾さんは拾っていました。もちろん私も真似をしました。1枚の写真に写っている奥の方にある椅子について問い合わせたりして発掘をしたものです。赤尾さんと石川の老舗ホテルの廃棄情報をヤフオクで手に入れて、僕のワンボックスで駆けつけたりもしました。赤尾さんのお店にはタレントさんやら著名人がなぜか沢山来る不思議なお店でした。

一番の思い出深い1日があります。ありがとう屋さんでカッシーナのフランクロイドライトのダイニングシリーズが出ました。なんとその時僕の知識ではそれが判別できなくスルー。その足で確か群馬のリサイクル屋さんに向かいました。そこで坂倉準三さんの小椅子を初めて手にします。その小椅子は古いリサイクル屋さんの屋根裏みたいなところにありました。初めて目にするヴィンテージの小椅子。ただその頃は坂倉さんの椅子ではなく長大作さんの椅子と思っていました。(後に詳しく坂倉問題は記載します)この小椅子、まだ当時は柳さんほど知名度がないので5万以下でヤフオクで落札されてしまった記憶があります。もちろん1,000円で手に入れたのですが。。さて、記載のフランクロイドライト、ありがとう屋さんで木製品は売れないからなあとタダでも良いよって言われたんですよね。それをスルー。馬鹿ですよね。その後、これがヤフオクに出てセットで100万円超え。。。

苦い思い出、悔しい思い出ももちろんあるのが人生です。この頃、結婚を控えた私は目黒の怪しい物件に心を躍らせるのでした。


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