私のオーディオの趣味趣向と経験と考察について
自己紹介も兼ねて書いておきます。(自分語り苦手です)
初めてのオーディオ
私が初めてオーディオを購入したのは、高3の春でした。
もともと音楽を聴くことが好きで、
高1の時に「高いオーディオの音を聴いてみたい」という、単純な憧れと好奇心からお金を貯めはじめ、
2年の時を経て念願のピュアオーディオ一式を購入。
当時で30万円弱のエントリーモデルでしたが、
オーディオの「音質を追求する楽しさ」を知るには十分でした。
とは言っても、学生の経済力では出来ることも限られていて、
必然的にその情熱は「セッティングの追求」に費やされます。
それは地道な試行錯誤の繰り返しなのですが、
幸いにも、私の性分に合っていたんですね。
オーディオという趣味は「自分の好きな音」を追求するものだと思うのですが、
私の場合は、オーディオの「使いこなし」の面に、面白さや遣り甲斐を感じていきました。
音源の大切さを知る
そんな中、ある作品をきっかけにCDの音質の違いに驚かされ、CDのマスタリングに興味を持ちます。
(当時はネット配信などなく、音楽を聴く手段はCDやラジオしかありませんでした)
それから本や雑誌で知識を得ていくうちに、
いち音楽ファンとして、作品に込められた音の表現を正しく受け取りたい、と思うようになりました。
それは今も変わらない永遠の課題であり、
私のオーディオの理想とも言えるのですが、
この頃から「音源をなるべく正確に再生したい」という一つの目標が生まれます。
とは言っても、当時は「周波数特性をフラットに近づけたほうが良い」程度の知識しかなかったので、
よくスイープ信号を鳴らして、それを頼りに音の自己評価をしていました。
(今は自分の感覚だけを信じるようにしています)
音源のほうは、雑誌に載っている優秀録音CDを参考に買ったり、
海外のマスタリングが良いという理由から、洋楽をよく聴くようにもなりました。
そんな感じで約3年間、初めての趣味を楽しんでいましたが、
上京をきっかけにオーディオ熱は下火になっていきます。
それでも初めて買ったオーディオには愛着があったので、
狭いワンルームの部屋でもずっと使い続けていました。
音の景色が見えた
幾年か経ちアラサーになった頃、訳あって実家に帰ることに。
しばらくニート生活を送っていたのですが、
有り余る時間をこれ幸いと、趣味のオーディオに費やします。
そんなある日、私にとって革命的な出来事が起こります。
音の確認のため、Ted Jensen氏(著名なエンジニア)がマスタリングをしたCDを聴いていたのですが、
ふと、スピーカーが作り出す音が景色のように見える瞬間があったのです。
以前から「音像を見る」ことは出来ていて、
音像定位の良さも音の評価の一つとして重要視はしていましたが、
その「景色を眺めるような視点」では音像の見え方が一変していて、
まるで3D映像を見ているかのような、全く新しい体験に衝撃を受け、
まさに目から鱗が落ちました。
直感的に、これは自分の音の聴き方の問題だと悟ったんですね。
そしてその日から、自己流で音の聴き方を変えるためのトレーニングを始めます。
(その内容は次の記事で)
この時の「気付き」は、いくつかの偶然が重なって生まれた奇跡だと思うのですが、
その中でも、音源の最終調整を担うマスタリングエンジニアは、
「音」を通して新しい世界を見せてくれる、私にとっては偉大な存在なので、
いついかなる時も敬意をもって音楽を聴きたいと思っています。
おっさんになって
その後、就職をしてからは仕事が忙しかったり別の趣味ができたりで、
自室のオーディオは次第に使わなくなっていきます。
一時期など、休日はほぼ外に遊びに出ていたので、
もはや家の中で音楽を聴く習慣自体が無くなっていました。
そんな中、仕事で帰りが遅くなっていたときに、
なんとなくテレビで見始めた深夜アニメに、30を過ぎてハマってしまいます。
(当時は深夜アニメの存在自体知りませんでした…)
それからしばらくして配信でアニメを観ることが増え、
自室のノートPC用に外付けのスピーカーが欲しくなって買ったのが、
JBLのPebblesでした。
ネットの評判だけで気軽に買ったのですが、これが想像以上に良い製品で、
かつてのオーディオ熱が甦ります。
このスピーカーはどういうメカニズムなのか、適当に置いても位相が揃いやすくて、
持論で言うと「ステレオフォニックの恩恵を得やすい」んですね。
それがユーザーの音の評価にも表れていて、
個人的には、ステレオフォニックを学ぶための教材として最適な製品ではないかと思っています。(低価格なのも良いです)
私自身、この製品のおかげで色々と勉強になりましたし、
今現在もネット視聴用に使用しています。
その後、音楽鑑賞用にKRIPTONのKS-3HQM(生産終了済み※)を買いましたが、
音質は格段に良いものの、やはり同じフルレンジでもセッティングはややシビアな感じです。
(たぶんそれが普通なんだと思います)
※現在は後継機の改良版である「KS-33G」がオンライン直販限定で発売中です。
https://www.kripton.jp/fs/kripton/pc_speaker/ks-33g
このスピーカーもデスクトップ(ニアフィールド)での使用に丁度良いサイズで、
オーディオ初心者にも上級者にもオススメしたいです。
経験をもとに考察してみる
まさかアニメがきっかけで、しばらく離れていたオーディオに再び触れることになるとは思っていませんでしたが、
逆にその離れた時間があったことで、初心にかえって(固定観念を捨てて)これまでの経験を振り返り、整理ができたように思います。
また、それらを文章にしようとすると自ずと客観的な思考ができるもので、
何かパズルのピースが嵌っていくような、考察の面白さも感じています。
私があの時に経験して得たものは、
いわゆる「俯瞰」の視点だったのでしょう。
(俯瞰の意味そのままに、トレーニングの最初の頃は「幽体離脱」をするようなイメージで、頭の少し後ろから前方を眺めるような感覚を意識していました)
この件についてはまた別の記事で書きたいと思いますが、
音像を俯瞰で見ることによる副次的な効果として、
「音を客観的に捉える」ことができるようになります。
(つまり人が生来持つ選択的な音の捉え方は、主観的だからこそ選択的になる、とも言えると思います)
そして、音を客観的に聴けるようになると、
より音の違いが分かるようになるんですね。
一般的に聴力(聴覚器官の性能)は加齢とともに衰えるものですが、
これは音の知覚と認知(脳の働き)の向上による効果と考えられます。
つまり、大人になってからでもトレーニングで鍛えることが可能で、
私の経験そのものがまさに一つのエビデンスなんです。
そして今思うこと
少し前まで、コロナ禍で誰しもが命の危険にあるような状況が続いていましたが、
自分ももういつ死んでもおかしくないな〜なんて考えると、
今のうちに何か若い世代のために残しておきたいと思うもので、
謎の使命感に駆られながら、こうして不得手な文章を書いている次第です。
私は運良く、先のような経験を通して、
「音を聴く」ことへの私なりの知見を得ることができましたが、
音の聴き方に関するハウツー本?のようなものって、
ネットの世界を含めてもほとんど無いんじゃないかと思います。
それは言語化の難しさだったり、聴力という個人差がある問題だったり、
そもそも実用的な分野ではないとか、いろいろな要因があるのでしょう。
しかし、近年の音響技術の進歩によって「良い音」が身近なものになってきた今、
私たちコンシューマー側の「聴く力」もレベルアップができる好機にあると思いますし、
もっと議論があっていいはずです。
私自身、不勉強なところが多いので、
もっといろいろな話や違う視点での考察も聞いてみたいんですが、
とりあえずは、引き続き自分のペースで考察を続けていきたいと思っています。
てなわけで、
次の記事では音を見るためのトレーニングの方法を書きます絶対です。
(実は今回の記事で書く予定でしたが、先に俯瞰について触れておきたいと思い、このような内容になりました)
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