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鎖骨骨折

ちょうど1年前、鎖骨を骨折した。

「映画館のポップコーンがどうしても食べたい!」
と思い立って、
部屋着のワンピースのまま、クロスバイクにまたがったのが間違いだったのだ。

裾が引っかかり、おっとっと、と握ったものが前ブレーキ。
体が前にふっとんで、街路樹に鎖骨を強打。

「バギッ」
と音がしたものの、
「木折れちゃったナァ」とのんきにチャリをこいで帰ると肩の様子がおかしい。
そして冷や汗が止まらない。

帰宅した母に、息も絶え絶え「肩が、、、脱臼したかも、、、」と訴えた翌日の朝、母の運転する車の中で悶ている自分がいた。

レントゲンを撮ると脱臼どころか、折れていた。
それもかなり複雑に。
そして、その場でオペが確定したのだ。

翌々日、手術室で「あゝ皆さんさようなら、、、」と悲しみにふける間もなく一瞬で意識が吹きとび、
目がさめた頃にはチタンプレートが肩に埋まった女になっていたのだ。(ちょっとカッコいい)

それからの1年間、職場の人には迷惑をかけたり(誰一人として心配してくれなかった)
初対面の人と打ち解けるネタになったり(誰一人として心配してくれなかった)
親戚の笑いものになったり(誰一人として以下略)
色々あったが、

ついに、昨日、そのチタンちゃんとお別れをしてきたのだ。
取らなくてもいいものらしいが、なんせリュックが背負えない。異物感が半端じゃない。
もはや家族同然のチタンプレート。泣く泣く除去してきたのだ。

これでただの何も埋まってない女になってしまった。

にしても、健康第一、少しずつ普通の女に戻ろうかな。とおもうのである。

1年間、心配してくださったみなさま。そして私の鎖骨を支えてくれたチタンプレート氏。
本当に心から感謝。

もうチャリには乗らないと心に決めた24歳の夏。完

桜子

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