喫茶店にて
私はたぶん、世間一般的な会話が嫌いだ。
「こないだ飲み行ってさー」
「彼氏がさー」
「あいつまじうざくてさー」
わかんないけど、こんな感じ?
自分の意見や価値観ずーーーーっと言ってたり
愚痴られて共感求められたり
恋愛観とかうわべだけの会話とか。
私は人の会話を盗み聞きするのが好きだ。(悪趣味)
盗み聞きしていると、前述したような会話が大半なので、ああまたその話か、となる。(何様?)
私は、ヒトという人に非常に興味があって、
ヒトがどんな会話をしているのか、
顔や服装、年代など色々なことを観察しつつ
聴覚も研ぎ澄ませておく。
(勿論バレないようにね(^_−)−☆)
(非常に悪趣味)
こないだ喫茶店に行った。
隣の席の女が、男と電話していた。
ショートボブで、20代後半くらいか。
服装は別にお洒落でもなんでもなく、
リュックも、言っちゃえば、センスない。(最低)
かなり大音量で電話していたので、
会話が丸聞こえだった。(有難う)
「毛がないほうがいいとか言うけどさ、脱毛にいくらかかるか、男はわかっていってんの?てめえが稼いでんだろ?じゃあてめえが出せよ。毛がない方がいいんだろ?」
「すっぴんで外出るとかまじむりだから。死んでもむりに決まってんじゃん。てめえらは、綺麗な女の方がいいんだろ?それでもメイクすんなとか言うのってバカじゃないの?頭おかしいの?」
「メイクにどんだけ時間かかると思ってんの?コスメにいくらかかると思ってんの?着飾って欲しいなら、せめて金くらい出せば?」
周りにはサラリーマンもいる。
聞こえてるのかなぁ。
聞こえていたら、肩身が狭いだろうなぁ。
いや、それよりも、
電話の向こう側の男は一体
どんな気持ちなのだろうか。
女の私からすれば、
共感できる部分がたくさんあったが、
おお、こんなに言うか。(こいつが)
と思った。(失礼すぎる)
女はこうも言っていた。
「だからって、男に全部金出してほしいって言ってんじゃないの。女は会うために時間かけて準備してやってんだから、男が全部奢るべきだっていう女いるじゃん?それは違うと思うんだよね。お互いが自分の時間を割いているから、そこは平等でいいと思うの。別に男だって準備がゼロってわけじゃないんだから。でも1件目くらいは奢ってもいいと思うけどね。」
ほぉー、そういう価値観の人ね。
「でもさ、あれは意味わかんない。店予約してないパターン。時間も場所も決めて会ってるんだから、店は予約すべきじゃない?え、待つの?時間無駄じゃね?もうそれで減点だね。」
「え?減点式だよ?当たり前じゃん。ああ予約してないんだ、減点ー。金出さないんだ、減点ー。」
なかなか厳しいんだな。
電話越しの男、大丈夫かな。
「わかった?聞いてる?ねぇ、あんたに言ってんだよ?」
「『分かった』じゃねぇよ。なんもわかってねえだろ。分かったってなんだよ分かったって。会話噛み合ってねぇだろ。」
おお、怖えな、この女。
とまあ、私は、ああこういうヒトもいるんだな。
と思う瞬間が、この上なく楽しいのである。