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ベナンにきてびっくりしたお金に関する価値観のはなし

こんばんは、よしみひなこです。今日はベナンにきて最もカルチャーショックを受けたことのひとつである、お金についての価値観の話です。

ベナン流の信用経済(?)

まずベナンでは、政府に目をつけられて銀行口座のお金を勝手に没収されることがよくあります。そしてそもそも銀行自体いつ潰れるか分かりません。

先月わたしたちが銀行で20万円ほど引き出そうとしたときには、その支店の残高が足りず中央銀行に回されました。たった20万円さえ保有できない銀行支店、、たしかにいつ潰れるか分からん。

そうして国や銀行に信用がないので、いまいちそこに預ければ安心!という考えに至らない。そもそも一部を除いて全体的に可処分所得が低いので、貯金や投資にお金が回ることは少ない。

そんな中で、医療費やクリスマス、その他イレギュラーが起こった際(まあ起こらなくても)などに個人間でのお金の貸し借りが発生することは多々あります。特にクリスマスが多いかな。

そこで、お金がないんだから貸さなきゃいいのにと思うのですが、みんな頼まれたら基本的に貸すらしい。なぜかというと、その人も他の人に借りないと困ることが多々あるから。貸すのを断ると「あの人は自分が困っているときに助けてくれなかった」という評判がつき、自分が困ったときに助けてもらいづらくなるらしいです。

うーん、分かるんだけど、お金を貸すのは自分の面倒を自分でみれるようになってからではないかと思ってしまう。けどこれは日本人の感覚なんだろうなぁ。インドのことわざで「人間生きてたら誰かに迷惑かけるんだから、人に迷惑をかけられても許しなさい」みたいなのがあるらしいですが、基本的に日本では「人に迷惑をかけるな」という方針ですよね。

インドの考えの方が生きやすそうだなとも思うし、アフリカで過ごしているとこっちもみんな「俺もお前も迷惑はかけるし許しもする」精神なんだなと思うことが多々ありますが、やっぱり生まれ育った価値観はなかなか抜けないので、そういう感覚に当たると私はちょっと戸惑うというか違和感を覚えてしまう。そしてふと客観的になって、「まあそうだよな、ここはアフリカだもんな」となる。

話がそれましたが、そうやってお金を貸し借りするのはまあまだいいとして。ベナン人って全然お金を返さない!(自分が返されなかったことは今のところ1回しかないけど。貸した分母も1だけど。) いやいや、返さなかったら「あの人は貸したお金を全然返さないよ」という評判がついて借りれなくならないの?と思うのですが、みんな返せないからそれもないらしい。

じゃあ貸した側は黙って何もしないのかというと、流石にそういうわけではなくめちゃくちゃ催促はします。鬼電もするし、家に乗り込んだりもするらしい。ただ「ない袖は振れない」ので、返せないもんは返せない。最終的には貸した側が泣き寝入りとなることが多いとのこと。

ベナンでは基本的に民事訴訟などもなく、こういった問題は個人間で解決するしかない。一方でここでめちゃくちゃ暴れたりしても、自分が借りる立場になったときに困る。そんな絶妙なバランスを保ちながら依存し合って生きている。

こういう中で外国人がいると、ちょっとバランスが崩れるな〜とも思います。頼まれたら貸す一方で借りることはあまりないけれど、生活面での多くの迷惑を許容してもらっている自覚もあるし、うーん、バランス感覚が難しいですね。

日本人としてのお金への感覚

「日本人として」とは言ったけど、まあわたし個人の感覚の話です。一言で言うとベナン人とは真逆。できるだけ貸したくないし借りたくもない。

お金を借りて返さない人には、関係性によって1-2回ぐらいは返してって言うと思うけどそれ以降はたぶん言わない。回数や金額にもよるけど、何も言わずに徐々に距離を置く。そして自分自身も、気を抜くと返し忘れてしまいそうで怖いから、なるべく借りたくない。

そもそも大概において、人間は借りてるお金を軽く考え、貸してるお金を重く捉えるものだと思います。1万円借りたことはすぐ忘れるが、1万円貸したことはなかなか忘れない。飲み会のときの「いま現金ないからあとで払うね」や「今度会ったときに渡す」は(払う側が自分でも他人でも)基本的に信用できないので、すべての人にLINE Payを導入してもらってその場で支払いを完結させたい。もしくは、次回に持ち越してもやもやするぐらいなら潔く奢ればいい。

ちょっと極端ですけどわりとそんなぐらいで生きてます。そして多かれ少なかれ、日本人のスタンダードなんじゃないかと思ったりもしている。

まとめ

日本人は世界一拝金主義だと言われているらしい。一番かどうかは知らんけど、まあちょっと分かるかもしれない。人間的に尊敬できなくても、お金を稼いでいたら「偉い」とか。給料の高い会社が「すごい会社」とか。そういう考えは確かにどことなくあるな〜とは思う。

ベナンの人は、お金にだらしないかもしれないけど、ある意味「お金を最重要視していない」とも言える。生きていくのに必要なお金はもちろん稼がないといけないけど、それよりも大事な「助け合い」とか「人とのつながり」とかを知っている、のかもしれない。まあでも借りたお金は返した方がいいと思うけどね!

そしていつか本当にベナンに信用経済(クレジットカードや株取引、銀行融資など)が到来したときに、それは果たして機能するのか、なかなか興味深いところです。

おわり



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