【DFW空港スケッチブック】空港警察、酔って歯向かう中年白人男性にテーザーガン
今回紹介する動画は先月(2023年4月)SNSに投稿され、撮影者も撮影時期も場所も不明だが、映像内の背景からDFW空港ターミナルEで起きた出来事と思われる。空港内での警察出動は頻発しているが、この動画のようにテーザーガンが使用されるほどの事件は滅多になく、ソーシャルネットユーザーからは驚きの声が上がった。
たった3杯のマルガリータで
どのような経緯があったのか明らかにされていないが、動画内の会話から推測すると、中年の白人男性は酔っぱらっていたため搭乗を拒否されたもよう。さらにその後も「乗せろ!」騒ぎ続けたために空港警察が呼ばれたらしい。
動画で男は、搭乗を待つ間にマルガリータを3杯飲だと自分の周りに立つ3人の警官に向かって言っている。
「ああ、そうだよ。マルガリータを3杯だ。それが何だっていうんだ!何か文句あるのか?」
男はさらに警官に向かって「くそったれ(Fuck You)」と悪態をつき、「聞けよ、聞けってんだよ、俺はこの航空券に2000ドル払ったんだ!」とわめき続けた。
カメラを背にしている警官の声はよく聞き取れないが、「俺を逮捕する理由は一つもないんだよ」と叫ぶ男に「後ろを向きなさい」とアジア系の警官が命令する。それにも従わない男は、ついに2人の男性警官に取り押さえられた。警官が手錠が嵌められないよう男は暴れて床に倒されるが、なかなか大人しくならなかったため、立ち会っていたもう一人の女性警官が腰から黄色いものを取り出し、同僚に離れるよう指示。
ついにテーザーガンが撃たれ、男は力なく床に倒れこんだ。
この動画を見た人々からは、男の態度と警察の判断にさまざまなコメントが寄せられた。
「2000ドル(約25万円)も払ったなら、その便にちゃんと乗れるようにもっとしっかりするべきじゃないかな」
「2000ドルなんて酔っぱらいの口から出た、いい加減な数字だよ」
「マルガリータ3杯も本当じゃないだろう」
「マルガリータ3杯でここまでなるなら、相当な下戸だよ」
「こういうのを未然に防ぐために、空港では、アルコールの提供をやめるべきなんだよ」
「男を拘束する必要はなかったよ。女性警官が取った行為は、後で問題になるんじゃないかな?」
「肌の色が淡い人だから、この程度で済んだんだ」
「確かに、彼は呼吸が出来ている」
と、白人警官に拘束された際に首を長い時間押さえつけられたために死亡したフロイド氏の事件と比べる意見もあった。
「この男も”No Fly リスト”に加わるんだろうな」
『No Flyリスト』とは米連邦政府が運営する、テロリストを含む安全保障上の脅威と見なされる個人を飛行機に乗せないようにするためのリストで、これに名前が載ると、飛行機への搭乗が拒否され、空港の保安検査で追加の検査が求められるほか、飛行機以外の公共交通機関にも乗れない可能性があったり、一部の職種に就くことが不可能になってしまうなど、人生が大きく変わってしまう。
拘束後、この男がどうなったのか。調べたところニュースにもなっておらず、依然不明のままだが、後味の良い状況ではなかっただろう。
コロナ入国規制が無くなった今年のゴールデンウィーク、そして数か月後の夏休みには飛行機で旅をする人も多いだろうが、搭乗前や機内での飲みすぎは、かなりのリスクが伴うことを酒好きは肝に銘じておこう。