21ヶ国で視聴1位!!! 今、世界的に話題になっているブラジル発のネトフリ新作ドラマ ─ 「クリミナルコード:犯罪のDNA」
ポルトガル語での原題は「DNA do Crime」で「犯罪のDNA」の意。作品について知る前は、犯罪者のDNAは遺伝するみたいなことを指しているのかと思っていたが、観進めると「犯罪捜査におけるDNA鑑定」のことを指していると解す。英語でのタイトルは「Criminal Code」。これは一般的には「刑法」の意ということのよう。でも「犯罪者の使う暗号」を指しているのかもしれない。邦題「クリミナルコード:犯罪のDNA」は、英題とポルトガル語の原題を合わせたものだ。
Netflixで、今年11月14日に世界一斉配信されたブラジル発の「クリミナルコード:犯罪のDNA」が、世界的に話題だ。Netflixの発表によると、11月13日〜19日までの一週間で、世界で最も視聴された非英語作品のトップ10で1位を獲得。この期間において、同作品の視聴時間は5080万時間、視聴回数は650万回を記録しているという。
ブラジルで1位であるだけでなく、アルゼンチン、バハマ、ドミニカ共和国、エクアドル、グアドループ、グアテマラ、ホンジュラス、ジャマイカ、マルティニーク、ニカラグア、パナマ、パラグアイ、ペルー、トリニダード・トバゴ、ウルグアイ、ベネズエラ、ケニア、モーリシャス、モロッコ、レユニオン島、ニューカレドニアでも上位を獲得した。
別の資料によると、11月の最も視聴されたランキングで、21ヶ国(ブラジル、アルゼンチン、エクアドル、ドミニカ共和国、ジャマイカ、ベネズエラetc)で第1位にランキングした。(12月1日の記事)
どんな内容のドラマかというと、犯罪捜査ものである。同じくNetflix作品で、コロンビアでの麻薬組織と麻薬取締捜査官達の戦いを実話に基づいて描いた「ナルコス(Narcos)」にハマった人に特にオススメしたい。実際、この短期間での視聴の多さは、Netflixが誇る名作ドラマの1つ「ナルコス」に匹敵しているという。人によっては最初の25分くらい、なかなか乗りづらいかもしれないけれど、そこを越えれば、どんどん引き込まれていく。
「クリミナルコード:犯罪のDNA」も、「ナルコス」と同じく実話に基づいて着想が得られたドラマだ。
総監督のエイトール・ダリア(Heitor Dhalia)は、「このシリーズは、ブラジルの犯罪のもう1つの面、つまり、国境犯罪を描いています。これを描いたフィクションの映像作品は、過去にもほとんどありませんでした。パラグアイで起きた国境を越えた強盗事件を参考にして、本シリーズの始まりのインスピレーションとしました。その事件は、南米という碁盤目の上で、他の組織犯罪にも影響を及ぼし、高度な能力を持つ2つの対立する勢力の争いに展開していきます」と、説明している。
パラグアイで起きた国境を越えた強盗事件… 当時のニュース記事が日本語でもあった。
この事件は、最初は捜査に行き詰まるも、犯人たちの残したDNAを鑑定することで、捜査が進展していった。その他の事件が、どの程度、実際の事件を参考にしているかわからないが、謎解き、アクション(カーアクションや戦闘シーンだけでなく、船やモトバイクのアクションなど、同じ種類のアクションが繰り返されない)、人間模様などがバランス良く配置されている。音楽の面では、ファンキの使い方が絶妙だ。
主な舞台となるのは、ブラジル・パラナ州のフォス・ド・イグアス(Foz do Iguaçu)にある設定で、フォス・ド・イグアスは、アルゼンチンのプエルト・イグアス(Puerto Iguazú)とパラグアイのシウダー・デル・エステ(Ciudad del Este)に隣接している。南米に興味がないと、どこのことかわからないと思うので、地図を用意。フォス・ド・イグアスと、パラグアイのシウダー・デル・エステが頻繁に出てくる。
主人公は、フォス・ド・イグアス警察署の連邦警察官の男女の2人。女性がメイヴ・ジンギングス(Maeve Jinkings)演じる「スエレン(Suellen)」、男性がホムロ・ブラーガ(Rômulo Braga)演じる「ベニシオ(Benício)」。メイヴ・ジンギングスは「O Som ao Redor」への出演、ホムロ・ブラーガは「O Rio do Desejo」への出演で知られている(残念ながら、両作とも日本未公開)。
ベニシオは、同じく連邦警察だった親友を、脱獄事件で失い、復讐を果たそうと心に決めている。その脱獄事件と、国境を越えた強盗事件との関連が徐々に明らかになっていく。
また、産休から復帰したばかりのスエレンは、なし崩し的に、内規破りで知られるベニシオとバディを組むことを余儀なくされる。
第1シーズンとして打ち出された「クリミナルコード:犯罪のDNA」は、全8話で完結。予告編はこちら!
ブラジル発のドラマとして、久々の世界的ヒット作となっている「クリミナルコード:犯罪のDNA」、ぜひ、ご注目を!
※ ブラジルの犯罪捜査ものの映画やドラマを観る時に、知っておかないと混乱するなあと思うのが、ブラジルには警察の種類は3種類あるということです。本作にも3種類全部出てきました。まず、主人公たちは、連邦警察(Polícia Federal)の警察官ですが、連邦警察の警察官は、国家に属して、刑事事件の捜査・分析をします。次に、文民警察(Polícia Civil)の警察官ですが、州に属して、刑事事件の捜査・分析をします。最後に、軍警察 (Polícia Militar)の警察官ですが、治安の維持が主な役割で、パトロールや警備など事件事故が起きないようにするのが主たる仕事です。本作に限らず、警察もの、軍ものの映像作品に、3種類の警察が立場がちょっと違うものとしてよく出てくるので、混乱しないように、3種類あるということを頭の片隅に入れておいてもらえればと思います。
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