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Designship2020 2日目のまとめと感想

こんにちは、コネヒトの鍋野です🕺

今年のオンライン参加のDesignshipになっぴさんと一緒にそれぞれの家から参加をしたので、簡易的な学びのまとめと感想をnoteに書き綴ろうと思います。
当日参加された方も、参加できなかった方も、ぜひ読んでみていただけるとうれしいです。

※ Designshipの公式からグラフィックレコーディングのまとめも出ていたので、もし文章を読むことが大変な方はこちらもぜひ!

デザインを続けるということ 灰色 ハイジ氏

・今まで制作会社、広告代理店でプランナー、UI/UXデザイン、ブランディングなど、様々なご経験をしていた。
・アメリカで働くために移住したとき、学校に通いプロダクトを作ってみたりした。言葉を話すことができなかったので始めはとても苦しんだが、今までの経験を活かして自分自身だからできることがあることに気付いた。
・積み上げたものは無駄にならない、続けてきたことは裏切らない
誰にどんな価値をとどけるかを考えることこそがデザイン

なっぴさんの感想
灰色ハイジさんといえば我々の業界ではすごく有名人で、サンフランシスコで働く大活躍するデザイナーさんというイメージです。
でもそんな凄いと思っていた方が泥臭く悩んでチャレンジを繰り返していた人生の歴史の一端を見て、それを乗り越えたからこその今のハイジさんなんだなあと。
これまで様々な経験やチャレンジをしてきたハイジさんの「スキルがリセットされたように感じても積み上げてきたものは言語は壁も超えてくれる」「デザインを続けてきたことは裏切らない」という言葉の重み、説得力を感じた。
私は美大コンプレックスをこじらせてたときもあったし、なんでもやりたくて、でもなにもかも中途半端で得意がない自分に悩むこともあるけど、いつかそれが活きるときも来るかも、と勇気をもらえるセッションでした。
ハイジさんが凄いのは、「これが自分が興味のあることだな、チャレンジしたいな」と思ったときに行動にうつしていること。めちゃくちゃ怖いと思うのにそれができていることが今のハイジさんを作ってるんだろうな、とも思った。
デザインをコミュニケーションツールになる、というのは最近私もいろんなプロジェクトに関わって感じるので、デザイナーとして大事にしていきたい、前のめりにやっていきたいことだなと感じた。
鍋野の感想
アメリカに住んでいたとき、英語が全くできず、算数の問題を解くために質問文の和訳で夜遅くまで母と電子辞書片手に頑張っていたことを思い出しました‥😇
私は幼い頃、家族に連れられてアメリカに住むという経験をしましたが、今私がハイジさんと同じ立場だったら、やりたいと思った瞬間動けるか、やりたいことを実現するためにやり抜けるかな‥ 絶対怖くなると思うので、実際思い切ってできることから行動にうつされたハイジさんはかっこいい。
ハイジさんの「誰にどんな価値をとどけるかを考えることがデザイン」は本当に共感して、どの職種であっても自然と考えていることだとは思いつつ、改めてデザイナーとして向き合い続けていきたいなと思ったし、デザインの力をコミュニケーションツールとしてみんなに還元することを心がけなければと思いました。

医学生としてデザインに取り組んで見つけた、医療とデザインの接点 大木 將平さん

・医療の正解を求めてアメリカの医療を経験した結果、効率化を行うことで、医師の関係が希薄となってしまうことに気づいた。
・医療の業務負担を減らすために考え「複雑性保存の法則」に行きついた。
・Ubieのプロダクトをデザイナーと一緒につくっていく上で、デザイナーは医療の本を読んだり、医師はfigmaの使い方を覚えて実際プロトタイプを作ったりと、越境をして作ることができた

※ 大木さんが事前公開されていたnoteはこちら

なっぴさんの感想
ママ向け事業をやっているコネヒトのにとって、医療の課題も目を向けるべきことの一つだなあと感じた。
コネヒトの元助産師の営業さんの話を聞いていても思うけど、現場で関わった方たちの原体験からくる課題の話はやはり説得力が違う…。私も越境して、家族に関する現場についてもっと知っていきたい、勉強したいと感じるセッションだった。
このプロダクトが現場で使われることで未来がどう変わるか、動画で流していたんだけど、すごくワクワクした。デザインって、昨日のこんな未来もつくれるよ、って提示する手段になりうるな。昨日のセッションを聞いていても思ったけど、「未来」に目を向けている方が多い。「今」なにを解決するかに目を向けがちなので個人的にとてもハッとした。
鍋野の感想
医療について、知れば知るほど医師の方は人の命と向き合うために自分自身の命を削ってくださっているなと感じていて、今回のコロナの波がきたときも余計に強く思いました。
ママさんたちが毎日子どもの命と向き合っていることを考えると、医療の課題とは切り離せない分野だと思うし、私自身ももっと知る努力をしなければと感じます。
また、大木さんが医師として学ばないといけないことや提供されている環境を、ただ受け止めるだけではなく、違和感を感じて未来のために実際行動にうつしている姿は本当にかっこいいなと思ったし、当たり前のことだけど「未来」は今を生きる私たちが課題から目をそむけず、解決するために動けるかで変わってくるんだと思った。

インクルーシブデザインで "未来の当たり前" をつくる 佐野実生さん

・特別なニーズは状況や多様性により、ひとりひとりにあるもの。
障害者のみではなく自分自身も時代やシーンによって当てはまる可能性がある。(例:字幕は目が見えない人だけではなく、イヤフォン忘れたけど動画を見たいニーズがあったとき、使ったりする)
・みんな向け ではなく、ひとりひとり向け にデザインをする=ユーザーが選べるデザインをつくる、選択肢を増やす
・ひとりひとりにとってうれしいデザインは"未来の当たり前"を作ることにつながる

※ 佐野さんが事前に公開されていたスライドはこちら

なっぴさんの感想
ママリには多様なママがいる、そんなママたち一人ひとりが嬉しいデザインをつくりたいなと改めて感じるセッションだった。今期できたテクノロジー推進チームとコラボレーションして新しいサービス価値を生もうとしてるチームとの取り組みにも繋がりそうだな。
UD字幕もそうだけど、ユニバーサルデザインって誰にとっても便利で役立つものだよね。耳が不自由な人だけじゃなくて、あとで何をいったか見返したい人にとっても便利。そういうデザインができるようにしたい。
鍋野の感想
インクルーシブデザイン という単語を今日初めて聞きましたが、佐野さんのお話を聞いていると、私自身生活しているなかで触れているものがたくさんあるなと感じました。(洗剤のジェルボールとか‥ 楽で逃れられない‥)
字幕を例にあげていらっしゃったのですが、字幕は耳が聞こえない人たちが使うものと思われているかもしれないけれど、私自身も夜寝るときに字幕で動画を見たりすることもあるので、たしかにシーンや状況によって使える選択肢が増えるデザインだなとハッとしました。
ひとりひとりにとって便利になったり、助けになれるようなデザインを私も作ったいきたいです。

デザインの速さ 廣村正彰さん

・デザイン:機能的である、美的である、今までにない発見がある、未来の提案がある、生活に変化がある → "新しい体験"をつくること
・はやいデザイン:
人の動きに対応しやすい、視認性が高く機能的、簡素な言葉で伝える
→ 駅のデザインは、みんな早く乗りたい が頭の大半をしめている。一般書体だと見慣れていて見逃してしまうかもしれないけど、見慣れていないものだと注意が惹かれて、情報をちゃんと見るようになる。
・はやい/ゆっくりデザイン:
利用者の目的に合わせた機能性、その場所の特徴を伝える、機能に感性的な印象も加わる
→ ホテルのサインを影ができるようなデザインにすることによって、ゆっくり時間が流れている様子を表現した。
・ゆっくりデザイン:
共感や愛着が生まれる、場や空間の印象が強く感じる、特徴的な造形
→ 公園におく注意のサインは、ただの注意ではなく、ネコが自転車に乗っているようなイラストを使って、目に止まったときにふふふと微笑みが漏れるようなサインをつくった。

なっぴさんの感想
デザインには速さがある、デザインは時の流れに作用する、という考え方が、個人的には目からウロコだった。
サイン計画の話を聞いていて、ビジュアライズって言葉だよなあと改めて感じる。
昨日の色部さんの話を聞いていても思ったけど、ビジュアルデザイナーさんはコンセプト立案がお上手だなあ。そのためには現地リサーチが大事。その場がどんな場所で何が特徴でどんな人が住んでいるかどんな歴史のある場所か。現地からヒントを得ているんだなと感じたので、これは自分の仕事にも活かせそうだ、と思った。
鍋野の感想
廣村さんがつくるサインのデザインはそれを見る人たちが自然と行動できること、その人たちが生きる時間軸に適していることを前提に設計されていることが今日のお話を聞いているだけでわかりました。
速さに適したデザインとはどういう意味だろうとはじめ感じたのですが、廣村さんがこれまで作ってこられたデザインを見ると、とても納得しました。また、ただサインとしての機能をはたすだけではなく、サインが置かれている空間をよい意味で強調できるような、遊び心のあるサインがたくさんで、写真を見ているだけでもほっこりしました。
ママリのアプリも独特の包み込むような優しい世界観を支えられるようなデザインをしたいと考えているのですが、廣村さんや色部さんのコンセプトを考えるうえでのリサーチ力、私自身も仕事にも活かしていきたいと感じました。

パネルディスカッション概要
地方創生とデザイン 菊地 拓哉さん × 丸山 新さん

菊池さんのお話
・人口が減っていく未来と都心に人口が集中してしまう課題に対して、国としていろんな施策を行っている。
・地方にデザイナーが移住し、働くケースも増えてきたが、なかなか定着をしない課題も浮き上がっている。
丸山さんのお話
・スイスでは仕事の幅を広げつつも自身出身の地方でのお仕事も受けたりしているデザイナーさんがたくさんいらっしゃった。
・もともとお仕事に没頭されていた方が、お子さんとの付き合いをきっかけに働き方を変えた。地方に移住することで時間軸が変わったことで、アウトプットは変わらないけど、時間が変わった。今後日本での働き方も何が必要で必要じゃないのかを考える機会になるかもしれません。
パネルディスカッション
Q:スイスの例で感じることはありますか?
地域にデザイナーが生活をしていて、地域のものではなくグローバルな仕事もできているのはデザイナーは理想的な状況な気がする。日本ではどのように補完することができるのだろう。
Q:コロナで変わったことは?
地域に関する関心は強まった気がする。東京への転入が増え続けていたけれど、どこがコロナきっかけで止まっている。東京にいなくても仕事ができるのでは?という可能性をひとりひとりが感じたきっかけだった気がする。
Q:スイスのデザイナーから影響を受けた部分は?
みんなが意識を持って仕事をしている、社会の一員で社会をよりよくするために、次の世代にバトンを渡すために、足下をみて仕事をしている人が多い。共通しているのは、生まれたところで仕事をしている。また、グローバルに対して意識をしている。(言語ができるとかではなく、国の外に対してメッセージを発信する意識が高かった)

鍋野の感想
人口の現象や都心への人口集中は私自身がこれまでずっと大きな課題に感じてきて、仕事を通して貢献をしたいと思ってきたテーマの1つだったので、国が取り組み始めていることや、他の国のデザイナーの仕事の進め方のお話はとても興味深かったです。
働くことに対してよくも悪くも真面目な意識が強い日本人がコロナをきっかけに強制的にリモートワークに挑戦できるきっかけが与えられたのはとても大きいことだったと思うし、私自身も考えさせられるきっかけになりましたが、新しい働き方を通して自分自身がまた新たに社会に貢献できたかと言われると現状維持ができた程度だなと反省しました‥。
また、世界に対して日本で働くデザイナーとして発信をしていく意識は正直持てていなかったのですが、いろんな文化に触れていくなかで、日本におけるデザインは今まで強かったものにしがみついているような気がして、置いていかれているような実感があったので、当事者として意識していなければと思いました。

デザイナーの僕が40歳からD2C事業を始めた話 佐々木智也さん

・スタートアップにおけるデザインの貢献度の割合は体感値的には少なかった。だからこそデザインでビジネスに貢献できるようになっていきたいという気持ちが強かった。
・デザイン/クリエイティブドリブンな事業とは?
プロダクト/体験/世界観 のデザインが特に重要な領域→D2C
・取り組むプロダクトに対して、「愛をもてるか」はとても大事
→ 愛が不足すると、インサイトの理解が難しくなったり、人に勧めづらくなったり、長く取り組むことが難しくなったりする
・実績のない状態からのスタートだったので、発売前からプロダクトの特色、ストーリーの作り方と発信、ファンの作り方を設計した
・発売後からが勝負!
LTV(顧客生涯価値)>CPA(顧客獲得単価)これを磨いていく必要がある

※ 佐々木さんが事前に公開されていたnoteはこちら

鍋野の感想
実際プロダクトを作っていくプロセスを一からお話で聞くことができる機会はなかなかないと思うので、とても面白かったです。
問題定義→共感を得てファンを作ってから、クラウドファンディングを活用して盛り上げていく手法は見かけますが、成功している例は大体コミュニケーションの設計はもちろん、クリエイティブが魅力的で実際本物を見たことがなくても期待をしてしまう、ワクワクしてしまうものがほとんどな気がしていて、現在の成功は佐々木さんのおっしゃっていたデザインの力は強く働いているんだろうなと感じました。(実際私自身がスキンケアのラインを選ぶとき、成分はもちろん世界観に惹かれて購入するものも多いので‥!)
男性のスキンケアや化粧は今の学生の世代くらいからは日本でも一般化しそうな気配がしている(もうしているのかな‥?)、これからどんどん盛り上がっていきそうですね!
インターネットのサービスも日々新しいサービスが生まれているなかで、私たちが作っているプロダクト独自の強みを活かしつつ、進化していかなければ…!

レンガから考える 中村勇吾さん

・レンガから考える=「単位」から考える
・別の単位から、物事を捉え直す
漠然とした雨のザーッとを具体的な1つ1つの音、いろんなものに当たったものの反響音として捉えることもできるよね。
・インターネットデザインを「単位」から考える場合
1990〜2000:画像やコードを単位として一貫したUIをデザインしようとしていた
2010年代:あらかじめ一貫性が担保されたUIキットを単位として、豊かなユーザー体験をデザインしようとしている
・サービスデザインの遷移
スマートフォンを単位として、常時ネット接続された人間の行動をデザインしようとしていた(例:GoogleMap)
→ 常時ネット接続された人間の行動を単位として新しい社会・環境をデザインしようとしている(例:Ubereats)
・単位化⇄高位化を繰り返していくのがインターネットデザイン、「新しさ」への欲望を原動力にする歴史のなかで、単位がシフトし続けてきた。
「新しさ」の無限階段 / 最終目標があるというよりは、「階段を一段あがること」自体が目的化した世界
・「レンガから考える=単位から考える」単位が変化し続ける中でデザイナーの選択肢とは。
1. 自らがデザインする単位や対象を高次化していく(偉くなる)
2. 自分にフィットしたデザイン単位を深く追求していく(職人としてトガる)
3. 今ある世界を違う角度から見て、見落とされている別の可能性を探す(落穂拾い)

鍋野の感想
なんというか‥ 途中からついていけなくなってきたのが正直な感想なのですが(私の頭のキャパシティの問題、もう1回チケット買って見直そうと思います)、すべては何かの集まりでできている という考え方は、デザインを作るときは意識することはあっても、普段から自分自身含め身の回りにあるものや現象に対して考えることがなかったので、私たちを取り巻く現象すべてが単位化されたものを前提に高位化し、高位化したものが一般的になったらそれ自体が単位となる というお話は目から鱗でした。それを実感できるところまで、現象を引いてみることがなかったです。
また、インターネットは歴史の中で常に新しいことを求められ、それは無限階段を上がっているよう の表現は適切だなと感じと同時に、インターネット事業に携わっている身として、気が遠くなる恐ろしいなと感じる感覚も芽生えました‥。正解はありませんが、自分自身がこれからもここに身を置いて、デザイナーとして存在したいのであれば、それ自体も面白いと捉えて、自分自身がデザインを通してやりたいことを考えていかなければ。
中村さんの作品はどれも理解できるようでできていない気がするけれど、なんだか心惹かれるし面白いものがほとんどで、ずっと見てたいなと思ったのですが、個人的にこれ欲しい!と一番思ったのはデジタルアートを「額縁」に飾る?作品でした。あれを飾って絵になる家に引っ越したい‥。

全体を通して

2日目も参加をして、デザインは、コミュニケーションを前にすすめるツールになりうる、というのが色んなセッションをしていて共通して感じ、社内でプロジェクトの議論を前に進める上でデザイナーとしての役割を積極的に発揮していこうと思いました。私自身はもちろん、みんなでお互いの領域を超えて、よりよいものを作っていきたい。
また、私たちが目で見て、素敵だなと感じるデザインの裏にはリサーチがあり、そこから立案したコンセプトがあるからこそ、設計された通りの感情をアウトプットを見て感じることができるんだと思うと、今後自分自身が作っていくものに関しても活かしていきたいと感じました。

最後に2日間、運営のみなさん本当にお疲れ様でした🙇‍♀️
リモートで参加をさせていただきましたが、リモートならではの工夫や丁寧な仕掛けが散らばっていて、丁寧な仕事だ‥!と感じたし、シンプルに本当に楽しかったです!(そして終わり方、めっちゃ面白かったです)

今年も参加できてよかった、Designship!
デザインを通して明るい未来を描くために、明日からの仕事に存分に活かしていきます💃💃

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