御蔵島の地形と生活のこと💡
御蔵島は坂道や階段が多いことはご存知でしょうか?
島に初めて来られて港やヘリポートから車で移動していると、皆さん口を揃えて、「坂が多いね!」「急な坂だね~」と坂道が気になるようです😌
写真では上手く伝わらないこともあり、集落の真ん中辺りから徒歩5~10分圏内で行ける住宅で標高を見てみました。(地理院地図にて宮本調べ)
ちなみに、御蔵島の桟橋は標高約3m。
私が思う標高が1番低い住宅が約45m。
集落の真ん中に通る十字路(御蔵のスクランブル交差点です笑)は標高約100m。
私が思う標高が1番高い住宅が約150m。
徒歩5~10分程度の範囲でこんなにも高低差があるんです。
私自身、職場から家まで徒歩2分の近さですが、ものすごく息が上がります(笑)
車で坂道を上る時、軽自動車がとっても頑張っているモーター音、聞こえます(笑)
そこで想像してみてほしいのですが、こんな坂道がある屋外で車椅子や歩行器・歩行車は上手く使えるでしょうか?🦽
転倒してしまう恐れがあり、リスクが高い、難しいと感じませんか?
ただ、車椅子などの福祉用具が生活には欠かせない方もいらっしゃいます。
(許可を頂いたため掲載いたします)
こちら、移動は車椅子が必要な方のご自宅の前の写真です。
階段や坂道が多く、ここを上りきらないと道路まで出られません。
車椅子で上ろうと思うと、こんな長いスロープはないし、傾斜も急です。
また、担ごうと思っても1mもない幅では狭く、なかなか難しかったり…
でも、その方は私が来るずっと前から工夫しながら生活されていました。
現在は階段の両端のスロープ部分にタイヤが乗るよう調整し、安全に配慮しながら、複数人の介助で外出されています。
病院で勤務していた頃、私にはこんな知恵はなく、難しい、外には出られないで終わっていたかもしれません。
限られたものを使って工夫しながら生活をする。
離島医療ではとても大事になってくるポイントなのではと、考えさせられました。
もちろんこれが絶対正しいと言いきらず、他にも方法を検討することも大切ですが、実際の現場を皆さんにも知っていただきたいと思い、ご紹介させていただきました。
今回のようなケースは離島だからではなく、地域やその自宅の地形によって、内地でも遭遇することがあるのではないかと思います。
今までこうだったから…と囚われず、様々な視点から、柔軟に物事を考えられるようになりたいと改めて思いました。
御蔵島社会福祉協議会 宮本