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食べる、繋ぐ
強風で吹っ飛ばされそうになりながら帰宅。風、強すぎる。
帝国ホテルの厨房を支えた料理人の本を読む。買ったのはだいぶ前だなのだけれど、途中まで読んで積んでしまっていた。
食べ物の話は、良い。いつどんな時代の話であっても、自分に関係のある話として読むことができるから。とりわけ私は食いしん坊なので、食べ物の話を読むのが大好きである。
それにしても、ムッシュ村上(作者の愛称)のバイタリティには恐れ入る。両親を亡くして飛び込みで働き始めた浅草のコーヒー屋、一流のシェフを目指して飛び込むも最初は冷遇された帝国ホテルの厨房、そして徴兵された第二次世界大戦…。それぞれに全く違う苦労があったろうと思うが、ムッシュ村上はへこたれない。大変な時代を生きたというのに、その語りには自己憐憫の欠片もなく、常に目の前のことに全力投球である。こういう人間が時代を創っていくのだと痛感した。とてもじゃないが真似できない。
冷遇されてもぶん殴られてもへこたれない心と、どんなに疲れてもモリモリ食べられる強い胃袋があれば、人間はどこでも生きていけるのではないかなあと、そんなことを思わされる一冊である。
料理人の本を続けて読みたくなったので、『天皇の料理番』のモデルになった秋山徳蔵の本も購入した。高貴な人たちの生活と私の間には何の接点もないが、食を通じてなら理解できる部分もあるかもしれない。
まあ、でもなんだかんだで料理人の本の中では『キッチン・コンフィデンシャル』が永遠のマイベストです。何度も勧めているから、きっとみんな読んだよね?読んでいない人は読んでください。面白いから。
1件だけ質問に答えます。
喧嘩の終わらせ方について質問させてください。
わたしは元来人に腹を立てることが少なく、腹が立っても時間が経てばすぐおさまってしまうので、あまり人と大きな喧嘩はせずにこれまで生きてきました。
いま、わたしは一歳の子どもを育てているのですが、子育てによる余裕のなさや、意識が家庭にほぼ全集中してしまう状況ゆえか、夫のちょっとした言動にとても腹が立ってしまい、なかなかおさまらないことが増えてきました。 その場で感情的に怒ったりはせず、できるだけ、本当に嫌だと感じることについてだけ、やめてほしいと話すのですが、向こうは大抵反論したり不機嫌になって逆に嫌味を言ってきたりするだけで、謝ったり行動を改善したりはしてくれません。 夫は切り替えが早いのか、喧嘩してもわりとすぐ機嫌がなおるのはいいところなのでしょうが、なんにも解決していなくても、自分の機嫌さえなおればこの話は終わり!と考えているふしがあります。
結果、嫌だなと思った原因も解決せず、怒った夫に言われた文句や嫌味だけがわたしの中にずっしりと溜まり、ただ少しずつ少しずつ夫のことを嫌いになっていくだけのように感じられて、最近とてもつらいのです。
長々とすみません。紺さんは夫婦とても仲良く過ごされているようなので、こんな私に何かアドバイスをいただけないでしょうか。
1歳のお子さんを育てているんですね。さぞかし毎日大変でしょう。子どもが1歳くらいだった頃は”0歳の時より楽になったぜ♩”と思っていましたが、今振り返ってみると完全に気のせいで、まだまだ大変な時期でした。ほんまにお疲れ様です。
アドバイスとしては、夫との関係が占める比率を減らしてください。今のあなたは育児で忙しく、人間関係の大半を夫が占めているのではないでしょうか。1歳の子どもを抱えているとなかなか外出もままなりません。愚痴をいう相手も、雑談をする相手も、子どもに関する相談をする相手も、全部夫になっていませんか?
今の夫は、言わばあなたの期待を一身に背負っている状態です。だからこそ、ちょっとした言動であなたは許せなくなってしまう。
もちろん、子育てを共にするパートナーですから、期待はあって当然です。夫との関係は引き続き、自分の中で特別な位置に置いておいて構いません。
あなたのスマホの中に、しばらく連絡を取っていない友達はいませんか?別に育児の話をしなくても良いんです。愚痴をこぼせなくても、相談ができなくてもいい。気軽に話ができる相手を常に複数人作っておくことです。夫への意識の集中を避けましょう。打ち込める趣味や仕事があれば尚良いですが、それが難しければ、まずは気軽に連絡を取れる相手を作るところから始めてみてはどうでしょうか。
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