里帰り出産、したくないと思っているあなたへ
2022年2月に息子を出産した。
第一子ということもあり、私の実家へ里帰りしての出産だったのだが、そのとき、「里帰りをするかしないか」で激しく葛藤した。いや、正確に言うならば、「したくないけど、した方がいいのかな……?」という気持ちである。
今ならはっきり言える。
「嫌ならしなくていいよ!なんとかなるから!!」
この記事は、私と同じように里帰りしたくなくて悩んでいる方と、当時の私に向けたメッセージである。
(一部、私のメンタルがガタガタだったときの表現があります。)
里帰りをしたくない理由
里帰りをしたくない理由、家庭によって様々だと思う。
旦那さんと離れたくない、ぎりぎりまで仕事をしたい、上の子のお世話がある、などなど……。
わたしの場合は、単純に「家族が苦手なので一緒にいたくない」だった。
いやもう今これを書いていて改めて思うけれど、「一緒にいたくない」ならいなければいいのにね!?
しかし、そのときの私は「でもやっぱり帰った方がいいのかな」と思った。
思ってしまったのである。
里帰りした方がいい理由
サポートしてくれる人がいる
一番の理由は、やはり、「産前産後の体調」の問題である。
2年前は、まだ今ほど男性育休が盛んではなく、夫の会社ではまだ男性は誰も育休を取ったことがない状況だった。
一応夫に育休を取れないか聞くものの
「う~ん。難しいと思う。」
当時はそれで引き下がってしまったのだけれど、今思うと夫、上司にかけあってすらいないよね??もっとなんとかしようとしろよ。(暴言)
1人で家にいるときに陣痛が来たらどうしよう……。産後は全治2ヶ月の怪我と同じくらいって聞くけど、家事ができるのかしら……。
そんな不安から、親(母がちょうどパートを辞めた時期だった)が家にいる、という状況の方が安心なのでは、と感じた。
周りはみんな里帰りしていた
知る限りの友人たちはみな里帰り出産していた。
親孝行かも
両親、特に母親は、孫の誕生を心待ちにしており、お世話をしたくてたまらないようだった。
里帰りということで親を頼って顔を立てるのも、ある意味親孝行なのかも、と考えた。
実際に里帰りしてみてどうだったのか
地獄の日々
これはとても個人的な意見だけれど、とにかく前半は地獄だった。この一言に尽きる。
私は産前1ヶ月半くらいから帰省した。
元々はもう少し後に帰る予定だったが、検診で安静指示を出されてしまい、早めに帰ることにした。
帰ってから、いろいろありすぎたので割愛するけれど、最初にあげたように、そもそも親とは「一緒にいたくない」。
「一緒にいたくない」と思うのは、主に父親で、とにかくこの人は自分の感情のコントロールができず、何か気に入らないことがあると、酒を飲んで母にあたって怒鳴り散らす人だった。
私はヘラヘラと父親の機嫌を取る子どもだった。
私が帰省中、父は、運悪く、史上最も言っていいほど荒れていた。(全く別件で。)
そのとき夫に送ったLINEがこちら。
なぜ実家に帰って私は辛い思いをしているのかとひどく後悔した。
かといって今更産院を変えるわけにもいかず、毎日泣きながら布団に入った。
出産予定日当日
まだまだ陣痛は来ない。
その日もイライラする父親をなだめようとしたのだが、ふとしたことで逆鱗に触れた。
「もう知らん!勝手にしろ!!!」
怒鳴られた。
無視された。
いくら自分がイライラしているからといって、出産予定日の娘にとる態度がそれかと、心底悲しくなった。
そのまま会話することなく、私は検診に向かった。そこで、胎児の体重が小さく、陣痛を待っていられない、手筈が整い次第、誘発分娩を行う、ということで、急遽入院となった。
本来は子どもの体調を心配することなのだろうが、家に帰りたくなかった私にとっては、もはや救いでしかなかった。
産後
その後無事に息子を出産し、退院の日の前日となった。
助産師さんから退院後の心得を聞いているときに、ふと、声に出してしまった。
「家に帰りたくない……」
そこから堰を切ったようにぽろぽろと涙が溢れてきて、止まらなくなった。
人前でこんなに泣いたのは初めてだった。
そして助産師さんにこれまでのことを話した。助産師さんは優しく話を聞いてくれたあと、さっぱりした口調でこう言った。
「早く自宅に帰った方がいいよ!ママの安定が一番大事!」
そして、自宅の自治体の保健師や、連携先の病院に連絡を取り、サポート体制を作ってくれた。
夫にも連絡を取り、本来産後1ヶ月世話になるの予定だった里帰りを、適当な理由を付けて2週間で切り上げることにした。
退院後
退院後の2週間は比較的穏やかに過ごせた。
父も、さすがに孫はかわいいようで、時折あやしたりした。
ただ、あの時のことについての謝罪はない。
私は今も許していない。
良かったこと
母はというと、私がこれまでに見たことがないくらい楽しそうだった。
にこにこしながら孫(息子)の世話を手伝ってくれた。
また、このときは昼夜問わず、1時間、ひどいときは30分おきくらいの授乳で、毎日ふらふらだったので、家事をしてくれる人がいるのは本当に助かった。
この点は良かったことかな、と思う。
自宅に帰ってきて・サポート
無事に自宅に帰ると、早速、地区の担当保健師さんから連絡が来て、いわゆる“ワンオペママ”向けのサポートについて教えてもらった。
産後ケア
産後の身体回復のために、産院や助産院に入院し、子どもの世話を手伝ってもらう。
産前産後ヘルパー
ヘルパーさんに家に来てもらい、家事や日常生活の手伝いをしてもらう。
子育て支援センター
保育園に併設されていることが多く、現役保育士に育児相談をすることができる。
などなど。
結局これらのサービスをフル活用したので、またそのことも記事にしていきたい。
また、私が出産した翌年から、私の市では妊婦対象のタクシーチケットが配られるようになった。陣痛など、緊急時に使用することができる。
もし今里帰りしない出産を選ぶなら
家の近くの産院で検診・出産。
計画無痛分娩にする。
万一早く陣痛が来てしまったら陣痛タクシーを使用。
生んだ産院で産後ケアとして退院日を遅くする。
退院直後は夫に育休を取ってもらう。
夫の育休終了後はヘルパーさんに来てもらう。
という計画にするかな。
これだけ手配すれば、たぶん里帰りしなくても余裕でやっていけると思う。
考えてみれば、里帰り、したくてもできない人はいるわけで、そういう人に向けたサポートは、調べたら結構あった。
なんならその後知ったことだけれど、駐在妻の友人は海外で出産していた。
当然、知り合いなどいない状況である。
なんなら産後は2日で退院だったらしい。(笑)
結局のところ、やろうと思えば、人間なんとでもなるのである。
里帰りしたくないなら
その気持ちを大切にして。
嫌だという気持ちがあるのに、あれこれ理由をつけて里帰りして、手酷い失敗をしたのが当時の私。
年々サポート体制はよくなっているはず。
どんどん使えるもの使って、自分にとってストレスのない出産・育児をしてほしい。
もう一度言うけど、人間、やればなんとでもなるよ!