きょうだい喧嘩・トラブル
1歳~2歳の下の子
3歳~6歳の上の子
この組み合わせでのご質問が圧倒的に多いです
きょうだい喧嘩も発達の理解から(^^)
1歳~2歳の発達のポイントは、自我の芽生えと模倣力の高まりです。
『自我』とは“ジブンデ”“ジブンモ”とかけがえのない自分をつくっていく大切な時期。
“ジブンモ”という意欲の原動力は真似する力です。
歩けるようになり移動が自由になり、見たものすべて触ってみたいし、やってみたい。意欲の根っことなる大切な時期です。
一方3歳からの発達は、大きい小さい、長い短いを比べる力、上と下、くっつく離れるなど物を構造的に捉える力、おままごとなどイメージしたことを自分なりに表現する力‥等。
遊びの中で、試行錯誤しながら“思考”を深めることをどんどん求めていきます。
1~2歳の下の子から見れば、お兄ちゃんお姉ちゃんのやることはすべて魅力的!
3歳~6歳の上の子から見れば、いま、考えながらやっているんだから! 邪魔しないで!とイライラもするわけです。
発達的な視点からみると、どちらも成長の証しなのです。
さて、対応のポイントです。
基本的に優先するのは、上の子の試行錯誤を邪魔しないことです。
試行錯誤し、自分なりに考えて遊ぶ経験が、判断力や行動力の基礎になります。
「お兄ちゃんだから、お姉ちゃんだから貸してあげて!」と大人がしてしまうと、自分をおさえてしまう習慣が強くなります。
1~2歳は行動を止めると癇癪などを起こして面倒なため、下の子に譲ってあげることをすすめるほうがやりやすいように感じますが、育ちを考えると、上の子が優先です。
幼少期のうちは、上の子は、下の子にとって憧れの的としての存在として関係を築いているほうが、下の子は何でも見て学ぶようになるからです。
下の子を止めに入るときのポイントです。
「お兄ちゃん、お姉ちゃんが使っているからダメよ」
といきなり言ってしまうと、“自分第一主義”時代を謳歌している立派なお子さんほど、“邪魔しないで!”と言わんばかりに泣いたりします。
膝に乗せ、「お兄ちゃんが使っているね。楽しそうだよね!やってみたいよね!」気持ちを一旦受け止めます。
このワンクッションが、いきなり「お兄ちゃんでしょ!貸してあげて」と言われる上の子の気持ちもやわらげます。
この先に、下のこと一緒に遊ぶことが出来るのならいいのですが、保育と子育ての大きな違いは、お母さんが家事で忙しい事。
上の子に聞いてみます。
「あの…」
この少しの間がとても有効です。
「お願いしてもいいかな?」
いきなり、こちらの要望を話す前に、相手が話を聞く体制になる『間』をつくります。
「これからママは夕飯の支度なの」
お母さんの都合を伝えます。
「〇ちゃん(下の子)に貸してあげられるものはないかしら?お兄ちゃんのことが大好きみたいで…」
お兄ちゃんのことが大好きみたい。邪魔したいわけではない、大好きだから同じことがしたい。下の子の発達が求めていることを伝えてみます。
「それを貸してあげて」という指示をせずに、「貸してあげられるものはないか?」と上の子に考える余白を与えます。
なぜなら、発達の背景は、試行錯誤したい、考えたいという思考の高まりの要求ですから、今使っているものを貸したくなければ、違うものを引っ張り出してみたり、使っているもの中から妥協したり…上の子なりに考えようとする姿が出てきます。
ちょっと手間暇かかりますが、どちらかが泣いて、ギャーギャー騒ぎ、イライラの感情が湧いてしまうことを考えたら、『先手必勝』です。うまくいかなかったら、やってみたけど〇〇だったと具体的にご質問いただければ、また一緒に考えます(^^)
きょうだい喧嘩対応は、試行錯誤の繰り返しです。
そのうえで、思い切って「当たり前」と割り切ってしまう。
なぜなら、きょうだいだからこそ、とことん自分をぶつけていける。
人間関係を体験する貴重なチャンスであることも頭の片隅においておけるといいです^ ^
(うるさい声は、嫌ですけどね!なくすことをあきらめた時に、気持ち的には楽になります。)
(参照元) https://bit.ly/380qxI6