2歳前後の探索活動期
2歳前後に手をつながない。
1歳半~2歳半に多いご相談です。
発達の背景から理解してみましょう!
ベビーカーを嫌がる。
手をつなぎたがらない。
公園から出ていこうとする。
公園でも一カ所で遊ばず、あちこち行ってしまう。
もうすぐ2歳、2歳になったばかりのお子さんを持つ保護者の方からは、このあたりの質問も多いです。
ズバリ!『探索活動期』です。
1歳半健診では、歩行の確立を確認します。
およそ1歳~1歳半で歩き始めます。
もうすぐ2歳
歩行が安定し、自分で行きたいところに行ける
触ってみたいものに触れるし
見てみたいものを見に行ける
新しい電子レンジを買えば、その機能を使って、試しに色々作ってみたくなる。
心境的には、それと似ているかもしれません。
歩くという機能を獲得したので、歩き回ってみたくて仕方ない。自分の足で、世界を広げていく喜びに満ちている。
何かに縛られたくない(ベビーカー)
人にコントロールされたくない(手をつなぐ)
あちこち、行ってみたい
枠組みなんか超えてやる!
もしかしたら、将来、起業するかもしれない(笑)
そのくらいのエネルギーで生きているのです(笑)
もちろん、慎重なお子さんもいます。
周りをよく見て、お母さんにくっついているようなお子さんもいます。
タイプは色々です。
身体の発達は、ワンステージ上がりました。
思考の発達は、まだ、感覚が優先です。
「車が来るから危ないかな?」とは考えておりません。
受動的(受け身でやらされている状態)
能動的(考えて自発的に動いている状態)
そのどちらでもない『中動的』な段階です。
見えたから、触っちゃう
戸が開いたから、出ていっちゃう
丁度いい段差があるから、登っちゃう
自分で歩けるようになった身体と
中動的な、見たい、聞きたい、触りたい
この発達が重なる2歳前後は、危なっかしくて仕方ない。
ハラハラドキドキの時代ではあります。
この時期に、探索活動を十分に保障された子は、自立心というエネルギーを高めていきます。興味、関心の広がりは、好奇心旺盛な意欲へと結びついていきます。
では、対応です。
手をつないで!そっちに行かないの!は「いやー!」に火をつけ逆効果になります。
【公園の選び方】
固定遊具の少ない、広さのあるところにします。
地域によっては、自由に参拝できるような、神社やお寺などもお勧めです。
ひたすら、歩き回れる広めの公園。
大人は「ただ歩いているだけで楽しいの?」と感じるかもしれませんが…
散るに歩くと書いて『散歩』です。
2歳前後の散歩が、最も漢字の意味にふさわしい姿だと私は思うのです(笑)
【公園から出ていこうとするとき】
そもそも、出ていくのは“想定内”です。
“開いているから出て行っちゃう”
「行かないよ」と止めると
「やだー」に火をつけます。
「どこに行くの?」とそっと声を掛けます。
その際には、後ろからではなく、子どもの視野に入り込んで笑顔で声を掛けます。なぜなら、みえちゃったものに反応してくれるからです。
笑顔なら「やだー」に引火はしません。
【手をつながない】
手をつなぐ意味を、体験を重ねて覚えていく時期です。なので、一定はあきらめも必要です。
車の通りが少ないところなら、手を放して、お子さんのすぐ後ろを歩きます。
お子さんが、何に興味を向けるのか?をリサーチします。
またお子さん自身が、怖いものに出会っていく体験に伴走します。
お子さんの目線なら、散歩中の犬、知らないおじさん。命に関わりのないものならば止めに入らず見守ります。
自転車、自動車がすれ違うようなときは、走路の端に身を止めて、しゃがみこんで、お子さんの視界に入り込みながら、「危ないね」と言葉を添えます。「危ないから、端を歩こうね」そうやって、何回でも伝えます。
「危ないから手をつないで!」というよりは
歌を歌うほうが効果的です。
聞こえちゃうものに反応してくれます。
♪おててつないで 野道をゆけば
みんなかわい ことりになって
歌を歌えば 靴が鳴る
晴れた美空に 靴が鳴る
♪歩こう 歩こう 私は元気
歩くの大好き どんどん行こう
たのしく、手をつなぎたくなるような工夫も有効です。
◆大切なことは、視界に入り込み伝える
◆手をつなぎたくなるように、歌を歌ってみる。
技術的には、シンプルです。
(参照元) https://bit.ly/3kKHs57