見出し画像

幼児期に充実したい『有能感』

3歳前後から、意地悪を言うことが増えます。

例えば…
こっちに来ちゃダメ!
あっちいって!
もう知らない!フン!
パパにはあげない!

集団の中でも、自分より少し下の子や、少し気弱な子に対して、
「○○ちゃんには貸してあげない」
「○○ちゃん変なの~」

人形遊びを一人で楽しみながらも…
2つの人形を両手に持ち、どちらか一方を強い者と想定し、もう片方を弱い者と想定し一方的な攻撃をしてみる。

そういう姿をみてしまうと、
「うちの子は意地悪なのでは?」
「いじめにつながるような芽は、早めに潰さなきゃいけないのでは?」

心配な気持ちになったり、「そういう意地悪しないで、仲良く遊ぶのよ」と教えたくなったりします。

この時期の発達の特徴は…?

3歳児健診では、大きい○と小さい○を比べて、「どっちが大きい?」と言う質問をします。
こっちが大きい。こっちが小さい。
比べる力の確認をします。

比較概念は子どもの心の中に広がっていき、
「どっちが大きい」「どっちが強い」「どっちが速い」「どっちがすごい」周囲の様々な出来事を、比べる感覚が身についていきます。

アンパンマン・戦隊シリーズ・プリキュアなど
『勧善懲悪』
いい者が強くかっこよく、悪い者を懲らしめる。はっきりしたストーリーへと心を寄せていくのもこの時期です。

比較概念の獲得は、強い者や有能な者への憧れを大きくして、心は『有能感』を求めるようになっていきます。人間は本能として『有能感』を求めるのです。

“意地悪”に見える行為の一つ一つを
「自分の方が、力があるんだ」
「自分の方が、すごいんだ」
「自分の方が、強いんだ」
「自分の方が、わかっているんだ」

『有能感』を得るためにやっている。
視点を変えて見つめてみると、なんとも尊く、なんとも愛おしい☺
成長のエネルギーとして見えてきます。

成長のエネルギーを蓄えて行く時代

大人の正義で、成長のエネルギーを止めないで、この時期にたっぷりと『有能感』をため込みましょう!

こっち来ちゃダメ!
あっちいって!
など、家庭の中で強がるときは、差し支えなければ「はい…はい…」
と言って従っておきます。

ちょっと困る状況なら
「少し、いれてもらってもいいでしょうか?」
など、お願いするような形で話しかけるとスムーズです。

子ども自身が「自分の方がちょっとすごいかも☺」と思えるように。

人形遊びなどに、投影している時は、そのまま見守っていて大丈夫です。
一時の姿です。

友達との関わりの中では、
叩く、蹴る等の実質的暴力は、実際に手で止めます。

言葉での意地悪は、
両者対等なら、
“ぶつかり合う相手がいて良かった!”
と互いの姿を見守ります。

どちらかが優勢で、どちらかが劣勢なら、劣勢の方の子に、少しだけ加担します。
「そんなこと言われたら、なんだか嫌な感じがするね~」

劣勢の方の子と「○○だね~」と話して
2対1の数の原理で対等になるようにします。
『有能感』を求める心をひねり潰さないように配慮します。

本当の意味で『有能感』を獲得していく体験を

一方で、本当の意味での『有能感』を獲得する実体験が大事です。

散歩で、
葉っぱや石ころを発見⇒
素敵な物をみつけられる素敵な自分

滑り台、ブランコ、ジャングルジム…⇒
高い所でも平気なかっこいい自分

お相撲遊びや綱引きなど⇒
自分の力を思いっきり放出するすごい自分

買い物の荷物運び、洗濯たたみなどのお手伝い⇒
大人がやるような難しいこともできちゃう自分

この時期に蓄えた『有能感』が、この先、チャレンジする気持ちや、失敗にめげない心、自分の気持ちを表現する勇気などの土台になっていきます。

3歳前後の意地悪な言葉や姿を、少しでもおおらかに見つめていけるきっかけになれば嬉しいです。

私たちはいつでもここで待っています。 何かあったらぜひ頼ってください。 この「しあわせお母さんプロジェクト」の活動を継続するために、 皆さんのご支援をお願いします。