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”急がば回れ”が有効な時もある

子どものいたずらに、手を焼く、イライラする…そんな質問をいただくことがあります。

“子どもはかわいくて、天使みたい”
そんなわけありません(笑)

そして、大人も“神”ではありません(笑)

どちらも人間です。

人間が人間として育つ過程の中で、危ない事、汚い事、嫌なことなどに興味を持つことがあります。
それは天使や神ではないからです。

トイレットペーパーをいたずらする。
布団の上を跳びはねる。
「ばか」とか「キライ」とか人が嫌がることばを使いたがる。
などなど…

大人からみると“いけないこと”をわざとする。
「もーっ!何回言ったらわかるの!」
となるわけです。

『急がば回れ』は一つの方法です。

例えば、むかしのわらべうた遊びの中に

♪ばか かば まぬけ 
へっぽこなす かぼちゃ
すっぱすっぱ みそっぱ
あんたキライ フン!♪

(地域によって、言葉に違いがあります。それも面白いですね。)

というのがあります。普通のコミュニケーションで使うにはなんとも汚い言葉を
面白おかしく 韻を踏みながら歌って遊ぶ

さんざん遊びとして使って充実するから
日常の生活の中では使わなくなる。

ひとつの『急がば回れ』です。

じゃんけんして
勝った方が  ♪あんたばかね
負けたほうが ♪わたしばかよ
みたいなやり取りで楽しむあそび、流行ったことがありませんでしたか?

「ばか」とか「きらい」とか言うことを
「やめさせなきゃ」と力を入れすぎると、空回りする時期があるのです。
「はいはい…」今は言いたいのね。
と放っておくといつの間にか言わなくなっていく時期が来ます。

いたずらも同様です。
1歳児クラスで、トイレットペーパーで遊ぶ子が増えました。
トイレに誰かが行くたびに、ペーパーを引っぱりだす。

「これは、大事だから…」と繰り返し教えても、いたずらは加速する…

思い切って、活動に取り入れ、一人にひとつ
トイレットペーパーを渡して、ひたすらロールを引っ張り、部屋中、トイレットペーパーだらけ。

トイレットペーパーの海になったような保育室の中で、ダイブしたり、ペーパーをかけあったり、あそびにあそんで大満足。
その日以来ぴたっとトイレで遊ばなくなりました。

中途半端に止めるから、
なんだかズルズルと、
“やっちゃだめだけどやりたい”
みたいな状態が続くことがあります。

どうやら子どもは、用意した遊びや遊具よりも、生活に身近なもので遊ぶほうが魅力を感じるようです。

昨年の夏、ポンプ式ハンドソープに興味を示し、いたずらするのでいつも水道周りがビシャビシャ…

洗面器に細かく刻んだ固形石鹸と少量の水とスポンジを入れてスポンジをニギニギ…
ポンプ式ハンドソープの比ではないくらいに大量の泡ができ、それで毎日遊んだら、手洗いもすごく上手になりました。

子どもにとっての遊びは、
物の特質や性質を体で学んでいくための手段なのです。

人との関係性を築く言葉も同じこと。
関係性を学ぶプロセスの中に、汚い言葉、嫌な言葉で遊んでみる経験も大事です。

子どものいたずらに出会ったとき
思い切ってそのことで一緒に遊んでしまう。
満足することで、次に向かう
『急がば回れ』の関りが有効な時もあることを、頭の片隅に置いておくと、
大人のほうが思いがけない楽しさに出会えることもあるのです😊

家庭の中だからこそ、思い切って遊んでみちゃう。
子育てには“遊び心”も大切です。

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