"なんでもいい”は“どうでもいい"
4歳~5歳を豊かに過ごすために
子どもの気持ちを尊重しましょう。
このことはとても大切なのです。
ただ、子どもの今、目の前の欲求に合わせすぎてしまうと、なあなあになってしまい、結果その都度、いちいち、「○○して」と指示を出し続けなくてはならなくなります。
例えば、ご飯の時間なのに、テレビや遊びを切り上げられない。
まあいいか…やりたいと言っているから…
親に対して、命令口調
まるで、王子様?お姫様?というように。
大人を召使いのようにコントロールしようとする。
2~3歳頃は“嫌!”という姿への対応に迷うことも。
“なんでもいい”にならないために、こちらをご覧ください。
4~5歳ごろは
やりたいこと(夢)が膨らみ
やってみよう(挑戦)の連続
自分で自分を発展させていく時代になります。
特徴的な力の充実は
① 自分で自分をコントロールするようになる=○○に合わせて△△する
② 友達と楽しく!
友達と一緒に遊ぶ中で、ルールを守って遊べるようになるのもこの時期です。
③ 大人の仲間入りがしたい!
大人との対等な関係を求めるようになる。
このおおむね3つの特徴を活かす関わりが大切です。
①○○に合わせて△△する
その力を充実するためには、一定の決まりも大切です。
例えば…
6時になったらご飯を食べます。
と決めておく。
仕事の都合で多少前後するようならば、あらかじめ(15分くらい前から)
「時計の長い針が4になったらご飯にします。」と予告する。
5分前に
「もうすぐご飯の時間だから、準備お願いします。」と声をかける。
4~5歳のポイントは、細かく指示を出さないこと。まわりに合わせて自分で考えて行動する余白を残しておく。
「お片付けして!」とか「テレビ消して!」とか指示をしない。
食事の時間に合わせて、食事の準備をする。シンプルにこのことに絞ります。
ご飯の時間になったら、テレビをつけっぱなし、おもちゃを出しっぱなし等もあるかもしれません。
それでもテーブルについたら
「自分で来られたね😊」とその行動を承認する。
その上で、「テレビ消してくれたら嬉しいな😊」とテレビを消すことをサポート。
消したら「ありがとう😊」
消さなかったら「代わりにお母さんが消すね😊」
“テレビを消させよう!”と求めない方がうまくいきます。
大事なポイントは、食事の時間に合わせて、食卓につくという行動をしている状態を習慣にすることです。
「まあいいか…」と大人が合わせてしまうと、○○に合わせて△△するという自分をコントロールする体験そのものの機会を少なくしてしまい、“どうでもいい”こととなってしまいます。
② 友達と楽しく
友達を求めて遊ぶようになる反面、家に帰ってくると“つまんなーい”とゴロゴロしたり…遊び始めてもすぐに飽きてしまったり…
少し前までは、ブロックやままごとなど、好きなことを自分で遊んでいたのに…
自分が!自分で!の時代の2~3歳頃よりも、家での遊びだけを見ていたら、意欲や集中力がなくなってしまったように見えることもあります。
それは、友達や誰かと一緒に遊ぶ楽しさの方が大きくなるからです。
家庭の中でも、トランプやカルタなど、少しルールがあって一緒に楽しむ遊びを展開してみるのもいいですし、
おじいちゃんおばあちゃんとテレビ電話をしたり、はがきのやりとりをしたり、誰かとつながる実感が持てる過ごし方などを工夫するのも一つの方法です。
“つまんなーい”から“どうでもいい”にならないキーワードは、つながる楽しさかもしれません。
つまんないから…テレビやゲーム…と、はまりやすい時期でもあります。
あらかじめ終わりの時間を決めてから始める。これが大事です。
つまんなーいからどうする?その先をお子さん自身が考えていくことも体験として積み重なっていきます。
③ 大人の仲間入りがしたい!
この気持ちが膨らむことで、大人に対して偉そうな口のきき方をする事もあります。
「その言い方何なの?」みたいに潰しにかかると、対等でいたい気持ちは反発するか?もしくは小さくなってしまうか?
せっかく大人の階段を上ろうと歩みを踏み出しているのですから、家の中で役割を持つことが大事です。
例えば、私は4歳の息子の誕生日に“朝のゴミ捨て”という役割を渡しました。
「誕生日おめでとう!4歳からは大人の仲間入りをします。みんなで一緒に暮らしているので、家の中で役割を分担します。」と真面目に話しました(笑)
力があると思っていた息子は、ゴミ捨ての仕事を選びました。
毎日、捨ててくれました。
「今日もよろしくお願いします。」とゴミ袋を渡し、戻ってきたときには「ありがとうございました。」とこえをかけることとセットで。
生意気な態度で大人と対等になったつもりになるのではなく、役割を一つ担い自分の存在価値を具体的に感じることで、自信を延ばしていく。
大事なのは、「よろしくね」「ありがとう」と当たり前にしないコミュニケーションを積み重ねること。
「よろしく」「ありがとう」のコミュニケーション体験こそ、社会に出たとき、自分で新しい家族を築いていくときに、大切になると思いませんか?
生意気なことを言い出したときは、「もっともっと大人と対等な自分でいたい」というサインなのです。
目の前の生意気さを叱り押さえ込んだり、合わせてご機嫌をとって王子様、お姫様にしてしまったりするのではなく、
家族の一員としてお子さんの捉え方を変えてみませんか?
子どもから少年少女へ
4歳~5歳は
子どもから少年・少女に切り替わっていく時代です。
子ども扱いして、あれこれ口出ししたり、機嫌を損ねないように機嫌取りをしたりするよりも、大人の気分になって、ちょっと背伸びするささやかな冒険が子どもの心を伸ばしていきます。
時間に合わせて行動し、どや顔😊
トランプに勝って、どや顔😊
自分の名前で手紙が着いて、どや顔😊
家庭内の役割を果たして、どや顔😊
なんでもいい=どうでもいい生活の中ではどや顔😊は生まれません。
子どもも、親も一緒に成長していくので、はじめからうまくいきませんが、“ちゃんとさせること”を目標にするのではなく、
心の中で
“どや顔😊いただきました~✨”とこちらが笑顔になるような関わりを目標にしてみませんか?