3歳前後の心の動きとその理解
新型コロナウイルスの影響もあり、せっかく慣れていた保育園を長期お休みした。
新年度かなり遅れて、幼稚園が始まる。
今年のそんな特徴から、
「保育園、幼稚園に行きたくない」とのお子さんの声に悩んでいる保護者の方が多いようです。
この年齢の場合の心の動きの理解と、対応についてです。
保育園で、0歳、1歳児のお子さんは、預けられるときに「ママがいい~」と泣きます。
ママと一緒の保育園の玄関まではご機嫌で、保育室の前で預けられるときに「ママがいい」と言います。
その少し先の2歳半~3歳児くらいになると
「保育園行きたくない」
「幼稚園嫌い」というようになります。
この反応の違いは、『記憶』と『見通し』です。
出来事をしっかりと覚えていて、過去の経験をもとに見通しを持つことが出来るようになった。
なので夜寝る前に、
「明日保育園?保育園行きたくない」と言います。
ママがいなくなってしまう保育園が嫌なのです。
余談ですが、日本の保育士配置基準は、2歳児までは子ども6人に対して、保育士1人なのですが、3歳児になると、子ども20人に対して保育士1人。ママの代わりに、寄り添ってもらいにくくなってしまうのです。
2歳児でのもうすぐ3歳のお子さんよりも3歳児の、まだ3歳になったばかりのお子さんのほうが、保育園や幼稚園でのフォロー体制は薄く、慣れるまでのハードルが高いのです。
話はもとに戻ります。
『記憶』と『見通し』の力により
「保育園(幼稚園)に行きたくない」と言っているのですから、
対応は、『記憶』と『見通し』を頼りにしていきます。
「保育園行きたくない~」
「そうだよね。保育園行きたくないよね。おうちがいいよね。」
※気持ちは一旦受け止めます。
「保育園行きたくない~」
「大丈夫。ママは必ず、大好きな○○ちゃんを迎えに行くからね。」
※大丈夫の安心感+見通しです。
別れ際に「ママがいい」ではなく
おうちで「保育園行きたくない」と言えるようになった子は、慣れるのも早いのです。
発達は『記憶力』をフルに使おうとします。
ドアの前で泣き「ママ来る?」「うん、来るよ」
ママが支度をした棚の前で泣き「ママ来る?」「うん来るよ」
保育室の1カ所ずつで泣きながら、どんな遊具があるか見定め、保育士は優しくしてくれるかどうか?見定め、なんとなく安心できそうな保育士のそばで泣くように変わってきます。
不安が強いお子さんには、
「ママはね たくさん遊んで お昼ご飯食べて お昼寝して おやつを食べたら 迎えに来るよ」
そのように『見通しを持つ力』に働きかけます。
少し、不安が強いお子さんには、ご家庭でも同じように、同じ見通しで会話していただくと、
「ママ来る?」の質問が
「おやつ食べたらママ来る?」に変わっていくので、可愛いな~とつくづく思います。
安心できる人が見つかり、好きな遊びが見つかったら「保育園行きたくない」はだんだんとあいさつ程度のものになっていきます。
多くの保育園や幼稚園は、
安心感を抱くこと
好きな遊びを見つけること
目標を持っていると思いますが、
中には、一人一人の心のペースよりも、カリキュラムとして子どもにやらせたいことを、押し込んでいる園もあります。
「保育園行きたくない」が2か月も続くような場合は、その保育園や幼稚園は、お子さんとの相性が悪いのかもしれません。
その場合はまた、ご相談ください。
一緒に考えていきましょう(^^♪
以下の記事は、きよみ園長が以前withnewsに回答した記事です。
併せてお読みください。
(参照元) https://bit.ly/3mBHoVM