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「ごめんね」を言わせる?

子どもたちの成長の過程では、様々な姿が見られます。

友達を叩いたり、物を壊したり…
「ごめんね」を言わない。どうしたら「ごめんね」というようになるのか?

“思いやりの心”を育みたいからこその親心。ついつい気持ちが急くものです。

☆究極の選択をしてみましょう☆

① 「ごめんね」とは言うけれど、心がこもっていない。
② 「ごめんね」とは言わないけれど、“いけないことしたな…”と心でしっかり感じている。

もちろん、心でしっかり感じて、「ごめんね」が言えればベストですが😊

言葉を獲得するには、順序があります。

① 名詞
② 動詞
③ 形容詞

その先に様々な語彙が広がります。

子どもは、
“わんわん”など(名詞) 1語文
“わんわん いた”(名詞+動詞)2語文
まずは、目に見えるものから言葉を獲得し理解していきます。

その先に、
“わんわん いた おおきい”のように形容詞によって、表現の幅を広げ、
“大きい犬がいるね”のように、文法的に整った話し方になっていきます。

では
「ごめんね」とは?何詞でしょう。

ごめん・なさい・ね
が略されて「ごめんね」

御免=『免』(まぬかれる)に丁寧な『御』をつけ、“許し”という意味の名詞に置き換えられた言葉。

名詞ではあるが、目には見えない。

さらに
「ごめんなさい」となると
「ごめん(名詞)」+「なさる(動詞)」の命令形

意味は、「ゆるしなさい」「お許しなさい」なのです。
それをさらに略して「ごめんね」

簡単なようで、子どもにとっては、そもそも、意味が分かりにくい言葉なのです。

人の痛みを感じることができるから

言葉は、心の動きと共に獲得していきます。
心の動きなく覚える言葉は、上っ面の言語となるわけです。

どうしても許してほしいという気持ちになって初めて、本当の意味での「ごめんなさい」(どうかゆるしてください)という言葉になるのです。
ですから、

壊してしまったものをしっかり見る。
叩かれて痛い、相手の気持ちを子ども自身が感じていけるようにする。
「あーいけなかったな…」と心が動かなければ、まったく意味がないのです。

物の名前や人の動き等とは違い、
“目に見えるもの”ではない言葉は、獲得していくにも時間がかかります。

まずは、人の痛みを感じる心を育てます。
順序は、「人」の前に「自分」です。

子ども自身が転んだり、ぶつけたりしたときに「あー、痛かったね」
子どもが「痛い」と感じているときに、「痛い」という言葉を繰り返します。

痛くて不安定な気持ちの時に、「痛かったね」と優しく包まれる安心感により、安心と痛さのコントラストがはっきりして、痛みがが和らぐ心地よさを感じます。

これが“人の痛みがわかる”心の土台です。

目には見えない「痛い」「怖い」「悲しい」という気持ちを、心の動きと重なりながら、言葉で認識したその先に、人の「痛い」「怖い」「悲しい」という気持ちを感じ取れるようになります。

自分が、当事者ではない出来事の中から、他者の気持ちの理解は始まります。
いわゆる“客観視”できる状況のほうがわかりやすいのです。

夫婦喧嘩だって、自分のことは冷静になりにくい。友達の話を聞くほうが、冷静でいられるでしょう。子どもも人間なので同じです(笑)

当事者の場合は、気持ちの整理をつけるまでに、時間が必要です。

気持ちの整理をつけながら、相手の「痛い気持ち」を冷静に見つめて、
「あー悪いことをしたな…」と振り返る

さらに、「許してもらって仲直りしたい」という心が動いた先に、
「その心をどのように伝えたらいいかわからない」という心がもう一歩揺れ動く。

そこで初めて
「そういう時は“ごめんね”というんだよ」というアドバイスが心に届いていくのです。

「ごめんね」を獲得するには、とてもとても長い道のりが必要なのです。

そこを大事にせずに、
「ごめんなさいって言いなさい」という関わり方をしてしまう。

“「ゆるしなさい」と相手に言いなさい”
という“命令することを指示・命令している”状態になってしまうわけです。

今後、人生を歩むうえで言葉はとても大切です。心のこもった言葉をつかえるようになってほしいと願うなら、心の動きに、一つ一つの言葉の意味が重なり合っていくのを丁寧に待つ。

“急がば回れ”
上っ面なコミュニケーションではない言葉を、子どもたちに届けていきたいですね!

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