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彼女がカバーを超える時/Halu Hinata Birthday Live 2024 ゆるいヲタクによる雑なライブの記録と感想

2024年1月20日(土)にビルボード横浜にて開催された、日向ハルさんのバースデーライブに両部お邪魔してきました。
こちらはゆるいヲタクによるあんまり精密じゃない主観と勝手解釈満載のライブレポートです。内容としましてはフィロソフィーのダンスを聞いたことがある方の方が読みやすいかと思います。
とにかく長いです。5,000字目前の勢いの長い駄文、筆者に人に面白く読ませる技巧はないので、ただただつらつらと書かれています。暇つぶしにもならんと思います。気が向いた方だけどうぞ。


書き手はこんな者です

『フィロソフィーのダンス』というアイドルグループを2017年9月ごろより見はじめてちょこちょこライブに行っている者です。
普段は旅行ついでに行ける場所へ遠征したり、オンラインのサイン会等に参加したりとほぼ在宅。時折ツアー全通とか地方公演買い増しして車で回りまくるスイッチが入ります。Spotifyユーザーなので本記事の楽曲リンク先は基本Spotifyです。
箱推しの日向ハルさん(以下ハルちゃん)に重心を置いて応援しているつもり、2019年から生誕ライブは毎年お伺いしています。

ハルちゃんのバースデーライブってそもそもどんな感じ?

『アイドル界屈指の歌唱力』等と評され、歌うまとして様々な番組にも登場しているハルちゃんのバースデーイベントは、ここ数年特にとにかく歌を存分に歌いまくり聞かせまくることに特化したライブイベントです。
ご本人曰く『今年9回目』とのことですが、2019年のキネマ倶楽部での開催以降、コロナ禍によりオンラインでの開催もありましたが、企画で魅せるというよりもガチ目にしっかり歌を聞かせる構成や場所での開催が続いています。ゲストもとにかく豪華です。昨年は土岐麻子さんがお越しになられてました。
毎年お客さんもハルちゃん推しの方だけでなく、箱推しの方も「ハルちゃんの歌を聴きたい!」と多く足を運ばれているようにお見受け。もちろんハルちゃん個人の歌を聴きたい!という方もいらっしゃいます。
個人的にフィロのスの年始の恒例イベントだなと思っています。

今年のライブはこんな感じでした

セットリストと衣装

毎年カバー曲やグループの曲を織り交ぜておられますが今年はこちらでした。ハルちゃんご自身によるセトリ画像も必見です。マメだなあ。(多分元ポストに飛ばないとみられない感じなのでタップなりクリックしてXで見てみてください)
なお、一部・二部と分かれていましたが、曲目は同じです。

ちなみに衣装はチェンジされていて、一部は黒のロングドレス、二部は赤のレースのロングドレスをおめしになってました。
二部は美空ひばりさんの衣装みたいで特典会で『美空ひばりっぽくやって』という敬称つけ忘れる勢いしかない雑なお願いをしてしまいました。ともかく本当に素敵でした…!
ハルちゃんご自身による写真もどうぞ!(多分元ポストに飛ばないとみられない感じなので以下略

ハルちゃんはツアーやイベント予定等を時折画像にまとめてポストしてくださったりします。
普段はお酒飲みたいとかバチバチ言うてるけど、その実とにかくマメな方です。インディーズの頃は特にハルちゃんのイベントやライブ出演まとめのポストに助けられていた記憶。

Xが見られないとかいちいち見に行くのだるいわって方向けにセトリです⇩

  1. 飾りじゃないのよ涙は/中森明菜

  2. ニュー・アタラクシア/フィロソフィーのダンス

  3. どこまでも ~How Far I'll Go~/モアナ『モアナと伝説の海』より

  4. ウン・ポコ・ロコ/石橋陽彩 (ミゲル),、藤木直人 (ヘクター) 『リメンバー・ミー』より

  5. 落日/東京事変

  6. サンバーント・ロマンス/フィロソフィーのダンス ★

  7. …恋に落ちたら/Penthouse ★

  8. 未来予想図Ⅱ/DREAMS COME TRUE

  9. Don't Stop Believin' (Glee Cast Version)

  10. 田園/玉置浩二

  11. ダンス・オア・ダンス/フィロソフィーのダンス
    〜アンコール〜

  12. 作り笑いをさせないで/フィロソフィーのダンス

★はPenthouse 大島真帆さんをゲストに迎えての歌唱でした。12曲目はアンコールです。
なお、完全に自分の趣味と実用のため、今回のセトリのプレイリストを作りました。一気に聴きたい方はどうぞ。

感想

『こんなことをしてみたいと思ってるよ!』『今こんなことができます!』発表会

毎年今年やってみたいこと、挑戦したいジャンルも交えて選曲されている感じがありますが、今年は特にそれを感じました。

全部英語歌詞の楽曲もカバーされていましたが、どメジャー曲で原曲やグリーでのカバーを思い出しつつ、『ハルちゃんはそう歌われるんだね!』と楽しませてもらえる仕上がりになっていて、シンガーとしての幅の広さや深まりを直球でぶつけてもらった感じがしています。
お歌が上手い方は耳がいい方多いですが、耳がいい方は発音も綺麗なんだなあ、としみじみ。英語での歌唱、もっと聴いてみたいです。
ミュージカル映画の楽曲については歌詞に合わせてくるくる表情と声が、歌詞や曲そのものの世界観と相まって没入感がすごかったです。
ミュージカルやってるところぜひ観たい!

ゲストとのセッションがとにかく豪華で楽しい

なお、今回はPenthouseの大島真帆さんがゲストでお越しくださったのですが、大島さんのパワフルでソウルフルな歌声とハルちゃんの歌声のセッション、掛け合いがものすごく力強く、かつ柔らかい感じで無茶苦茶聞き応えがありました。
ライブをきっかけにPenthouseさんの楽曲も聴き始めましたけども、とっても素敵。
個人的には素敵な歌い手さんや楽曲との新たな出会いがあるのもバースデーライブの楽しみです。

カバー曲へのハルちゃんの解像度の高さ

全曲、ハルちゃん自身がその歌について、感じたり考えたりしたことをギュッとこめて歌われてるように思いました。感じたり考えたりされた内容の幅と深さがでっかいなーという印象も勝手に感じていました。
上辺を撫でて綺麗に歌い上げるというのではなく、いい感じにごちゃごちゃどろどろしてるところがチラ見えする、人間臭い感じの歌だったなと思います。

個人的には『飾りじゃないのよ涙は』『田園』『落日』で「あ、ハルちゃん、泥臭かったり仄暗かった生々しい感じがする歌、なんかしっくりくる」と感じていました。
以前もバースデーライブにて人生の応援歌的な楽曲を歌われていたのですが(比較的歌詞も曲調も明るめの感じの曲です)、今年のカバーのうち人生を歌う系の曲のこれらは、割とガチ目に暗かったりどことなく仄暗さ感じる曲でした(それ故に長年幅広い愛されているところもあろうかと思います、個人的には全曲大好きです)。
もちろん歌自体は本当に上手い&素敵なのですが、込められた情念というか、想いのデカさも感じられて圧が強かったです。

リクエストを受けてのチョイスというのは話されておられましたが、おそらく華やかで明るい曲も多くリクエストあっただろう中、敢えてのこちらの曲を選択されたというところに、歌い手としてのステージの変化を勝手に感じてきました。
ハルちゃんが歌いたい歌、選ばれる歌に今のハルちゃんご自身がすごくフィットしていたんじゃないかなーという印象です。

個人的には田園、リリース当時からずっと好きで折に触れては聴いているので、歌っていただけて本当に嬉しかったです。
こちらの曲はフィロソフィーのダンスのメンバー、佐藤まりあさんからのリクエストとのこと。あんぬちゃん、素敵なリクエストをありがとうー!

聴き手の想像力を掻き立てる『余白のある歌』

今回お聴きしてこれまでと決定的に違うのではと個人的に思ったのが『余白』の広がりを感じたことです。

今年は特に、聴き手の記憶や経験や、その時その瞬間の生の歌を聞いていると湧いてくる様々な思いを添えて聴くことができる、聴き手の想像や気持ちを受け止めてくれる余白がある歌声だなと感じました。
頑張りすぎて力みがあるわけではなく『聴くことそのものに集中してくれ!応援してくれ!!』みたいな俺が俺が的な圧もなく、聴き手のいろいろな気持ちや記憶を優しく、かつ力強く引っ張り出してくれる感じです。
その歌の歌詞やメロディ、ハルちゃんのその時のお気持ちや歌声と自分の様々な気持ちが混ざり合って、目はハルちゃんに釘付けなんだけど脳裏には違う光景が流れる…という感覚。

今までも同じような感覚を感じることはありましたが、今年はより鮮明に感じられて、ハルちゃんすごい歌い手さんになっておられるな、今後どうなるのかしら、と本当に嬉しくなりました。
これが『世界観がすごい』ってやつなんですかね、曲毎にガラッと雰囲気が変わり、脳裏に流れる景色が変わるひととき、本当に素晴らしかったです。走馬灯ってあんな感じなんでしょうかね。見たことないけど。

そんなこんなでハルちゃんの歌声を聴いて様々な気持ちや記憶を思い起こしてしんみりしたり心温かくなったライブの夜、先般ご逝去された八代亜紀さんのエピソードで『歌に自分の思いを込めすぎない』という話を思い出しました。

夜に思い出してこの辺りの記事を読み返し、なるほどなあ、聴き手が自由に思い巡らせられるにはスキというか余白があった方がよいし、歌い手の方の腕ひとつなのね…と思った次第。
個人的には歌い手としてステージが変わられたのではないかしら、と思った1番のところがここでした。

ハルちゃんが敬愛されている美空ひばりさんと同時代を活躍され、生涯現役で歌い続けた八代亜紀さんの楽曲も本当素敵なので、いつか挑戦していただけたら嬉しいです。舟唄とか。

実は(と言ったら怒られるかもだけど)MCすごい説

バースデーライブは毎年そうなんですが、歌が終わるとハルちゃんのふわふわーんとしたMCできちんといい感じに現実にギュッと引き戻してもらえるんですよね。
あれ意図してやってても無意識でも、すごいと思います。

歌の世界に没入するのは確かに楽しい体験なのですが、没入しっぱなしだとやはり疲れちゃうし、人によっては色々考えがわーっと湧いてきてしんどくなるんじゃないかと思うんですよね。引き込まれる歌いっぷりだったり、そもそも楽曲自体のメッセージ性が強いと特に。
現実に戻れるアンカー(今回のライブはMC)があると、歌と自身の内面世界が作り出す世界に思いっきりダイブして心地よく楽しめるなーというのを今回とても強く感じました。

余談ですが、今回毎週出演されている番組があるFMヨコハマの方がフラスタ出されていて偉い方も観に来られている中、一部のMCで『横浜そんなに来たことない』という趣旨のお話をされ、二部の前に偉い人に謝り倒したというエピソードはしこたま笑いました。めちゃ素敵な歌の後にそれかい!
そんなうっかりさんなところも大好きです。

彼女がカバーを超える時

今後もこうした形で歌を披露してくださることがまたあるといいなと心から思いましたし、ハルちゃんフィルターに通したらどんな感じになるかぜひ聴いてみたいなと思う曲がいっぱい浮かんでくる素敵な時間でした

同じ言葉でも『誰が言うか』でその言葉の届き方や重みは全く違うと個人的には思っています。
重厚なメッセージが込められている歌をご自身なりの解釈や気持ちのフィルターを通して、ご自身の歌として豪速球でフロアにぶつけ、観衆を別世界に根こそぎ連れていくステージ、本当に圧巻でした。

当日、自分が聴いていたのは形としては「カバー」ではありましたが、紛れもなくカバーの枠を超えた『ハルちゃんの歌』だったなと思います。

ヲタクの高速早口はとにかく長い

本当長いですね。要約すると『ハルちゃんマジ最高』って話ですが、ヲタクのむやみやたらに語りたがる習性でここまで伸びました。びっくりです。
ここまでのヲタクの完全なる自己満長文をお読みいただき、ありがとうございました。

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