見出し画像

データ分析におけるエクセルの限界・得意としない領域とは?

エクセルは、多くのビジネスパーソンにとって欠かせないツールです。直感的な操作でデータを整理し、グラフや基本的な統計分析も簡単に行えます。しかし、エクセルだけでデータ分析を完結させようとすると、思わぬ落とし穴にはまることがあります。エクセルの利点を知るだけではなく、その限界も理解することは、適切で効果的な活用のために重要です。

そこで本記事では、エクセルの限界を整理し分かりやすく解説します。また、エクセルの不得意領域を補完する代替手法についても紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

エクセルの強み

エクセルには、以下のようなメリットがあります。

  1. 手軽に使える:特別な知識がなくても直感的に操作できる。

  2. 簡単な集計・可視化が可能:表計算やグラフ作成機能が充実している。

  3. 多くの企業で標準ツールとして利用されている:業務でのデータ管理に幅広く使われている。

エクセルの限界

便利な一方で、エクセルには明確な限界があります。
これらの限界を理解した上で、エクセルの適切な活用方法を見極め、必要に応じて代替手段を検討することが重要です。

1. データ量が数十万行になるとフリーズする

数十万行以上のデータを扱うと、エクセルは極端に遅くなり、動作が不安定になることがあります。また、そもそもエクセルは約100万行までしかデータを格納することができません。

2. 高度な分析が困難

エクセルには基本的な統計分析機能はありますが、多変量解析や機械学習といった高度な分析には向いていません。

以下はエクセルの分析ツール機能で行える分析です。

1. 分散分析
2. 相関
3. 共分散
4. 基本統計量
5. 指数平滑
6. F検定: 2標本を使った分散の検定
7. フーリエ解析
8. ヒストグラム
9. 移動平均
10. 乱数発生
11. 順位と百分位数
12. 回帰分析
13. サンプリング
14. t検定
15. z検定

一見、たくさんのことができるように見えますが、上記はあくまで基本的な統計分析のみしかサポートしていないのです。

3. 手作業が増え、属人化しやすい

エクセルの分析は手作業が多く、ミスが発生しやすい上に、特定の担当者しか処理方法を把握していないことも少なくありません。

4. 長期的な運用には向かない

参照元のデータを入れ替えた場合は、自動で出力結果が更新されず、再度「分析ツール」機能を開いて計算を実行する必要があります。

そのため、1回限りの分析においては問題ありませんが長期的に同じ分析結果を出力させるのには向いていません。

エクセルの限界を補完する代替手法

エクセルの限界を補完するためには、以下のような方法を使うことで、効率的に高度な分析や長期的な運用が可能になります。以下では、エクセルを補完するための代替手法をいくつか紹介します。

1. データ量が多い場合

エクセルの限界である約100万行の壁を突破するには、データベースを活用する方法があります。特にSQL(Structured Query Language)を使ってデータを管理・処理することで、大量のデータを高速で処理できるようになります。

2. 高度な分析

高度な分析には、RPythonといったプログラミング言語が非常に有用です。これらのツールは近年流行りの機械学習や多変量解析、統計モデリングを行うための豊富な機能があります。
※正確な表現をすると、「豊富なパッケージが用意」されています。

3. 自動化

自動化にはPowerBITableauを使うことで、自動化されたダッシュボードやレポートを作成することができます。
これらのツールは、データの可視化に強みを持ち、定期的にデータが更新されても自動でレポートやダッシュボードを更新することが可能です。

これにより、手作業によるミスを減らし、データの可視化と共有を効率的に行えます。また自動化することで長期的な運用にも最適化することができます。

4. 専門家

上記に挙げた方法を使うことで、より複雑なデータ処理や分析を効率的に行えます。しかし、そのためには専門的な知識が必要です。

実際、こういったツールを使いこなすには多くの時間が必要なので、いっそ専門家に委託するという選択肢もあります。専門家に依頼することで、できることの幅も大きく広がります。例えば以下のようなことが可能になります。

  • 多変量解析や機械学習を使った高度な予測分析

  • 膨大なデータの自動化された処理やデータ統合

  • 業務フローに合わせたカスタム分析ツールの作成

  • エクセルでは実現できないデータ可視化やダッシュボード作成

  • データの自動更新と定期的なレポート出力

とは言いつつ、なかなか難しい部分もあると思うので
少しイメージしやすい表現をします。

  • 売上予測を用いた在庫管理の最適化

  • 顧客セグメントに基づいたターゲティング広告の最適化

  • 売上データと市場トレンドを統合して効果的なキャンペーンを計画

  • ダッシュボードでリアルタイムのパフォーマンスを可視化

  • 定期的なレポートを自動化して作業効率を大幅向上

上記のようなことが可能になります。

まとめ

エクセルは非常に便利なツールですが、万能ではありません。特に、ビジネスの意思決定に関わる重要なデータ分析では、その限界を理解し、適切な手法を選択することが求められます。

そのため、データベースの活用や、RやPythonを用いた高度な分析を行うことが効果的です。また分析業務の自動化や、専門家に思い切って委託することも選択肢として有力です。これらを組み合わせて、より統合的に活用することが重要です。

偏愛とマーケティング研究所では、エクセルを用いた分析をはじめ高度な分析においても複数業種での提供実績があり、クライアント様がより良い意思決定を行えるよう支援いたします。

もし、データ分析に関してお悩みがあれば、無料データ分析相談会を実施していますので、お気軽にご連絡ください!

また、ご質問や詳しい情報が必要な場合は、ぜひお問い合わせください。


弊研究所における、データ分析&レポーティング事例について計15ページのPDF資料にて紹介しております!

▼資料DLはこちら


↓データ分析の理解を深めるための厳選記事一覧はこちら


著者: 納富 崇 / NOTOMI Takashi
偏愛とマーケティング研究所 代表 / データアナリスト


いいなと思ったら応援しよう!