政治資金規正法の大穴
元検察官の郷原弁護士は、政治資金規正法について、ザルどころか、真ん中に大穴が開いている、と以前から主張されていた。
だから、裏金をもらった議員を、政治資金規正法で処罰するのは、難しいということであった。
ところが、この大穴を無かったかのように、議員の逮捕や、家宅捜索が続いていることを危惧している。
裏金というのは、政治資金規正法上の処理を全くしないというものである。つまり、最初から収支報告書に記載するつもりがないということである。
政治資金規正法というのは、もらったお金を収支報告書に記載していないという罪で処罰されるのである。
だから、裏金をもらったというだけでは、不記載の罪を課すわけにもいかないので、大穴だというのです。
考え方としては、次のようなものがある。
事後的に、収支報告書を訂正で記載させる。
脱税の罪で処罰する。(経済学者 野口悠紀雄説)
資金管理団体に入金して、そこに収支報告書に記載させる。
以上の考え方を、すべて郷原氏は否定している。
法的に処罰するのは困難であるが、こんな大穴な政治資金規正法を立法し、これまで放置してきたのは政治家に責任がある。
そのためには、政治家として、落とし前をつけるべきであり、裏金をもらった議員は、辞職すべきだ、と郷原氏は、強調していた。
市民感覚としても、逮捕はしたものの、処罰もされないのでは、怒りはおさまるものではない。
かといって、検察庁が、無理矢理に、議員を処罰したのでは、これはこれで、検察庁の横暴さを問われることになり、問題となる。
ならば、政治家のみで、政治資金規正法を立法するのではなくて、第三者を含めて、大穴のない緻密な法律を検討すべきだろう。