過去2回実施の「「知活人」オンライン・ディスカッション会」から見えてきた、日本のいまと未来

11月12日(木)に、第3回となる以下の「知と地域のプロジェクト「知活人」オンライン・ディスカッション会」を開催する。

過去2回実施して受けた印象は、この時代において「知」と「地域」に関心の高い人が多い点だ。
コロナ禍を通して地方分散社会が叫ばれるようになった。
これを機にプロジェクト「知活人」を立ち上げたのだが、過去2回のディスカッションだけでも、さまざまな課題や方向性、気づきが浮き彫りになった。

場所と思考の往来を重視する「知活人」
最も大きな気づきは、「都会と地方を往来しながら仕事をしたい人」と、「都会から地方に移住、もしくはその逆によって、“定住”したい人」がいることだ。
ここで知活人の活動指針として再確認できたのは、知活人は定住支援のプロジェクトではない点だ。
放牧民のように定住地を持たない人を支援する、という意味でもない。一定の場所に居住空間を持ちつつ、定期・不定期に活動場所を移転・往来する、という働き方・生き方に価値を置くのが「知活人」である。
また改めて確認したのは、活動場所の移転にとどまらず、「考えの移転」にも重きを置く考え方だ。一定のイデオロギーや主義、宗教に固着せず、人間本来の生き方に基づいてさまざまな考えを往来する点をも「知活人」は重視する。

北は福島の限界集落、南は鹿児島まで、さまざまな課題を共有
過去2回のフリー・ディスカッションを通して、「知活人」のありうべき、さまざまな様相が見えてきた。
居住空間(住む場所)という「場」の課題と、考え方や生き方という「心」の課題の双方を、「知活人」ではコミュニティとして共有し、解決しようと取り組んでいる。

第2回目のフリー・ディスカッションでは、北は福島の限界集落、南は鹿児島まで、本当に全国から多様な方々にお集まりいただいた。
印象的だったのは、「いま住んでいるところは大好きだから離れたくない。でも職場は東京にあり仕方なく通っている」という方や、「田舎が嫌いで都会に移住した。あなたたちがなにをしたいのか知りたい」という意見の方もいらっしゃった。

福島の限界集落から東京の仕事をしている方は、お子様の教育の問題(1クラス3人)、ご両親の高齢化・医療の問題、古くからの集落の住民との人間関係など、さまざまな課題を赤裸々に語ってくれた。

地方分散社会の実現が叫ばれるとはいえ、そうそう簡単ではないことは見えてきた。そして、コロナ禍でこれだけの目に遭っても、日本人はまだまだ変わりたくないという空気も、なんとなく嗅ぎ取った。
3.11のときも「日本は変わる!」と何度も言われてきた。
が、さほど変わらなかった。
災害に対する恐怖意識が高まることで、恐怖意識が「変化への恐怖」への意識へと書き換わったのだろう。

きずなを超えた「連帯」がアフター・コロナの日本をつくる
3.11のとき日本には「きずな」という言葉があちらこちらから聞かれた。
コロナ禍のいま、私たちにはどういった言葉がキーワードになるのだろうか。
私が考えるのは「連帯」(ソリダリティ)である。
あるエンジニアさんから、「いまは団結の時代。意識的な強いつながりがこの時代を乗り越える」ということを聞いて、私が考える言葉との親和性を見た。

人々が強いつながりで連帯し、新しい社会をつくる。
そして新しい社会を、子や孫の世代に受け継ぐ。
これにより子や孫の世代の人たちには、よりクリエイティブな課題に取り組んでいただきたい。

そんな社会構築に「知活人」は貢献していきたい。
興味のある方は、ディスカッション会にご参加いただきたい。

日本を支えるIT教養の基礎となる本『ゼロから理解するITテクノロジー図鑑』を監修しました。


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