『キング・オブ・シーヴズ』(イギリス/2018)
2015年にイギリスで実際に起こった最高齢かつ最高額の金庫破り集団の窃盗事件を映画化。事件発生3年後に映画化しているのが早いなという印象。
主人公はブライアン77歳。かつては泥棒王とも呼ばれた彼だが、引退後は妻とささやかに暮らしている。かつての窃盗団から誘われても妻を裏切れないと言ってきたが、ある日妻がぽっくり亡くなってしまう。人生の伴侶を失った彼は寂しげな孤独な老人になってしまう。
妻のいない人生に虚しさを覚えた彼は、悪い誘いにのってしまい泥棒家業に生きがいを見出そうとする。謎の生年バジルを仲間に加え、かつての窃盗団を再結成。平均年齢60オーバーの老人たちがイギリス最高額の金庫破りを実行するのだ!
パンフレットや映画.comの画像を見るとなんだかカッコいい感じしますよね?
見ると酸いも甘いも噛み分けた往年の名俳優たちのダンディで渋い窃盗団が観られるのかと思ったのだがそうではない。時代遅れでITを活用できなかったり、体の不調を訴える老人たちの哀愁コメディ映画でもある。(糖尿病とか股関節が悪いとかトイレが近いとか)
というわけでコメディとして面白いといえば面白く、クライム映画特有のサスペンス要素もあるので、飽きるはことはない。飽きることはないのだが、観賞後に残るものがない。
何か一つ心に残るようなセリフやシーンがあればよかったなあという印象。
強いてあげるなら……、「昔取った杵柄」は年老いても体が覚えてるから、若いうちに前向きなことでスキルを積むことは老後の救いになるかもね、ってぐらいです。
(面白さ:★★★★★☆☆☆☆☆)