『あと1センチの恋』(2014/ドイツ,イギリス)
例えば商品を作るとき、どの層に売るのかを作るのか考えてから作りますよね。ターゲット層というやつです。
それでいうと『あと1センチの恋』のターゲット層に私は入ってなかったですね。ジャケ写からの想像通り、本作は10代後半から20代前半向けがターゲットかと。
登場人物はみんな可愛いし、子供以外は年をとってるように見えないのですが、浮気や離婚騒動が起こります。だから実際はドロドロしているはずなんですが、そういうところはポップなBGMを流して、ダイジェストみたいな形でサラッと流してしまう。
さて本筋です。相思相愛なんだけど主人公2人は思いを告げられずに、12年もすれ違い続けてしまうという話。それによって2人の心には穴があいてしまいます。すれ違い続けるだけならいいのですが、心の穴を埋めるために、2人はいろんな人を巻き込みます。
パートナーを作ったり、時には結婚したりします。結婚している時に実は相思相愛の主人公たちが出会ってしまうので、その時の交際相手や結婚相手がいるので、相手にイヤな思いをさせます。つまり心の穴を埋めるために付き合ったり、結婚したりしてしまった人たちが、主人公2人の裏にはいるのです。
最後は当然ハッピーエンドですが、裏には二人に振り回された人たちがいました。
素直に祝福はできないんですが、「やりたいことを貫くためには、周りが犠牲になることも止むを得ない」とも言えますね。でもそういうドロドロはポップにサラッと流します。おそらくターゲット層は高校生とかなのでそういう人たちは何も思わず観れるのかなあと思いました。
(面白さ:★★★★☆☆☆☆☆☆)