『蜘蛛女』(1993/アリメカ)
若かりしゲイリー・オールドマン扮するクズ刑事はマフィアに警察内部の情報を横流して富を蓄える。既婚者にも関わらず、その汚い金で若い愛人も囲うというクズ中の悪徳クズ刑事が主人公のジャックだ。
そこにレナ・オリン扮する超極悪女マフィアがやってきて大騒動を巻き起こすのが『蜘蛛女』という映画である。
クズ中のクズだが主人公はちょっと応援したくなる魅力があり、女マフィアはキャラクターが強烈で笑い声と佇まいは一度見たら忘れられない。この映画は濃いキャラ祭りの100分だと言えよう。
僕は吹き替え版で観たのですが、主人公の声は山寺宏一氏が担当しており、ダメ男っぷりが非常によく出ている。ただし、ここがこの映画の鑑賞法のポイントになるかもしれない。なぜなら字幕版で観ると全然印象が違う可能性がある。実際にyoutubeの予告動画だと本格サスペンス映画のように見えるが、吹き替えはコメディ要素が多めに見えた。
原題は『Romeo is Bleeding』で訳すと「ロミオは血を流している」になり、公開時のキャッチコピーは「愚かな男の死骸がゴロゴロ」らしい。でも邦題は『蜘蛛女』である。
原題に合わせて男の物語として観るのか、邦題に合わせて女の物語として観るのか、でも印象は全然変わるんじゃないかと思いました。
愚かな男たちの生き様を観るか、蜘蛛のように男を籠絡させる女の手練手管を観るか、ここもポイントですね。とはいえ完全娯楽映画なので何も考えずに観たいときは良いと思います!
(面白さ:★★★★★★★★☆☆)