『イミテーション・ゲーム』(イギリス、アメリカ/2015)

舞台は第2次世界大戦時、イギリス。偶然にも先月チャーチルの映画を観ており、同じ年代が舞台です。

ドイツ軍の侵攻を受け、欧州がナチスドイツに占拠されていくなか、この戦争に勝利するために必要なものは何か。ドイツ軍が世界に誇る暗号機エニグマの解読することがキーになるのだ。
ドイツ軍の情報は常に飛び交っており、イギリス軍はそれを傍受できるのですが、暗号を解読することができずに、どんどんドイツに攻め込まれる始末。何とか暗号解読できれば、ドイツ軍に先手を打つことができるのに!

イギリス軍は暗号解読のためイギリス中から、優秀な数学者やチェスのチャンピオンなどを集めて、軍務に従事させることにします。

さて主人公ですが、アラン・チューリングという若き天才数学者です。協調性は皆無で、暗号解読のチームメンバを見下す始末。仲間たちと何度も衝突して、軍の上官からも嫌われて、クビ寸前の危機は何度も迎えるが、とある女性との出会いを機に、協調性を身につけ、仲間たちも彼の才能を認めていく。
その女性と結婚までするのですが、実は彼は同性愛者であり、彼女との付き合い方に困惑します。暗号解読も思うように進まず、ドイツ軍も侵攻し…どうなるか!という史実を基にした映画です。

アランはかなり協調性がないので、会話も成り立ちません。会話の内容の裏側を読み取ることができないので、「ランチに行く」と仲間が言っても、それが自分に向けての誘いなのかどうか分かりません。ここで面白いのは、アランは人間たちの会話の裏側の意味を読み取れないので、それも暗号解読と一緒だと言います。ただでさえ同性愛者のマイノリティーなのに、人の心の機微を読み取る能力もなく、かなりの生きづらさを抱えた人物に違いません。でも天才数学者であり、第2次世界大戦を終わらせるための暗号解読は彼の頭脳にかかっている。

戦争後の世界も描かれますが、それもまた悲しい史実が待っています。戦争により生まれた悲劇のヒーローと、彼が残した偉業を知ることができる良い映画です。

(面白さ:★★★★★★★☆☆☆)


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