80代母の東京観光をプランニング
親との旅行・・
どこへ連れていくか、困りませんか?
うちの母は80代。
田舎で自活生活していますが、ときどき東京に遊びにきます。
行きたいところをたずねるも、長年、亭主関白な夫に仕えてきた
昭和の女ですから、
自分がどうしたい、こうしたい、というのがありません。
こちらもガイドブックを参考にするものの、シニア向けのものがない。
80代でボケず、聞こえる、しゃべれる、食べれる、器具なしで歩ける
という希少人種。
とはいえ、疲れやすい、トイレが近い、忘れっぽい、
老体の特徴は装備しているのですが。
そんな母が喜んだスポットを参考に、
超シニア向けの東京案内をまとめてみました。
1日目 東京駅&ご近所散策
12:00
母は新幹線でやってきます。
飛行機は落ち着く間がなく、疲れるんだそうです。
年をとると、はやく移動することの価値が薄れるんですね。
それよりも、体に負担をかけない方法のほうが優位。
半日かけての移動ですが、ほとんど寝ていたそうで、
全くの疲れもなく東京駅に到着した母。
前回、新幹線で来た時は、
新幹線と在来線の乗り換え口で、
切符を取り忘れました。
え~あそこが出口かと思ったもん。
乗車券が出たの気づかんかった。
だそうです。
世の中、シニアには甘いので、在来線の出口で、
次は気を付けてくださいね、とやさしく諫められた程度でしたが。
今回はその教訓をいかして、ちゃんとスムーズに出ることが
できました。
東京駅、出口がたくさんありますが、
東京観光スタートは、東京駅丸の内側の南口です。
東京駅レンガの駅舎の見どころの一つはドーム型の天井。
ドームの天井は北側と南側にありますが、今回は南側へ。
なぜなら、
そのまま東京ステーションホテルのラウンジへ向かえるから。
ラウンジでお茶を一服。
1日に93万人もの人たちが利用する東京駅ですが、
その一角はこんなにモダンで落ち着いた空間があるのか、と
ギャップの大きさを体感できます。
田舎の人にとっては、東京駅に丸の内口と八重洲口があることを知らなかったりするので、レンガの駅舎を案内してあげると、東京駅ってほんとにレンガづくりなんだ~と感激されます。
東京ステーションホテル https://www.tokyostationhotel.jp
13:30
東京駅を出たら、右斜め前のKITTEに。
KITTEは東京中央郵便局の建物があった場所に建てられた商業複合施設です。
4階には旧郵便局長室が再現されていて、昔の建物の建材が使われています。無料で見学できます。
お目当ては6階の屋上庭園。ここから、東京駅丸の内駅舎を眺めることができます。
今乗ってきた新幹線や在来線の電車がずらりと並んでいる景色も見ることができますし、東京駅を出てくる人たちの多さを見ると、東京の規模を実感できます。
KITTE 丸の内 屋上庭園 その他施設|KITTE丸の内 | JR・丸ノ内線 東京駅に直結したショッピングセンター「キッテ」 (jp-kitte.jp)
KITTEにはたくさんショップが入っていますが、
おすすめは3階にある
『GOOD DESIGN STORE TOKYO BY NOHARA』(グッドデザインストア トウキョウ バイ ノハラ)。
こちらは、グッドデザイン賞受賞商品のみを扱っているライフスタイルショップ。文具や雑貨、インテリアや食品などデザインのいいものが揃っています。親が興味を持った商品は買ってあげると喜ばれます。
KITTE 丸の内 『GOOD DESIGN STORE TOKYO BY NOHARA』GOOD DESIGN STORE TOKYO by NOHARA (デザイン・ライフスタイル・ギフト)|KITTE丸の内 | JR・丸ノ内線 東京駅に直結したショッピングセンター「キッテ」 (jp-kitte.jp)
15:30
うちに荷物を置いて、まだ余力があったので、近くの清澄庭園へ散歩に連れ出す。
江戸時代は豪商や武士の下屋敷だったらしいのですが、
明治に入って荒れ果てていたのを
三菱財閥の創始者岩崎弥太郎が買い取り、社員の慰労や客のもてなすために整備した日本庭園です。
東京駅の近くには浜離宮がありますが、立ち寄るには行きづらく、
年寄りには広すぎる。
こちらの池泉回遊式の日本庭園はこじんまりとしていて、
散歩にちょうどいい広さ。
東京駅界隈を開発したのも岩崎弥太郎ですから、そのつながりを説明してあげると、素直に感心してくれます。
急に大都会に来て、緊張していた親も、
近所や公園を散歩して、緑や水面に触れさせると
田舎との共通点を見出して落ち着いてきました。
帰りはすっかり夕暮れで、
空はオレンジと藍色の二層仕立てに。
隅田川にかかる橋がライトアップされ、
スカイツリーにも高層マンション群にも明かりが灯り、夜景を楽しみながら帰宅。
清澄白河はロータリーを併設したカフェやワイナリーがたくさんあります。
ブルーボトルコーヒーの一号店もこの近く。
清澄庭園 住所:江東区清澄
最寄り駅:大江戸線清澄白河駅
入園料:一般150円 65歳以上は70円
清澄庭園 清澄庭園|公園へ行こう! (tokyo-park.or.jp)
隅田川の橋一覧 隅田川に架かる橋のライトアップ (tokyo.lg.jp)
2日目 ザ・東京 観光
9:00
2日目は下町界隈をめぐります。
最初は、相撲部屋の朝稽古見学へ。
若隆景、若元春、若隆元が所属している荒汐部屋は
外から稽古を見ることができます。
ご贔屓さんでないと稽古の見学なぞできない相撲部屋ですが、
こちらの部屋はガラス張りでオープンマインド。
稽古は朝6時から10時。
場所中や力士さんたちの体調で稽古がない日も多いようです。
伺ったのは9時ころですが、すでに通りは人だかり。
外国人旅行客もたくさんいました。
お相撲さんたちを間近で見ると、ツルスベした肌や迫力のある体格に、
なんかありがたい感じがする、と母。
10時過ぎると、稽古終わりのお相撲さんが外に出てくれて
一緒に撮影してもらえます。
朝、寒くて、出かけるのを億劫がっていた母ですが、
お相撲さんの威勢のいい掛け声や、
稽古の熱気を間近にみて、元気になりました。
荒汐部屋 荒汐部屋 大相撲 (arashio.net)
最寄り駅:新宿都営線浜町駅
10:30
日比谷線人形町駅まで歩き、上野へ移動。
上野公園の西郷隆盛像を見て、動物園で双子パンダを見学。
東京観光のこれぞ観光、というところに行ってみます。
上野公園にはいくつもの美術館がありますが、国立西洋美術館の常設展へ。
建物はル・コルビュジェ設計で世界遺産に登録されています。
母は兄弟の面倒をみるため、あまり学校に行けなかった世代。
建築や絵画を見るよりも、テレビでよく出ている、とか、世界遺産とかの
ミーハーな形容詞のほうが楽しい。
ここにはロダンの彫刻作品もあるので、ほれ、考える人がそこにあるよ、と教えると、へ~ここにあるの。ほ~~
と感嘆府をつけてくれる。
ここの常設展は、西洋美術の有名どころが揃っているので、
有名な人の作品をたくさんみた!
という満足感がえられます。
ここにある有名どころの一例は、
ロダン、ルーベンス、マネ、ゴッホ、モネ、アングル、カンディンスキー、クールベ、ルノワール・・・
母の観光めぐりのため、下見のために訪れたのが初めてでしたが、
思いのほか、穴場でした。
企画展よりも空いてるし、ゆっくり堪能できます。
上野公園 https://www.kensetsu.metro.tokyo.lg.jp/jimusho/toubuk/...
上野動物園 https://www.tokyo-zoo.net/zoo/ueno
入園料:一般600円 65歳以上 300円(都内在住者は無料)
国立西洋美術館 https://www.nmwa.go.jp/jp/index.html
観覧料:一般500円 65歳以上無料
12:30
お昼ご飯は、上野公園の中にある、上野精養軒へ。こちらは日本で最初の西洋料理店です。
建物やエントランスに飾っている調度品も豪華。
人気メニューはこちら ↓ パンダプレート!
14:00
銀座線で浅草まで行き、仲見世と浅草寺参り。
仲見世の入口にある大提灯の前で記念撮影し、仲見世の土産物店をひやかしながら、揚げ饅頭をほおばりつつ浅草寺へ。
浅草はどこも混んでいるので、休憩できる喫茶店を見繕っておくとよいかもしれません。
浅草も、住んでいる我が身としては、わざわざ行きたいもんかな?と
心配でしたが、テレビで見る風景を直に見れる、というのは格別らしく、
杞憂でした。
人込みが苦手と言っていましたが、
観光地ならではの賑わいがあるのは気分を高揚させるようで、
始終ご機嫌な1日でした。
3日目 ぐるっと東京パノラマツアー
11:00
帰郷する前に、駆け足で東京ツアーができるのが、こちら。
はとバスのぐるっと東京パノラマツアー。
2階建てのオープントップバスでめぐる1時間のバス旅。
朝9時半から夕方4時まで、ほぼ30分ごとに出発便があります。
便数は多いのですが、時間帯によっては満席のことも。
予約しておくと確実です。
東京駅から皇居、国会議事堂、霞が関、虎ノ門、東京タワー、お台場、
豊洲市場、銀座をめぐりますが、
視線が高いので見慣れた風景も新鮮にうつります。
ルーフトップなので、暑さ寒さ対策、天気対策を。
Tokyo Open Top Tour|はとバス【公式】 (hatobus.co.jp)
12:30
ランチは大丸百貨店のレストラン街へ。
窓際のテーブルですと、東京の景色が一望できます。
皇居やJR線を見ることができるかも。
大丸には、東急ハンズや好日山荘があり、
家の手入れに役立ちそうな洗剤やら道具を探したり、
旅行によさそうな靴や上着を見つけることができます。
生活用品や趣味の道具は、普段からの会話から困りごとを収集しておくと
便利グッズを探しやすいです。
ガレージの錆とり、
ガラス窓に貼る紫外線シート、
お風呂の掃除ブラシ、
デリケートな衣類専用の洗剤、
ハンガーや収納グッズ・・・
なにか必要なものはあるか聞いても、
80代は考えたり思い出すのが苦手になってきています。
便利なものも、困りごとを思い出さないことには、見逃してしまいます。
母は一度遊びにくると、2週間ほど滞在していきます。
ほかにも、銀座で買い物やら、
ミュージアムやら、
お食事やら連れていきましたが、
そのなかから2泊3日の東京観光をプランニングしてみました。
観光でかかった料金は、
清澄庭園 70円
上野動物園 300円
国立西洋美術館 常設展は65歳以上 無料
はとバス TOKYOパノラマドライブ 大人2000円
しめて、合計2370円
東京観光のだいご味は、
テレビで見た風景に行けること。
国立の施設が多くて安いこと。
歴史的な建造物も
ランドマークな建物も、
町の中にたくさんあること。
なかでも
東京駅丸の内駅舎
東京タワー
浅草寺仲見世大提灯
初めて、地方に住む親を東京案内するなら、この三か所をおさえておくと
東京に行ってきた~~と満足してもらえるはず。
次回、4度目の上京は、どこに連れて行くのやら。